看護師とは? 定義を解説
看護師とは、医師の診療および診察のサポート、病気・怪我を抱えている人に対する医療的ケア、さらにライフストーリーや価値観に沿って患者本人やその家族への精神的なケアを行う専門職です。
法律上、看護師は、保健師助産師看護師法において以下の通り定義されています。
「『看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診察の補助を行うことを業とする者をいう」
じよく婦とは、分娩後~妊娠前までの状態にある女性のことです。
なお、看護師は国家資格であるため無資格者が「看護師」と名乗ることは制度上許されていません。
看護師として働くには、看護師国家試験に合格して看護師免許を取得する必要があります。
看護師の仕事内容
看護師の主な仕事は、病院やクリニックで医師が患者の診察をする際、そのサポートや治療の補助を行うことです。
具体的には、医師の指示のもとで血圧や体温、脈を測定するバイタルチェックをはじめ、注射や採血、点滴を行います。
さらに、収集した情報をもとに看護師の視点でアセスメントを行います。アセスメントによって指示されたケアや医療提供の妥当性や必要性、その方法などを専門家として判断することが求められます
また、入院設備のある病院では食事や入浴の用意やベッドメイキングなどをしたり、医師と患者やその家族との間のコミュニケーションを図ったりするなど、たくさんの仕事があります。
特に入院病棟に勤務する看護師は、医師の診療記録であるカルテとは別に、日々、患者ごとに看護記録をつけています。
看護師の活躍する病院にはさまざまな種類があり、ベッド数が何百もある大病院や救急救命に力を入れている病院がある一方、長期療養や介護が必要な患者専門の病院もあります。
入院施設のない町の診療所やクリニックで活躍している看護師も非常に多く、多様な働き方ができる点もメリットです。
看護師の人数と男女比
日本看護協会出版会編集「平成29年 看護関係統計資料集 1.就業者数 ⑷看護師,准看護師(年次別・就業場所別)」によると、看護師の総数は2016年時点で121万665人。
毎年、3万人以上の看護師が新たに誕生しています。
また、同資料集『⑸保健師、看護師、准看護師(男性、年次別・就業場所別)〔再掲〕』によると、先の2016年時点での看護師総数121万665人のうち、男性が84,193人、残りの112万6,472人が女性であることから、圧倒的に女性の割合が多い職種であることがわかります。
他の職業との違い
看護師と准看護師の違い
看護師に似た職種に「准看護師」があります。
准看護師とは、医師および看護師の指導のもとにおいてのみ業務を行える専門職です。
経験が豊富であっても、准看護師は看護師に指示を出すことや、管理職として看護師を指導する立場に着くことなどに制限があります。
また、資格取得の条件における違いも大きいです。
看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県が行う「知事試験」の合格によって取得できます。
ただ、制度上、資格取得条件などにおいて明確な違いはありますが、医療現場で担う役割は看護師とほぼ同じです。
准看護師には行えず、看護師のみが行えるという医療的ケアはありません。
看護師(正看護師) | 准看護師 | |
---|---|---|
資格 | 国家資格 | 都道府県認定資格 |
業務内容 | ・血圧や体温などの測定 ・点滴・注射 ・介助・体位変換 ・手術の補助 ・患者のサポート |
看護師と同様 ※医師や看護師の指示が必要 |
看護師と助産師の違い
助産師は、看護師としての基本的な知識や技術に加えて、妊娠・出産・産褥期のケアに特化した専門性を持っています。
正常な分娩の場合、助産師は医師の指示なしに自立して助産行為を行うことができます。
また、助産師は妊産婦やその家族に対して、育児や出産に特化した情報提供を行います。
一方、看護師の主な職務は、傷病者や要介護者に対する治療や診療の補助、日常生活のサポートなどです。
看護師は、医師の指示に基づいて患者の観察や処置、投薬、退院後の生活を踏まえたケアプランの作成などを行います。
また、患者や家族とのコミュニケーションを通じて、心身の状態を把握し、多職種と連携して適切なサポートを提供します。
看護師は、医師の指示なしに自身の判断で治療を行うことは認められていません。
看護師と保健師の違い
看護師は、すでにけがや病気を患った方の治療や療養に当たりますが、保健師は地域住民の健康維持・増進を目的とし、病気や怪我の予防に力を注ぎます。
なお、看護師は約8割が病院・診療所に勤務しますが、保健師は半数弱が自治体に、2割が診療所・保健所に勤めています。
