採用面接では身だしなみが重要
介護職の採用面接で、身だしなみは非常に重要な要素です。その理由を細かく見ていきましょう。
面接官の印象に大きく影響する
採用担当者は、求職者の能力だけでなく、その人の人格やキャラクターについても評価します。
身だしなみが整っている人は、信頼できそうな印象を与えることができます。
また、利用者(ご年配の方)が不快に感じないかどうかも重要な判断材料になります。
利用者との信頼関係構築に影響する
介護の現場では利用者に直接触れる身体介護を行うことが多いため、職員は常に清潔感のある状態が求められます。
清潔感がなく不適切な服装で働いていると、信頼感を損なう原因になります。
面接官は面接時の様子から、普段の勤務時も清潔感を保って働いてくれそうかを判断します。
面接当日と同じ格好をして事前に確認を
面接当日の服装や髪型は前日までに決めておきましょう。
できれば面接当日と同じ状態で鏡の前に立って問題ないことを確認しておくことをお勧めします。
当日着る予定の服をいざ出してみたら、ブラウスにしみがついていた、なかなかとれないシワがついていた、サイズが合わなくなっていたなど、不測の事態は起きるものです。
対処できるように余裕を持って備えておきましょう。
男性におすすめの服装
ここからは男女別に、失敗しないおすすめの服装を紹介していきます。まずは男性におすすめの服装です。
スーツなら安心
服装に迷ったら、スーツを着ておけば安心です。スーツは、一般的にビジネスシーンでのスタンダードな装いであり、面接官にも好印象を与える効果があります。
久しぶりに着用する場合はシワやシミがないか前もって確認し、必要ならクリーニングに出しましょう。
色
スーツの色は、黒や紺、グレーなどの無難な色を選んでおけば安心です。
明るすぎる色や派手な柄物は、面接官に悪印象を与える可能性がありますので、避けるようにしましょう。
サイズ
スーツのサイズには注意を払いましょう。ジャストサイズのスーツを選ぶことで、清潔感ときちんと感がアピールできます。
一方で、小さすぎたり大きすぎたりすると、だらしない印象を与えることになります。
ネクタイ
ネクタイは、シンプルな柄を選んでおけば安心です。採用面接の場では奇抜なデザインのものを着用して個性を出す必要はありません。
結び方が下手だったり、緩んでいたりするとかなり悪い印象を与えることになります。
結ぶのが苦手な方はレクチャー動画などを見て事前に練習しておきましょう。
靴
靴は、黒や茶色の革靴が好ましいです。靴下も、黒や紺など無難な色を選びましょう。
スニーカーやサンダルなど、カジュアルな靴は避け、厳粛な場に相応しい靴を選ぶようにしましょう。
汚れがなく、ほどよく磨かれていることも重要です。
靴磨きが苦手な方は、100円ショップなどで買えるスポンジタイプの簡易的なツヤだしグッズで磨くとよいでしょう。
その他注意点
腕時計は本体がシルバーでベルトはシルバーか革製の物を選びましょう。
スポーツウォッチや金などの派手な色の時計は面接シーンには適しません。
アクセサリーについては就業時は利用者を傷つけるおそれがあるため禁止としている施設が多いです。
面接時も特に着ける必要はないでしょう。
香水については、匂いの好みは人それぞれのため、つけないことをおすすめします。
体臭ケアとして弱めのものをつけるケール以外はつける必要はないでしょう。
ビジネスカジュアル
スーツを持っていない場合はジャケットにパンツなどのビジネスカジュアルな服装でも構いません。
ただし、さじ加減を誤るとラフな印象を与えてしまうため、注意が必要です。
ジャケット
ビジネスカジュアルではジャケットを着用することが望ましいです。
色は落ち着いたネイビーやグレー、ベージュなどが適切で、素材はウールやカシミヤなどの上質なものが好ましいでしょう。
ただし、夏場の面接でクールビズスタイルで構いませんと指示があった場合は、ジャケットを着用せずシャツだけでよいこともあります。
シャツ・インナー
ビジネスカジュアルでは、シャツの色は白、淡いピンク、ブルーなどが適切です。
素材は綿やリネンなどが涼しく快適です。
