老人ホームのクリスマス会とは

クリスマス会は老人ホームで開催される大きな年中行事のひとつです。
多くの施設では、入居者みんなでケーキを食べ、プレゼントを渡すイベントや出し物、ゲームなども行われます。
クリスマスに向けて雰囲気作りをするために、まずやっておきたいのが館内の飾り付けです。
部屋の窓や壁に飾りをつける、折り紙で作ったチェーンを天井から垂らすなど、飾り付けの方法はさまざま。
飾りはレクリエーションの時間に入居者が作ったものを中心に使い、足りない場合は職員が作ったものを追加しましょう。
飾り付けをする際は、できれば入居者の方と協力できると良いですね。
「自分たちで飾り付けをしたんだ」という達成感や満足感を得ることができ、より積極的にクリスマスの雰囲気を楽しんでもらえるはずです。
クリスマスミュージックでムードを演出
当日は館内にクリスマスミュージックを流しておくと、クリスマス気分をさらに盛り上げることができます。
最近の曲ではなく、子どもの頃から聞いていたような定番のクリスマスソングであれば、入居者の方も親しみやすいでしょう。
飾り付けは視覚による雰囲気作りですが、音楽をかけることで、さらに耳を通してクリスマスを楽しんでもらえます。
プレゼントはゲーム形式で!

「クリスマス会で、楽しめるゲームはないかな」と思い悩む職員さんも多いのではないでしょうか。
老人ホームでは、ビンゴゲームや簡単なクイズなどのイベントが人気です。
クリスマス会でもゲームを行い、その景品としてクリスマスプレゼントを渡すようにすると、当日はさらに盛り上がります。
ビンゴゲームは、市販されているビンゴカードを利用してもいいですが、シンプルなものでかまいません。
「3×3のマス目に1から9まで自由に書いてもらって、職員が1から9まで書かれたくじを引く」という形式がおすすめです。
クイズの場合はなぞなぞや〇×クイズ形式にして、簡単なものからやや難しいものまでをバランス良く用意しておきましょう。
クリスマス気分を盛り上げる出し物
1「合唱」は全員知っている歌をセレクト

利用者と職員で定番のクリスマスソングを歌うと、雰囲気がより高まります。
ただし、若い世代が定番だと思っているクリスマスソングは、70~80代の高齢者の方にとっては馴染みのない曲であることが少なくありません。
合唱では、誰もが知っている定番のクリスマスソングを選曲することが大切です。
一般的に歌われているのは、童謡の「きよしこの夜」や「ジングルベル」「もろびとこぞりて」などですが、特に男性の入居者のなかには、これらの曲もきちんと歌えないという方もいるかもしれません。
なので、クリスマスソングにこだわらずに、「ゆきやこんこん」や「ふるさと」など、誰もが歌える曲を選ぶのもひとつの方法ですよ。
また合唱では感染予防対策が重要です。飛沫が飛びやすいため、利用者にはマスクを着用して歌ってもらいます。
認知症などでマスクの着用が難しい場合は無理に合唱せず、少人数に分かれてソーシャルディスタンスをとりながら、ゆったりと音楽を聴くだけでもクリスマスを楽しむことができるでしょう。
2「マジック」でさりげなくサプライズ

クリスマス会をさらに盛り上げるために、職員がちょっとしたマジックを披露してみてはいかがでしょうか。
複雑なものは見ていてもついていけない場合があるので簡単なものが最適。
また、マジシャンの衣装を着て登場すると、さらに雰囲気が出ます。
例えば、トランプを使ったマジックは、少しの練習でできるようになるのでおすすめです。
ではここで、トランプマジックをひとつ紹介しましょう。
- トランプの束の一番上にある1枚を入居者に見せ、数字とマークを覚えてもらいます
- そのカードを束の一番上に置き、束の一番上からカードを1枚取って束の一番下に移します
- 「今見せたカードは、今一番下にありますよね」と話したうえで、念力を送るポーズをします
- 一番上のカードをめくると、なぜか一番下に入れたはずのカードになっています!
タネは単純で、最初にカードを見せるときに2枚カードを重ねておくのです。
そうすると、トランプの束の上に置くとき、見せたカードが上から2番目になります。
一番上のカードを下に入れると、最初に見せたカードが自動的に一番上になるわけです。
3「ハンドベル」の音色は聖夜にピッタリ

クリスマスの定番の楽器と言えるのがハンドベル。
練習は必要ですが、当日に出し物として披露すれば確実に楽しんでもらえます。
職員だけで行うのではなく、入居者も一緒に演奏する形にしても良いでしょう。
曲目として人気があるのは、ハンドベルの落ち着いた音色にぴったりな「きよしこの夜」です。
演奏するときは部屋の電気を消し、イルミネーションやろうそくの明かりだけにすると幻想的な雰囲気を楽しめます。
ただし、火事や事故が起こらないよう注意してください。
4「言葉当てゲーム」で挑む頭脳戦

バラバラになった言葉を当てるゲームです。
まず、ひらがなで書かれた文字カードをばらばらに並べ、利用者に見てもらいます。
そしてカードにある文字を頭の中で整理してもらい、もともとの言葉が何であったかを考えてもらいます。
最初に答えることができた方に景品をプレゼントすると、さらに盛り上がるでしょう。
クリスマスにちなんだ言葉を選び、ゲーム開始時にそのことを言っておけば、活発に答えてもらうためのヒントになるはず。
作問例としては、問題は「かといな」で正解は「となかい」、問題は「よしこるのよき」で正解は「きよしこのよる」、などです。
5「ジェスチャーゲーム」は爆笑必至