看護師と理学療法士の違い
看護師の業務は医師の診察補助や患者のケア等がメインですが、理学療法士は日常生活に必要な動作を回復するためのリハビリを提供し、社会復帰を支援するのが仕事です。幅広く医療をサポートする看護師と比べると、リハビリに特化した業務内容といえるでしょう。
働き方の面では、看護師は24時間体制のシフト勤務が基本であるのに対し、理学療法士は日勤中心の勤務形態となります。
また、看護師は医療機関以外にも多様な職場選択肢がありますが、理学療法士の主な職場はリハビリテーション科のある医療機関や介護施設に限られます。
看護師と医師の違い
医師は、診察や検査結果に基づいて治療方針を決定し、手術や処置などの医療行為を行います。
また、医療チームの責任者として、各専門職種から得られる情報を集約し、治療の方向性を導く役割も担っています。
一方、看護師は患者のニーズをとらえつつ、治療や患者の日常的生活がよりよくできるよう診療の補助を行います。
注射や点滴、処置の介助など、医師の指示の下で医療行為を実施するほか、患者やその家族に寄り添い、不安や苦痛を和らげるための環境整備や関係調整も重要な仕事です。
看護師になるには
看護師免許の取得が必須
看護師になるためには、国家資格の看護師資格が必要です。
看護師の養成課程のある学校で必要な学習を積んでから国家試験に合格後、看護師登録をしてはじめて看護師として働くことができます。
看護師の国家試験を受験するためには、看護系の大学や短大、専門学校、指定の看護師養成所を卒業しなければなりません。
つまり、看護師の学校や養成施設に入学そして卒業しなければ、国家試験そのものも受験できないというわけです。
ちなみに、すでに准看護師の資格を持っている人は、指定の学校で2年以上修了すると、看護師国家試験の受験資格が得られるしくみになっています。
ちなみに、最近話題の外国人看護師の導入に関しては、外国の看護師養成施設の卒業者や、インドネシアやフィリピン、ベトナムの外国人看護師候補者であれば、一定の基準で厚生労働大臣が受験資格を認定することもあります。
看護師国家試験 受験資格取得までの流れ
国家試験である看護師試験の受験資格を取得するには、大きく分けて4つのルートがあります。
具体的には、「看護大学(4年制)ルート」、「看護短大(3年制)ルート」、「看護専門学校・養成所ルート」、そして「5年一貫看護師養成課程校ルート」の4つです。
看護大学(4年制)で学ぶ
看護大学は、看護師を教育するためのプログラムがカリキュラムの中に組み込まれている大学です。
入学後は、4年間にわたって看護師の資格取得を目指して勉学を続けていきます。
看護師として働くまでの期間は最も長いですが、大学卒業の資格を持つことができ、学歴の面では4つのルートの中で最も高いです。
また、保健師・助産師の教育プログラムを用意している大学であれば、看護師だけでなく保健師や助産師の国家試験受験資格を取得できます。
幅広い知見や専門知識を得られるのは、看護大学の大きな特徴です。
看護短大(3年制)で学ぶ
短大には2年制と3年制とがありますが、医療分野の看護短期大学は3年制です。
修養年は養成所ルートと同じですが、短期大学である以上、教養科目なども取得する必要があるため、日々の勉強時間はかなりハードといえます。
ただ、卒業によって短大卒の資格を得ることができ、また、多様な知識や価値観に触れることができるので、人間としても成長できるでしょう。
4年制の看護大学よりも短期間で看護師国家試験に挑戦できるので、看護師として少しでも早く働きたいと考えている方にお勧めのルートと言えます。
看護専門学校・養成所で学ぶ
看護専門学校・養成所ルートは3年または4年の通学により看護師国家試験の受験資格を得ることができます。
看護大学、看護短期大学のルートは高校を卒業してすぐに入学するというケースが多いルートですが、看護専門学校・養成所は社会人の入学者も想定されているルートです。
医療・看護にかかわる専門分野を集中して学ぶことができるので、看護師として必要な知識・スキルのみを教わりたいという方にはお勧めします。
5年一貫看護師養成課程校で学ぶ
中学卒業時点で看護師になると決めている場合には、5年一貫看護師養成課程校に進学するという方法もあります。
看護大学、看護短期大学、看護専門学校・養成所は、いずれも高校卒業者を入学対象とした学校です。
一方、5年制の一貫看護師養成課程校は、中学卒業後すぐに看護・医療について専門的に学んでいくので、10代のうちから体系的な医療知識・スキルを身につけることができます。
また、カリキュラム通りに卒業し、看護師国家試験に合格すれば、4つのルートのうち最も若い年齢で看護師になることができます。
