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健康運動指導士の給料を年齢、職場、地域ごとに徹底解説!

健康運動指導士とは、生活習慣予防や介護予防につながる運動指導を行う専門職です。病院からフィットネスクラブまで活躍の場が広いため、健康運動指導士として働いた場合の給与額についてはイメージを持ちづらい面もあります。 そこで以下では、健康運動指導士の平均給料や雇用形態別の収入一覧表、勤務先別の給料、さらに就労後に給与アップを目指す方法についてご紹介しましょう。 健康運動指導士の資格を取得しようと考えている方、あるいは資格をすでに取得済みで、今後の就職や転職を考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

健康運動指導士の平均給料(月収・年収)

健康・体力づくり事業財団の『2019年健康運動指導士・健康運動実践指導者実態調査結果報告書』では、健康指導士を対象に行ったアンケート調査の結果が公表されています。

その調査で健康運動指導士に現在の年収額を尋ねたところ、最多回答となったのが「201万円~400万円」で全体の39.5%を占めていました。以下、「200万円以下」(25.2%)、「401万円~600万円」(20.5%)、「601万円~800万円」(7.9%)と続いています。

201万円~400万円が全体の約4割に及んでいることから、全体としての平均年収もこの額に近いと考えられます。

健康運動指導士の平均給料(月収・年収)

1.初任給

健康運動指導士の初任給は、勤務先となる施設によって異なりますが、17~22万円が相場です。しかし、中には16万円前後というケースもあり、施設の規模や地域によって大きく変わることが考えられます。

初任給はあくまでスタート地点です。ここから勤続年数を重ねていくことで、施設の運営に問題がない限りは着実に給料が上昇していくでしょう。

2.手取りは額面給料の7~8割

勤務先から給料として支払われた金額は、そのまま自由に使えるわけではありません。そこから所得税をはじめとする各種税金や社会保険料が差し引かれます。差し引き後の「手取り額」が、就労者が自由に使えるお金です。

一般的に、手取り額となるのは、額面給料の7~8割です。健康運動指導士の平均的な手取り額は14~22万円ほどになると考えられます。

3.ボーナス

健康運動指導士のボーナス

健康運動指導士の年収は300万円前後。月収額は20万円ほどで、ボーナスは給与の3ヵ月分である、60万円前後になると考えられます。

全産業における平均年収は420万円ほどのため、健康運動指導士の年収はそれより低いのが実情です。しかし、就職して間もないころは給与額が低くても、勤続年数を重ねて経験を積むことで給与はアップしていきます。

4.資格手当、福利厚生

医療機関で働く場合、各種休暇や保険といった基本的な福利厚生は受けられることがほとんどです。また、職場によっては健康運動指導士の資格を持っていることで、資格手当も支給されます。

『2019年健康運動指導士・健康運動実践指導者実態調査結果報告書』によると、資格手当を受けている人の割合は13.7%です。割合としては少ないですが、資格手当を受けられる勤務先であれば、給与額は手当分加算されます。

5.健康運動実践指導者との給料の違い

健康運動指導士と類似した資格として、「健康運動実践指導者」があります。健康運動実践指導者が正社員として働く場合、平均給与額は20~30万円ほどです。

パート・アルバイトとして勤務する場合は、時給額は900円~1,600円ほどで設定されるケースが多く見受けられます。ただし、健康運動実践指導者も勤務先や本人の能力・スキルによって給与額は変わってきます。

6.地域別の給料

健康運動指導士の年収額を地域ごとにみた場合、最も水準が高いのは関東地方です。人口が集中している東京都では、平均年収は350万円近くに達すると言われます。これは全国平均よりも数十万円高い金額です。

ハローワークの求人情報で調べてみると、東京都での求人で提示されている月給額は20万円台半ば~30万円ほどです。一方、地方の都道府県では、16万円前後から20万円前後という条件を提示していることが多くなっています。東京都における賃金額の高さが、ハローワークのデータからもうかがえます。

