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【かんたんレシピ集】老人ホームのおやつレク・調理レクでおすすめのメニュー

老人ホームではさまざまなレクリエーションが行われていますが、中でも特に人気があるのが、入居者が中心になっておやつをつくる「調理レク」「おやつレク」です。 手順や流れを頭の中で整理しながら調理することや、手先で細かい作業することは、脳への良い刺激になりますし、何より自分でつくった物はおいしく食べられます。 この記事では、そんな「おやつレク」「調理レク」のメリットに加えて、すぐに活用できるアイデアレシピも紹介しています。 自宅や施設で、ぜひ挑戦してみてください。

おやつレク(調理レク)の目的

老人ホームではさまざまなレクリエーションが行われていて、「おやつづくり」もそのひとつです。

イチゴやさつまいもなどの旬の食材を使ったパンやケーキや、季節感を意識した桜餅や月見団子、さらには入居者が子どもの頃に食べていた懐かしのおやつなどをつくります。

「おやつ」と聞くと、子どもだけでなく大人だって楽しみになりますよね。老人ホームの入居者の多くは、定期的に行われるおやつづくりのレクを心待ちにしています。

入居者に「楽しい」と感じてもらい、気持ちを前向きにしてもらうことが、「おやつレク(調理レク)」の目的です。

また、老人ホームでおやつづくりが行われるのは、「楽しい」という理由だけではありません。おやつをつくるという作業は、いろいろな調理器具を使うことによって、手や指を細かく動かすことになるので、心と体に良い刺激を与えます。

さらに、作業の中でほかの入居者や職員と頻繁にコミュニケーションを取るので、会話による脳の活性化も期待できるのです。

栄養補給としてのおやつ

高齢者は、加齢とともに食欲が低下し、1回の食事の量が減っていく傾向にあります。
そうなってくると、本来摂取しなければならない栄養が足りなくなってしまう方も少なくありません。体を動かすために必要な筋肉、たんぱく質、エネルギーが不足すると「低栄養状態」となり、心身の衰弱を早めてしまいます。

食事だけで必要な栄養が得られないならば、別の方法で不足分を補う必要があるのです。

昼食と夕食の間に食べるおやつには、1日3回の食事だけでは補いきれない栄養を確保し、入居者に「食べたい」という気持ちを引き出す「補食」としての効果が期待できます。さらに、おやつによって体内に取り入れる栄養素を増やすだけでなく、食べる気力を向上させ、健康を維持・増進させることもできるのです。

栄養価の高い食品を使ったおやつが理想的

高齢者の場合、食べる量の減少が原因で、どうしても食事だけでは必要な栄養素を摂り切れないことがあります。そんなときは、栄養価が高いおやつで不足分を補うことが必要です。

おやつとして摂りたい栄養素はいくつかあります。以下で順番に見ていきましょう。

栄養素 効果 具体例
食物繊維 腸内環境を整える効果があり、便通を良くして慢性疾患や大腸がんを予防する さつま芋やデーツなどのドライフルーツ
ビタミンB1 エネルギー代謝を良くして疲労を回復する くるみやカシューナッツ
鉄分 摂取量が少ないと疲れやすくなり、免疫機能が低下 プルーンやレーズンなどのドライフルーツ、ココア、ナッツ
カルシウム 転倒時の骨折や骨粗しょう症を予防する。 牛乳や豆乳、ヨーグルト

高齢者に人気のおやつは?

では、おやつづくりのレクで人気があるメニューはどのようなものでしょうか。

入居者の中には、入れ歯の方や、嚥下機能(飲み込む機能)が低下している方が多いので、口当たりが良く飲み込みやすいものが喜ばれます。

例えば、プリンや羊羹はどこの老人ホームでもおやつレクのメニューとして大人気です。さらに、サツマイモやカボチャを使ったおやつは、甘くて噛むとすぐにほぐれるうえに栄養価が高いため、レクで頻繁につくられています。

また、「クレープ」も根強い人気があります。クレープと聞くと若者向けのおやつというイメージがありますが、そんなことはありません。生地に何を挟むかをみんなでワイワイと考えながら調理できる点も、おやつレクでクレープが人気の理由となっています。