シャツの下に着るインナーは、Tシャツやタンクトップなどは避け、インナーに適したインナーシャツを用意しておきましょう。
ネクタイはありなしどちらも可能です、着用したほうがきちんとした印象を与えることができます。
ノーネクタイで臨む場合、インナーの丸首が見えてしまうとだらしない印象になるので、Vネックを選ぶなどの配慮が必要です。
ボトムス
パンツはデニムやカジュアルなものは避け、チノパンやスラックスを選ぶと好印象です。
色は黒やネイビー、ベージュやグレーなどが相性が良いです。丈は足首が見える程度の長さが望ましいです。
丈が長すぎて裾がたるんでシューズの上にダボっと乗ってしまう場合は、裾を内側に折ってピンで止めるなどの応急処置も検討しましょう。
靴
靴はビジネスシューズを選ぶのが無難です。スニーカーやサンダルなどは避け、色は黒やダークブラウンなどの落ち着いた色を選びましょう。
その他注意点
靴はビジネスシューズを選ぶのが無難です。
スニーカーやサンダルなどは避け、色は黒やダークブラウンなどの落ち着いた色を選びましょう。
女性におすすめの服装
続いて女性におすすめの服装です。男性に比べると自由度が高いですが、その分選ぶのが難しいという声も多いです。
スーツ
男性同様に、判断に迷った場合はスーツを着ておけば安心です。
色
スーツの色は、グレーやネイビー、べージュ、黒などが良いでしょう。
男性同様、久しぶりに着用する場合はシワやシミがないか前もって確認し、必要ならクリーニングに出しましょう。ボトムスはスカート、パンツどちらでも構いません。
サイズ
スーツは、体に合ったものを選びましょう。
肩やウエストのサイズがあっていないとだらしない印象になります。
靴
スーツには、パンプスやローファーなどの靴が合います。
ヒールは、3cm以下が望ましいです。また、黒色やベージュなどの落ち着いた色のものを選ぶと、より良い印象を与えます。
その他注意点
肌の露出は避けましょう。ネックラインはあまり深くないものを選び、スカートは膝丈以上のものを選ぶと良いでしょう。
ビジネスカジュアル
スーツを持っていない場合はビジネスカジュアルでも構いません。
ジャケット
スーツ同様にビジネスカジュアルの場合もジャケットの色は、グレー、ネイビー、黒、ベージュなどが良いでしょう。
できればシングルボタンのものを選ぶと、きっちりとした印象を与えることができます。
インナー
インナーは、ブラウスやシャツが合います。
色は、白やベージュが好まれます。首元はあまりあいていないものを選びましょう。
ボトムス
ボトムスは、スカート、パンツどちらでも問題ありません。
スカートは膝丈以上のものを選びましょう。パンツは、ストレートやテーパードなどのきちんとしたデザインのものが好まれます。
その他注意点
肌の露出は避けましょう。
また、Tシャツやジーンズなどはラフな印象を与えてしまうため避けたほうが無難です。
身だしなみ全般について
介護職は利用者と長時間直接接する職種であり、服装に限らず髪型やアクセサリー、持ち物を含めた「身だしなみ」は非常に重要です。
採用面接の場でも適切な身だしなみを心がけましょう。
髪型(男性)
男性の場合、清潔感のある短髪が望ましいです。
長髪の場合は、後ろでまとめるか、きちんと整えるようにしましょう。また、前髪が目にかかることは避けるようにしましょう。
髪色は黒が望ましいです。暗めの茶髪なら許容される施設もありますが、面接当日は黒染めをしていったほうが良いでしょう。
髪型(女性)
女性の場合も、清潔感のある髪型が望ましいです。
短めのボブやショートヘアがオススメですが、ロングヘアの場合はアップスタイルにするなど、きちんと整えましょう。前髪は、目にかかることがないようにしましょう。
髪色は暗めの茶髪までならOKですが、明るい茶髪や金髪、赤や紫などの目立つ色の場合は、暗めの色に染めていったほうが良いでしょう。
メイク・ネイル
メイクは、ナチュラルメイクが望ましいです。
また、爪は短く切りそろえ、無地かシンプルなデザインのものにしましょう。