雇用形態別の収入一覧表

1.正社員の場合

健康運動指導士が正社員として働く場合、ハローワークの求人情報を見ると、給与額の幅は18万円前後~30万円というのが相場です。仕事内容としては、介護施設などでの機能訓練業務やフィットネスクラブのスポーツトレーナーとして運動指導を行う業務などが多くなります。

勤務先の規模や収支状況、立地地域、就労者の経験や資格の保有状況などによって実際の給与額が決まってきます。

これから就職・転職活動を行うという方は、自身の実務経験、さらには健康運動指導士をはじめとする保有する資格などをふまえて、能力・スキルに見合った待遇を受けられる職場を探しましょう。

2.パート・アルバイトの場合

パート・アルバイトの場合

パート・アルバイトとして働く場合だと900円~1,500円前後が時給額の相場です。仕事内容は運動指導・機能訓練の補助業務をメインに、受付や雑務などを任されることも多くあります。仕事内容によっても、時給額は変わってきます。

パート・アルバイトとして応募するときは、どのような仕事を任されるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。

健康運動運動指導士の勤務先別の給料

1.フィットネスクラブ

フィットネスクラブで働く場合、トレーナーとして利用者に運動指導を行うのが主な仕事内容です。自身も体を激しく動かすので体力を必要とします。また、医療機関などに比べて勤務時間が不規則になるケースも多く見受けられます。

ハローワークの求人情報では、フィットネスクラブでの求人では15万円~20万円前後の給与額を提示しているケースが多くなっています。就労後は賃金額も勤続年数にあわせてアップしていくため、全体としての平均給与額は22万円前後と言われています。

2.病院

病院

健康運動指導士が病院で勤務する場合、平均月収は18万円前後です。地方の病院だと求人を行う場合、給与額16万円台からの条件としているケースもあります。大きな病院では理学療法士や作業療法士などリハビリ専門職も勤務していますが、それらの職種に比べるとやや給料は低くなることが多いようです。

病院では医師や看護師など他職種と連携しながら、安全かつ効果的な運動指導を行います。ただし、勤務先によっては施設の管理業務なども任されるため、就職・転職時の際は、応募先の仕事内容をしっかりと確認しておきましょう。

3.老人ホーム

老人ホームで健康運動指導士を募集する場合、正社員の給与条件は18万円前後~20万円前後(ハローワーク情報を参照)です。しかし、全体として給与額はやや低めであり、月給15万円前後からの募集というケースもあります。病院勤務の運動指導士などに比べると、やや年収額は低めになることが多くなります。

しかし、老人ホームでリハビリの補助業務や運動指導を行う中で、入居者が元気になっていく姿を見ることは大きなやりがいにつながります。高齢の方々と楽しく会話をするのが好きな方には、おすすめの勤務先です。

健康運動指導士が給料を上げるには?

ほかの資格を取得してスキルアップする

ほかの資格を取得してスキルアップする

健康運動指導士が収入アップを目指す方法の一つは、国家資格を追加で取得することです。資格が増えればそれだけ業務の幅が増えるので、収入アップにつながります。

例えば、健康維持には栄養のある食事が欠かせないため、管理栄養士・栄養士の資格を取得しておくと活躍できる領域が一気に広がるでしょう。また、鍼灸師や柔道整復師などの国家資格を取得し、資格・スキルを生かしながら収入アップを図ることもできます。

独立・開業する

健康運動指導士が収入をアップさせる方法として、独立開業があります。実務経験の豊富な健康運動指導士の中には、それまでの勤務先で培った経験を生かして、独立し、フリーランスとして活躍している人が多くいます。

フリーランスになると、一つの勤務先で同じ業務を繰り返すのではなく、病院やフィットネスクラブ、介護施設といった多様な施設から依頼を受けて、運動プログラムの作成や講演活動などを行います。

独立開業して多くの顧客を得て成功すれば、年収1,000万円以上になることも考えられます。ただし、経営に失敗するリスクもあるため、その点の覚悟は必要です。