看護師国家試験の受験者数・合格率
2024年2月11日に第113回看護師試験が実施されました。
受験者数は6万3,301人 、合格者数は5万5,557人となり、合格率は87.8%です。
合格率は例年、9割前後で推移しているため、学んだことをきちんと押さえていれば問題なく合格できる資格であるといえるでしょう。
ちなみに、新卒者だけに注目すると、受験者数は5万7,860人で合格者数は5万3,903人。合格率は93.2%に達しています。
合格基準
看護師国家試験は、多数の志願者から選抜して合格者を決めるという試験ではありません。
厚生労働省が定めている所定の合格基準点をクリアすれば合格できます。
合格基準点は「必修問題」と「一般問題+状況設定問題」のそれぞれに設けられていて、両方の基準点を満たすことができれば、看護師国家試験は合格です。
受験料
受験料は、2024年時点で5,400円です。
受験願書に5,400円分の収入印紙を貼り付ける形で納付します。
必要な書類を送付した後、受験票は郵送されてくるので、忘れずに確認しましょう。
試験内容
看護師国家試験の試験科目は、保健師助産師看護師法施行規則第22条において定められています。
具体的には以下の通りです。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
- 在宅看護論
- 看護の統合と実践
出題数は全部で240問。必修問題50題、一般問題130題、状況設定問題60題で構成されています。
記述式の問題はなく、回答の選択肢を選ばせる客観式、多肢選択式による出題です。
写真など資格素材を用いた問題も出されるので、準備しておく必要があります。
試験日と合格発表日
第113回看護師国家試験については、試験日は2024年2月11日(日)、合格発表日は同年3月22日(金)の午後2時でした。
例年、同時期に試験日、合格発表日が定められているので、今後受験を目指している人は、2月を目安に勉強のスケジュールを立てると良いでしょう。
新卒者については、卒業年度までに所定のカリキュラムを修了し、3月の看護師国家試験合格を迎えれば、卒業してすぐに看護師として就職することができます。
資格取得後は登録申請する必要がある
国家試験に合格しただけでは、看護師の免許は取得できません。都道府県や市町村の保健センターで看護師免許の申請を行う必要があります。
申請の手続きは自分で行う場合もあれば、内定の出ている就職先が手続きを代行する場合もありますので、合格の連絡を内定先にする際に詳細を確認してみてください。
自分で免許申請を行う場合は、都道府県の保健所の窓口で申請書を受け取るか、または厚生労働省のホームページから申請書をダウンロードします。
添付が必要な書類は、健康診断書や戸籍抄本、登録済証明書、手数料分の収入印紙、印鑑です。
申請の手続きをすると、厚生労働省から看護師籍登録証が約2ヵ月で手元に届きます。
看護師免許の申請は合格後に必ず行わなければいけないもので、就職先への提出が必要です。手続きを忘れないようにしましょう。
看護師の年収・月収・給与
医療や介護、福祉といった私たちの健康にかかわる業界のなかでも、看護師は高い給与水準だと言われています。
実際に看護師の平均的な給料を同じ世代の会社員と比べると、大幅に高い金額となっています。
「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の月収相場は31万9,300円、賞与85万6,500円でした。年収換算で約470万円程度であり、全産業平均年収の約318万円を大きく上回っています。
もちろんこれはあくまで目安で、勤務先の規模や業務内容、経験やスキル、地域によっても看護師の給与や待遇は影響を受けます。
基本給のほかに各種手当がつくために、看護師の給料はほかの仕事の給料よりも大幅に高くなる傾向があります。
とくに入院病棟に勤務する看護師は、夜勤手当や休日手当が手厚く給料にプラスされます。
また、看護師の経験やスキルを積んでいき、認定看護師や専門看護師の資格を取ると、それぞれ資格手当がつく場合もあります。
そのため、昼間の外来診療のみのクリニックで働く看護師は手当がつきづらく、ほかの職種のパートや派遣社員と給料があまり変わらないケースもあるようです。
看護師の就職先
病院や診療所などの医療機関
看護師の職場というと思い浮かべるのは、入院病棟のある病院かもしれません。病気や怪我の治療を受ける入院患者の看護は、24時間体制で続きます。
二交代制、または三交代制で夜勤も含めた勤務シフトをタフにこなさなければなりません。
外来診療のみの病院や入院施設のないクリニックは、曜日や時間帯で診療期間が決まっている場合が多いので、比較的規則的な勤務が可能です。