出されたお題をジェスチャーだけで表現して、何を表しているのかを当てるというのがジェスチャーゲームです。
これも最初にわかった方にクリスマスプレゼントを渡すルールにすると、モチベーションがアップします。
職員が何かのジェスチャーをして、利用者に当ててもらうのが基本的な進め方ですが、面白い体の動きなどすると笑いが起こり、楽しい雰囲気になりやすいですよ。
クリスマスにちなんだものに加えて、往年の有名芸能人の物まねを入れても良いかもしれませんね。
6「ダンス」で一緒に体を動かす

年末を控えたクリスマス会は、お正月に比べて華やかな出しものが好評です。
ダンスは動きが大きいため、最初に職員が踊るのを見るだけでも楽しいものです。
クリスマスソングに合わせて、クリスマスらしくサンタやトナカイの衣装を着るのも良いですね。
7「サンタクロース登場」はこの日だけの行事

クリスマスイベントに登場してほしいのは、やっぱり「サンタクロース」ですよね。
誰でも笑顔になれるこの行事、サンタと一緒に記念写真を撮るのもおすすめです。
クリスマスツリーや施設内をクリスマス仕様にデコレーションしていたら、それを背景にして一緒に撮影すると良いでしょう。
サンタクロースの衣装を着る職員と一緒に、入居者もサンタの帽子を頭に乗せて仮装をしても気分が高まって良いですよ。
8「演奏」で職員の隠れた才能を披露

クリスマスは年末前の特別なイベントとして、介護職員が出し物を披露する絶好の機会になっています。
楽器ができる職員が演奏を披露すると、普段とは違う職員の姿に、入居者も「意外な一面を見られた」と好評です。
とはいえ、仕事の合間をぬって楽器の練習をするのはなかなか難しいもの。
楽器を演奏できる職員は、 早めに演奏する曲などを決めて、練習を計画的に行うことをおすすめします。
イベントを行う際の注意点
クリスマスは、年配の高齢者にとってそれほど馴染みのない行事かもしれません。
そのため、若い職員が中心となって、流行っている最新のスタイルにしてもまったく理解してもらえない可能性があります。
また、テンポが早い、見えづらい出し物は控えましょう。
怪我する恐れのある、動きが激しいような出し物は、今後、クリスマスがお祝いできなくなってしまうので、絶対に避けてください。
常に忘れてはいけないのは、高齢者の方に向けたイベントやあるということです。
みんなが笑顔で安全に楽しく過ごせるクリスマス会になるよう計画しましょう。
感染予防対策
クリスマス会などのレクレーションは入居者の日常生活機能の維持・向上や、楽しみの観点から重要です。ただし感染予防のため、「3つの密」(換気が悪い密閉空間・多数が集まる密集場所・間近で会話や発生する密接場面)を避ける必要があります。
このため、以下の感染予防対策を講じたうえで楽しみましょう。
- 少人数にする
- 定期的に換気する
- 互いに手を伸ばしたら手が届く範囲以上の距離を保つ
- 対面式はできるだけ避ける。対面式の場合は1m以上の距離を保つ
- 声を出す機会をできるだけ少なくする
- 声を出す場合はマスクを着用する
- 使用する物品の消毒を行う
- 入居者・職員ともに手指消毒を徹底する
入居者の笑顔を引き出そう

いかがでしたでしょうか。
今回紹介したものは、クリスマス会で一般的に取り組まれているもので、これら以外にもアイデアがあれば、どんどん試してみてください。
大切なのは、入居者のみなさんが笑顔になれること。
老人ホームによっては、ボランティアの方に来てもらって出し物を披露してもらう、入居者の家族も招待して大々的に開催するといったことも行われています。
その施設ならではの独自色のあるクリスマス会を目指してみると、さらに楽しんでもらえるはずですよ。
他の人はこちらも質問
老人ホームのクリスマス会は何する?
老人ホームのクリスマス会では職員から利用者へプレゼントを送ったり、クリスマスソングを歌ったりして楽しいひと時を過ごします。またクリスマスツリーの飾り付けは、利用者と一緒に行うと、コミュニケーションを取りやすくなり盛り上がります。
敬老会は何やる?
敬老会では利用者、職員全員で盛り上がる出し物は歌を歌う、クイズ大会、ビンゴ大会、ダンスなどです。また脳を活性する折り紙をして施設内の飾り付けをするのもおすすめです。
老人ホームでは何をしている?
老人ホームのお昼までの流れは、朝食後にリハビリ体操や入浴を済まします。入浴は午前午後に分けて入浴する施設もあるので、施設に確認をしましょう。その後は部屋で過ごしたり、入居者同士の会話を楽しんだり自由な時間を過ごします。昼食後、レクリエーションを楽しみます。夕食後は口腔ケアをして就寝となります。
クリスマス会では何する?
多くの老人ホームで行われるクリスマス会は、みんなでケーキを食べたりプレゼント交換やゲームをしたりして過ごします。
クリスマスの雰囲気を出すために、施設内の飾り付けをします。色画用紙でサンタクロースやトナカイを作成、折り紙でチェーンを作って飾るなど、さまざまな飾り付けがあります。