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【1~12月まで対応】老人ホームの行事食の献立案を一挙紹介!

老人ホームでは、季節やイベントに合わせて特別な食事を提供しています。例えば、お正月のおせち料理や土用の丑の日のウナギ、クリスマスのケーキなど。ここでは、そんな老人ホームの「行事食」について月ごとにまとめてみました。食事を通じて季節の移り変わりや四季を感じられる行事食は、老人ホームで暮らす楽しみのひとつですよ。

食事も老人ホーム選びのポイント

パソコンで老人ホームを調べる高齢男性

老人ホームや介護施設に入居すると、多くの場合は施設側が用意する食事を食べることになります(サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなどで自炊する場合を除く)。

提供されるのは、「高齢者の健康に配慮し、栄養バランスの整った献立が考えられた」食事です。

朝、昼、晩の3食とおやつなどの間食は、毎日食べるものだからこそ、楽しんで食べることができるかどうか、食欲が湧いてくるどうかが大切になります。

高齢になると、1日の活動量が減ることから食欲が減退し、低栄養のリスクが高まると言われています。
毎日の食事を楽しく、そしておいしく食べるための配慮は、身体機能を維持し要介護度を進行させないためにも欠かせません。

行事食でQOLが向上

老人ホームでは普段の食事以外にも「行事食」という名前で季節ごとに出るメニューがあります。

行事食が施設での生活にもたらす良い効果は主に3つあります。

1つ目は食事で季節感を味わえることです。

老人ホームの室内は通年一定の温度に管理されており、過ごしやすい反面、肌で季節感を感じる機会は少なくなってきます。

そこで、食事で季節感を出すことにより、高齢者の方にも四季を感じてもらうようにしているのです。

2つ目に食欲を増進させる目的があります。

1日の活動量が減ると食欲が減退することがあります。

通常食だと箸が進まなくても、行事食だと楽しく食べることができるので、いつもより食欲が増して食事ができる効果が期待できます。

3つ目は、高齢者の方の生活の質(QOL)を向上させることです。

行事食は栄養価を考えた献立が大変になりますが、高齢者の大半が「通常の食事より美味しい」「次の行事食が楽しみ」という反応をしてくれるので、職員もやりがいを感じているようです。

食生活のマンネリ化を防ぎ、食事を味だけでなく目でも楽しんでもらう工夫を凝らしたいですね。

行事食・イベント食カレンダー

老人ホームでは、ひな祭りやクリスマスといった季節の行事に合わせて「行事食」が提供されています。
普段の食事とはひと味変わったメニューは、多くの入居者が心待ちにするところ。

ここからは、月ごとの行事食を見ていきましょう。

1月の献立

笑顔で両手をあげたエプロン姿の若い女性とナイフとフォークを持って食事しようとしている高齢女性

おせち料理、雑煮、七草粥、新巻鮭、祝い鯛

2月の献立

恵方巻、バレンタインデーのチョコレート菓子

3月の献立

ひな祭りのちらしずし、ホワイトデーの焼き菓子、お彼岸のぼた餅

4月の献立

桜の花びらが散るなかで談笑する二人の高齢の女性

お重に入ったお花見弁当

5月の献立

端午の節句の粽(ちまき)や柏餅

6月の献立

和菓子の水無月

7月の献立

ガッツポーズするエプロン姿の若い女性と笑顔の高齢男性

土用の丑の日のウナギ(「ウ」のつく料理)、七夕のちらしずしや三色そうめん

8月の献立

お盆の精進料理

9月の献立

重陽(ちょうよう)の節句の菊花をつけた料理、お彼岸のおはぎ

10月の献立

談笑しながらお茶をする三人の高齢女性

月見団子、ハロウィンのカボチャのお菓子

11月の献立

紅葉をイメージして盛り付けた料理

12月の献立

クリスマスケーキ、大晦日の年越しそば

そのほかの行事食(誕生会・お寿司・デザートバイキング)

1年を通して季節を問わず行われている行事の特別メニューについて紹介します。

お誕生会

毎月のイベントで欠かせないのがお誕生会です。
和洋中を織り交ぜ、華やかに盛り付けたり、味付けをいつもと変えて仕上げます。

デザートバイキング

女性に人気の企画です。
ロールケーキやタルト、ゼリー、フルーツの盛り合わせなどのデザートを準備。
低糖質メニューを充実させると喜ばれますよ。

お寿司

老人ホームでは生ものがあまり頻繁に食べられないので、お寿司は高齢者にとっても楽しみなイベントです。
施設によっては、すし職人さんに実演してもらうこともあるようですよ。

食事代は月額料金に含まれる

お金の話をするスーツ姿の若い女性

基本的に、行事食を含む老人ホームでの食事代は月々の利用料に含まれているので、食費を別途支払うことはあまりないでしょう。

有料老人ホームでは、食堂タイプやレストランタイプなど、施設の種類によって食事代が変動することもあります。
また、ソフト食やきざみ食、ミキサー食など、食事の種類やどのようなメニューを選んだかで食事代が変わることもあります。

有料老人ホームをはじめとする民間の施設では、月額料金が約15~30万円だとすると、そのうち5~7万円が食事代の相場です。
一方で公共の老人ホームでは、約13~15万円の月額料金のうち、4~5万円が食費に割り当てられています。

もしも施設が提供している食事やおやつで物足りないときは、月の食事に加えて個人で購入したり、家族に持ってきてもらうこともできますよ。

ただ、病気などで食事制限が必要な場合はこの限りではありません。

老人ホームの食事は軽減税率の対象?

老人ホームの費用に適用される軽減税率

2019年10月1日から、消費税が10%に引き上げられました。
ただし、飲食料品については軽減税率の対象となり、消費税は8%に据え置かれています。

有料老人ホームで提供される食事についても、基本的には軽減税率の対象となります。
しかし、税抜き価格が1食につき640円以下で、1日の累計額が1,920円までという基準があります。

例えば、朝食600円、昼食600円、夕食800円ならば、朝食と昼食は消費税8%ですが、夕食は消費税10%が課せられます。

また、弁当を配達してもらう場合はこの金額を超えても軽減税率の適用対象、複数の施設の調理を一ヵ所で行うセントラルキッチンから食材を購入する場合は軽減税率の適用対象外というように、食事の提供方式によっても違いがあります。

入居前にぜひ試食を!

和食を前に舌なめずりをする高齢の男性

「食べること」は、生きていくうえでの楽しみのひとつ。

毎日の食事が、「自分の好みの味」や「食べやすい硬さ」に合っているかどうかで、老人ホームでの暮らしのクオリティが変わってきます。

見学時に入居者が普段食べている食事を試食できる場合もあるので、ぜひ試してみてください。
また、費用はかかりますが「体験入居」をして食事を試食することができれば、味付けやボリュームなど食事内容の傾向がわかりますよ。

チェックするポイント

老人ホームを見学して試食を行うとき、確認したいポイントは以下の通りです。

  • 食事の味付けは高齢者本人の好みと一致するか
  • 急に体調を崩したとき、食事はどんな内容になるのか
  • 食物アレルギーがあった場合、疾病対応(治療食)はできるのか
  • 苦手なメニューがあったとき、代替対応があるか
  • 食事の提供温度は熱すぎず、適温か?
  • 食事はどこで食べるのか
  • 職員の食事介助は適度な人数で行われているか