介護職の仕事では、患者さんや利用者さんの身体をサポートするために手を使うことが多いため、爪が長すぎると利用者の皮膚を傷つける可能性があります。
アクセサリー
アクセサリーは、控えめなものを選びましょう。
ネックレスやイヤリングは、小ぶりのものがお勧めです。
指輪は、結婚指輪や、シンプルなデザインのものにしましょう。
なお、実際に勤務する際は利用者の身体を傷つける危険があるためアクセサリーはつけないほうが望ましいです。
香水
香水は、つけない、もしくは控えめにしましょう。
特に強い匂いのものは避け、清潔感のある香りを選びましょう。
鞄(バッグ)
鞄は、控えめでシンプルなものを選びましょう。
色は、黒や茶色などの落ち着いた色が望ましいです。
履歴書などの書類を持参したり、面接時に資料をいただく可能性があるため、A4クリアファイルが入るサイズのものを選びましょう。
その他注意点
以上、項目ごとに注意点を挙げてきました。
これ以外にも細かなことですが、歯磨きや体臭のケアも忘れずに行いましょう。夏場に用事を終えてから面接に行く際などは、汗をかくことを見越して替えのインナーや汗拭きシートなども準備しておくと安心です。
職場体験がある場合の服装と持ち物
面接後に職場体験が実施される場合があります。事前にその旨を知らせてくれるので、以下の項目に留意しておきましょう。
- メモ用具を持参する:職場体験中に、情報をメモする必要がある場合がありますので、筆記用具を持参しましょう。
- 服装は事前に確認:スーツ姿で体験するのは現実的ではありません。施設指定のユニフォームを貸与してくれることもあるので、動きやすい服を持参する必要があるか事前に確認しましょう。
- 動きやすい靴を持参:ヒールなどスーツに合う服装で行く場合は、動きやすいシューズを別途持参しましょう。
- 無言で観察しない:職場体験中は、積極的に行動し、採用担当者や職員の方々とコミュニケーションを取るようにしましょう。
雇用形態による違い(正社員・契約社員・パート・アルバイト)
これまでの内容は正社員、契約社員などの「社員採用」を前提として述べています。では、パートやアルバイトの場合はどうでしょうか。
基本的には社員採用の面接の服装と変わりません。
雇用形態が何であれ、利用者にとってはサービスを提供してくれる施設の従業員であることに変わりはないからです。
ただし、ジャケットの着用については必須ではなく、襟付きのシャツやブラウス、落ち着いた色のセーターなどであれば許容されるでしょう。
清潔感の基準は変わらないが、フォーマル面で求めらる基準は若干ゆるくなります。
当日の持ち物
当日持参すべき持ち物について紹介します。前日までに揃えておきましょう。
履歴書・職務経歴書
履歴書や職務経歴書は、必ず持参しましょう。
事前に提出している場合でも、自己紹介の際に自分の経歴に触れることがあるため、用意しておくと安心です。
資格の認定証
介護職には、介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格が必要な場合があります。
その場合、資格の認定証も持参するようにしましょう。
面接官から直接聞かれなくても、持っていくことで資格をアピールすることができます。
筆記用具とスケジュール
面接で何か質問された際に、メモを取っておくことができるように、筆記用具を用意しておきましょう。
また、スケジュール帳を持参することで、面接後のスケジュール調整がしやすくなります。
マスクやハンカチなどのエチケット用品
高齢者はインフルエンザや季節性の風邪にかかった場合でも深刻化する可能性が高いです。
そのため、新型コロナウイルスの流行状況に関わらず、介護施設を訪れる際はマスク着用が望ましいです。
また、施設まで距離がある場合は、到着時に汗をかいていることもあります。タオルやハンカチを用意しておくと良いでしょう。
まとめ
以上、介護職の採用面接時の服装について紹介しました。
介護職は高齢者が相手の仕事です。面接官は高齢者の目にどう映るかという観点であなたを見ています。年配の方を不快にさせない落ち着いた清潔感のある服装を意識していきましょう。