高齢者向けおやつレクの簡単レシピ3

それでは実際に、おいしいだけでなく、調理の過程を楽しめるおやつレクのアイデアを紹介します。

どれも簡単につくれるものばかりなので、「今度のレクでは何をつくろうかな・・・」と迷ったときは、ぜひ試してみてください。

ふんわりフレンチトースト

白いお皿に乗ったふんわりフレンチトースト

炭水化物とたんぱく質を効率良く摂取でき、柔らかくて食べやすいのが特徴。

調理時間が短いので、時間が限られている場合にもお勧めです。

【材料(2人分)】

牛乳 100ml
8枚切りの食パン 2枚
1個
砂糖 大さじ1
バター 小さじ2
粉糖 少々

【つくり方】

  1. ボールに砂糖と卵を入れてよくかき混ぜ、牛乳を入れて泡立て器でさらに混ぜる
  2. 食パンを半分に切り、バットに移した[1]でつくった液に浸す。片面1分30秒、ひっくり返してさらに1分30秒浸す
  3. フライパンを温めてバターを入れる。半分ほど溶けたら、[2]でつくったパンを入れて各面を1分30秒ずつ焼く
  4. お皿に盛り、お好みで粉糖を振りかける

牛乳&イチゴ白玉

器に入った白玉団子と苺

栄養価の高い牛乳とイチゴを使ったおやつ。調理する際に手先を細かく動かすので、脳への刺激も期待できます。

調理のポイントは、「出来上がりの固さを白玉粉の量で調整する」ということ。

白玉を柔らかくしたいときは「牛乳・イチゴの量を増やす」「白玉粉を減らす」、固くしたいときは「牛乳・イチゴの量を減らす」「白玉粉を増やす」などして調整してくださいね。

【材料(5~6人分)】

■牛乳白玉
白玉粉 100g
牛乳 60~70ml
■イチゴ白玉
白玉粉 140g
牛乳 60~70ml
■そのほか
練乳 適量

【つくり方】

  1. ボールを2つ用意し、ひとつのボールに白玉粉と牛乳、もうひとつのボールに白玉粉とへたを取って手でつぶしたイチゴを入れ、それぞれ混ぜて丸める
  2. 味が移らないように、牛乳白玉とイチゴ白玉を別々にゆでる
  3. 茹で上がったらザルにあげて冷水で冷ます
  4. 器に盛り、練乳を適量かける

たこ焼きdeチョコバナナ

チョコバナナのたこ焼き

このメニューは、たこ焼き器を使って、みんなでワイワイと話しながら、楽しくつくれるのが魅力。

バナナ、卵、牛乳など栄養価の高い食材がたっぷり入っていて、栄養をしっかりと補うことができます。

食べる方にとってアーモンドがかたすぎる場合は、材料のアーモンドチョコの代わりに何も入っていない板チョコを使うといいですよ。

【材料】(約20個分)

ホットケーキミックス 100g
バナナ 2~3本
アーモンド入りチョコ 5粒
1個
牛乳 100~150ml
砂糖 適量
シナモン 適量

【つくり方】

  1. バナナをフォークでつぶす
  2. アーモンド入りチョコを、必要に応じて食べやすい大きさに切る
  3. ホットケーキミックスと卵、牛乳をよく混ぜ、[1]のバナナも混ぜ合わせる
  4. たこ焼き器に[3]の生地を入れて、そこに[2]のチョコを入れ、さらに上から生地を乗せて焼く
  5. たこ焼きを焼くときと同じように、爪楊枝などで生地を適宜ひっくり返す
  6. 焼き上がったら器に取り、砂糖とシナモンを振りかける
調理の際には、バナナの硬さに気をつけてください。皮が少し黒くなっている柔らかいものを選ぶと、フォークでつぶしやすく、甘さも増します。

おやつレク・調理レクのまとめ

おいしいものを食べると、誰でも幸せを感じられるものですよね。それが自分でつくったものなら、より一層おいしく感じられるものです。

おやつレクは、調理を楽しむだけなく、「食べることの楽しさ」を思い出してもらううえでも重要です。また、高齢者の方が若い頃から食べているお汁粉や麩菓子をつくると、入居者同士で昔話をするきっかけとなるでしょう。

一方、クレープやプリンのような若い世代もよく食べるおやつをつくれば、「孫にも食べさせてあげたい」と、お互いの孫の話で盛り上がるかもしれません。入居者同士で楽しく話ができるおやつづくりは、気分転換を図るという点でも魅力的なレクです。

また、楽しく食べることで消化や吸収を促進する効果があるとも言われています。食事で不足した栄養を補い、元気な体をつくっていくうえでも、おやつレクは欠かせません。

これから老人ホームの入居先を探すという方は、おやつレクがどのくらいの頻度で、どのように行われているのかをチェックしてみてくださいね。