日曜、祝日は休診、土曜や平日のうち1日は午後休診という病院やクリニックが多いため、休みもしっかりと取ることができます。
病院やクリニックは国立、公立、民間でそれぞれ運営形態や得意にする診療内容が異なります。自分に合った診療方針や職場の雰囲気を持つ病院選びが大切です。
介護施設や福祉施設
特別養護老人ホームや有料老人ホーム、介護老人保健施設など、入居者数に応じて看護職員を必ず配置しなければならない施設で求人があります。
介護スタッフでは対応できない病状の変化に対しての医療的ケアや、入居者や利用者の健康管理を担当します。
症状によっては提携する病院や診療所につないだり、救急車で病院へ向かわせるなど、臨機応変な部分も必要な職場です。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションとは、高齢者が在宅においても安心して療養生活を送れるように、訪問看護師などがかかりつけの医師と連携しながら、看護サービスを提供する事業所のことです。
利用者は訪問看護ステーションに直接利用をお願いするのではなく、介護支援専門員(ケアマネージャー)とケアプランを作成の上、その内容に沿って計画的に利用していくのが制度上のルールです。
訪問看護師には、利用者本人だけでなく、利用者を担当しているケアマネージャーやかかりつけ医とも頻繁にコミュニケーションを取ることが求められます。
企業・保育園・幼稚園
企業の医務室や健康管理室で勤務する場合、病気の手当や怪我の応急処置や、労働法に定められている健康診断を実施して、結果の管理や健康指導を行います。
最近はメンタルヘルスケアの重要性から、相談業務を受け付ける看護師もいます。
また、看護師を配置する保育園が増えていることから、保育園や幼稚園の看護師求人が増えています。
子どもに多い病気の予防や怪我の対応を行うなど、責任感の大きい仕事です。
さらに、看護専門学校の教員などを目指すことも可能です。
看護師のやりがい
看護師は、患者の一番身近な存在として治療に関わる仕事です。
入院患者の場合、看護師は身の回りのケアも担当するため、「看護師が異変に気付いたことで大事に至らなかった」ということも多くあります。
自身の仕事によって患者の健康回復に大きく貢献できることは、大きなやりがいとなるでしょう。
また、看護師は人から感謝されることの多い職業です。
患者の病気やけがが治癒して退院する際の「ありがとう」という言葉や笑顔に喜びを感じる方も多いようです。
さらに、看護師は専門性を高めつつ人間的な成長も実感できる点も魅力的です。
医師や他の医療スタッフと連携し、チームプレイで患者を支えます。
多様な専門家と協力しながら、自分にできることを考え、実践することで、知識やスキルを高めていくことができます。
看護師ができる3つのキャリアアップ方法
経験を重ねる中でさらなるキャリアアップを狙う場合、次の3つの方法が考えられます。
- 資格を取る
- 役職に就く
- 転職する
資格を取る
認定看護師
認定看護師とは、特定の看護分野において高い看護技術・知識を保有する者として、日本看護協会から認定を受けた看護師のことです。認定看護師になれば、さらに専門性の高い業務を担当することが可能です。
認定看護師に認められている看護分野は、「救急看護」や「緩和ケア」、「訪問看護」、「認知症看護」など全部で21種類。
これらの分野で経験を積んだ看護師が、認定看護師の資格を目指すことができます。
ただし、認定看護師の資格を得るには、看護師として5年以上の実践経験があり、日本看護協会が定めている615時間以上の「認定看護師教育」を修了したうえで、「認定看護師認定審査」を受けて合格することが必要です。
専門看護師
専門看護師とは、患者と家族が直面している問題を捉える能力を持ち、専門看護分野にて専門性を発揮しながら、「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」という6つの役割を果たすことが期待されている看護師のことです。
なお、認定看護師が患者本人に対し看護を行うのに対し、専門看護師はご家族も含めてトータルでケアしていく点で役割に違いがあります。
専門看護師の認定を受けるには看護師としての5年以上の実戦経験を持ち、看護系の大学院で修士号を取得して必要な単位を取得した後、専門看護師認定審査に合格することが必要です。
取得後は、5年ごとに更新する必要があります。
助産師・保健師
助産師とは、女性の出産を助ける助産を行うための専門職です。日本では女性のみ就くことができます。
助産師は国家資格であり、資格を取得するには看護師免許と助産師免許の両方の取得が必要です。資格を取得できれば病院や診療所での勤務はもちろんのこと、開業権があるため自身の助産所を開業することができます。そのため、魅力的な選択肢といえるでしょう。
