脱健着患を意識して、体位変換の回数を最小限にしましょう。
片麻痺の方の着脱介助には、 “脱健着患”という原則があります。脱ぐときは健側(麻痺がない方)から、着るときは患側(麻痺のある方)から介助すると、患側に無理なく着脱が行えるのです。この原則は、寝たままの着脱でも変わりません。気をつけたいポイントは、身体の向きを変える回数。少しだけ身体を傾けたり、お尻を浮かせたりすることで、必要な体位変換がたった2回で済むのです!また、着脱介助は手際だけでなく、羞恥心への配慮も必要に。順番をしっかり頭に入れて、落ち着いて介助したいものですね。
ボタンをクリックでチャンネル登録!最新動画の公開情報が届きます!
環境を整える

着脱介助の際には、 ベッドは介助しやすい高さに合わせます。また、着替えは上下ともに介助者と反対側のベッド上に置いておくと、介助がしやすくなりますよ。
(00:07〜00:18)
健側の袖から脱ぐ

横になっていても、脱ぐ時は健側から。上着は下に向かって脱がせていきます。肘が出たら、上に向かって引いてもらいましょう。楽に脱げますよ。
(00:21〜00:26)

身体を少し傾けて、脱いだ上着を背中の下に敷き込んでいきます。このとき、患側が下になってしまうので、あまり傾けすぎないようにしてくださいね。
(00:27〜00:40)

横向きになって介助者の方を向いてもらいます。羞恥心に配慮して、新しい上着を被せながら古い上着を脱がせましょう。
(00:40〜00:57)
患側から袖を通す

着る時は患側から。袖はあらかじめたぐっておき、患側の手を持ちながら袖を通します。このような介助の仕方を“迎え袖”といいます。
(00:57〜01:09)

袖を通したら、余った上着を身体の下に敷き込みます。袖を敷き込むのも忘れずに。
(01:13〜01:15)

仰向けに戻す前に、患側のズボンを下ろしておきましょう。そうすることで、何度も横向きにならなくて済みますよ。
(01:16〜01:18)
健側の袖を通す

身体を少し傾けると、先ほど敷き込んだ上着があるはず。これをなるべく下に向かって引き出します。このときも、身体をあまり傾けすぎないようにしてくださいね。また、羞恥心に配慮して、ここではズボンを下ろさないようにしましょう。
(01:25〜01:32)

上着を引き出したら、健側も袖を通しましょう。下に向かって肘を伸ばしてもらえば、通しやすくなるはずです。
(01:33〜01:38)
ズボンの着脱

骨盤を傾けて、健側のお尻だけ浮かせてもらいます。患側のズボンは既に下ろしてあるので、少し引くだけで簡単に脱げますよ。
(01:51〜01:54)

“脱健着患”の原則はズボンも同じです。着るときは裾をたぐり、患側から通しましょう。
(01:59〜02:18)

両足が通ったら、できるだけズボンを上げましょう。上がりきったら骨盤を傾けて、健側のお尻だけ浮かせてもらいます。健側の腰にズボンを引っかけるのが簡単になりますよ。
(02:19〜02:33)

横向きになって介助者の方を向いてもらったら、ズボンを上げます。このとき、しっかり上げるだけでなく、ズボンが曲がっていないかもチェックしてくださいね。
(02:34〜02:44)
シワを伸ばす

仰向けになる前に、背中側の衣服のシワをしっかり伸ばしておきましょう。シワは、着心地を損なうだけでなく、皮膚の弱い方や、長時間横になっている方にとっては褥瘡の原因にもなってしまいます。
(02:44〜02:47)

仰向けになったら、袖や前身ごろのシワも伸ばします。気持ち悪いところがないか、被介助者にも確認してくださいね。
(02:57〜03:05)
介助の順番を意識して、身体の向きを変える回数は最低限に