助産師免許の取得ルートは2つあり、1つは4年制看護大学で看護師課程と助産師課程を修了して、両方の国家試験に合格するという方法があります。
もう1つは、看護大学や看護短大、看護専門学校・養成所などで看護師資格を取得した後、看護短大や看護専門学校、大学院などに進学して助産師課程を修了し、そのうえで助産師国家試験に合格するという方法です。
保健師の資格取得も、助産師同様に看護師免許と保健師免許の2つが必要となります。
保健師養成学校で学ぶ、あるいは看護師カリキュラムと同時に履修し、その後看護師国家試験と保健師国家試験を受けるケースも増えてきています。
診療看護師(NP)
診療看護師は、医師と連携・協働して慢性疾患の患者や、発熱、咳、下痢などの症状を持つ患者に対して、問診や検査等を行い、必要な場合には薬剤の処方が出来る看護師のことです。
大学院の修士課程において、医学の知識と初期医療に関する実践を修了し、認定試験に合格した看護師です。
医師が不在の場合に、看護師が速やかに対応し医療を提供することが可能となります。
役職に就く
看護師として経験を積み、スキルを磨くことで、「看護師長」や「看護主任」といった管理職を目指すことができます。
これらの役職に就くと、役職手当がつくだけでなく、基本給や賞与、その他手当などの水準も上がるため、同年代の看護師と比べて高収入を得ることができます。
役職に就くためには、豊富な看護師経験に加え、優れたコミュニケーション能力やマネジメント能力が要求されます。
一朝一夕でなれるわけではありませんが、日々の業務に真摯に取り組み、必要なスキルを磨くことで、管理職への道が開けてくるでしょう。
転職する
豊富な知識と技術を持つ看護師であれば、転職により給与額アップを狙うことも可能です。
転職先を選ぶ際には、運営母体の規模や財政状況、給与水準などを総合的に考慮することが重要です。
一般的に、大規模な病院や訪問看護ステーションは、安定した経営基盤を持ち、給与水準も比較的高い傾向にあります。
これらの職場は、キャリアアップを目指す看護師にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、転職を決める前に、自身のキャリアパスを明確にしておくことが大切です。
単に給与アップを目的とするのではなく、自分がどのような看護師として成長したいのか、どのような分野で専門性を高めたいのかを見据えることが必要です。
自分の目指す看護師像を明確にすることで、適切な転職先を選択し、長期的なキャリア形成につなげることができます。
また、転職活動では、自分の強みや経験をアピールすることも重要です。
看護師としての実績や専門性、リーダーシップなどをしっかりと伝え、新たな職場でどのような貢献ができるかを明確に示すことで、転職成功の可能性を高めることができるでしょう。
看護師の将来性
高齢者の増加によって、病気や障害のため病院で治療を受けたり、入院したりする人たちも増えることが予測されます。そのため、今後も看護師を必要とする病院や診療所、施設、企業が減ることはないでしょう。
女性が多い職場だけに、結婚や出産、育児や介護のためキャリア継続をあきらめて現場を離れることも多く、看護師不足はいたるところで起こっています。
また、病院や診療所が看護師の主な活躍の場だった時代に比べて、高齢者や障がい者の介護施設でのニーズも増えており、看護師を求める介護施設は求人に力を入れています。
重い病気や認知症高齢者など、看護師が専門的な知識と経験で対応しなければならない利用者や入居者も増えているため、介護スタッフと連携しながら高齢者の看護ケアを担うことができる看護師が求められているのです。
最近の傾向として、専門的な知識やスキル、経験を持った看護師の活躍できる場が増えています。
現在、看護師でも副業を持っていたり、フリーナースという働き方をしていたり、訪問看護や事業を起業するなど、活躍の場は無限にあります。
看護師として一定の経験を積んで看護技術を磨きながら、さらに専門的な看護ができる認定看護師を目指す看護師もいて、今後はますますキャリアアップを前提として看護師生活を組み立てる必要が出てくるでしょう。
ここまで見て来たように、看護師は看護が必要な人たちが増えている反面、慢性的な人員不足に陥っていること、業界を挙げて看護師の養成に力を入れているものの途中で退職するケースが多いことなどから、将来も需要が落ち込む心配はないでしょう。
まずは看護師として経験やスキルを積むことを目指した後、専門的な看護技術を職場で発揮できる立場を目指すことが今後の看護師にとって大切なポイントです。