視能訓練士の給料は?平均年収や手取り、収入を上げる方法を解説

視能訓練士の給料を年齢別の平均給与から初任給、ボーナスなどを見ながら詳しく解説していきます。 看護師との給料の違いや雇用形態別、働く施設ごとの平均給料の違いも紹介。比較しながら視能訓練士の給料の実態に迫ります。 気になる給料アップのための方法も紹介していきます。

視能訓練士の平均給料・賞与(ボーナス)・年収

厚生労働省の調査によると視能訓練士の平均年収は約431万円です。

平均月給 約30万円
平均年間賞与 約71.4万円
平均年収 約431万円
出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

地域や勤務形態によっても給料は大きく異なりますが、一般的には経験とともに給与水準は向上していきます。

視能訓練士の手取り

視能訓練士の平均手取り額は約21万円前後です。

手取り額は額面給料の約7~8割程度が一般的です。

眼科にかかわる医療分野の専門職の中でも、眼科医や看護師の方が、視能訓練士より上回ることが多いです。

視能訓練士の年齢別の平均月給

視能訓練士の月給は年齢と共に増加します。

年齢 平均年収
20代 約313万円
30代 約393万円
40代 約460万円
50代 約561万円
60~65歳 約573万円
65歳以上 約464万円
出典:「視能訓練士実態調査報告書 2020年」(公益社団法人日本視能訓練士協会)

20代は平均年収約313万円ですが、年齢を重ねるにつれ平均年収は増加し、60~65歳では約573万円に上ります。

この職業群では医療業界内での年収は比較的低めですが、勤続年数が長ければ平均年収が500万円を超えることもあります。

視能訓練士の初任給

視能訓練士の初任給のイメージイラスト

視能訓練士の初任給は、平均約18万円から20万円が一般的ですが、この額は勤める施設の規模や労働組合の有無によって変動します。

特に大きな病院や労働組合が存在する場所では、やや高めの給料が設定されていることが多くあります。

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施設別の平均給料

公務員として公立病院で働く

公務員として働く視能訓練士のイメージイラスト

視能訓練士として公立病院で働く場合、給料とキャリアの安定性が大きなメリットです。

公立病院の公務員としては、年収が500万円から600万円に達することもあります。

20代の平均月給は約20万円、30代では約30万円と年齢と共に給料は増え、20代から30代での年収は300万円から400万円の範囲が一般的です。

公立病院での勤務は、特に長期的なキャリアを求める視能訓練士にとって理想的な選択肢と言えるでしょう。

また、公務員として働く場合の公立病院以外の勤務地は以下の通りです。

  • 市町村の保健所
  • 国立医療センター

公務員としての職場は給与水準が高く、職場によってはさらに手当が加わります。

私立大学病院で働く

私立大学病院で働く視能訓練士の平均年収が約495万円となっており、これは公立大学病院やその他の公立医療機関よりも高い水準です。

将来的に視能訓練士として働くことを希望し、現在国家試験の合格を目指しているという方は、就職活動をする際にこの点を踏まえておくとよいでしょう。

仕事の内容はどの医療施設でも共通していますが、特に給与を重視する方は私立大学病院での勤務を考えると良いでしょう。

施設規模別の平均給料

視能訓練士の年収は、勤務する施設の規模によっても異なります。

平均月給 平均年間賞与 平均年収
10~99人 約31.6万円 約56.3万円 約435万円
100~999人 約29.7万円 約69.4万円 約425万円
1,000人以上 約29.7万円 約84.2万円 約440万円
出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

特に大規模な事業所では、経験豊富な職員が多く、平均年収が440万円に達します。

施設規模により、年間賞与額に差がみられることがわかります。施設規模が大きくなるにつれて年間賞与額も高くなる傾向であることがわかります。

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都道府県別の視能訓練士の平均給料

視能訓練士の平均年収は地域によって大きな違いが見られます。

日本視能訓練士協会の調査によると東京都での年収が最も高く、平均約447万円に達しています。

対照的に、東北地方では平均年収が376万円となっており、東京と東北との間には約70万円以上の差が存在します。

地域別平均給与額の最高地域と最低地域の比較
東京都 約447万円
東北地方 約376万円
出典:「視能訓練士実態調査報告書 2020年」(公益社団法人日本視能訓練士協会)

地方によってこのような差が出る理由の一つに、最低賃金の地域差があります。

ただし、これらはあくまで平均値であり、地方の病院やクリニックで東京に同様、あるいはそれ以上の条件を提示するケースもあります。

雇用形態別の平均給料・年収

視能訓練士の転職のイメージイラスト

視能訓練士の雇用形態別平均年収は、正規職員(正社員)が約405万円、非正規職員が約216万円です。

平均年収
正規職員(正社員) 約405万円
非正規職員 約216万円

勤務時間の違いがこの収入差に大きく影響しています。

正規職員(正社員)

視能訓練士としての正規職員の平均年収は約405万円とされていますが、経験や勤務地によってこの数値は変動します。

視能訓練士として働きながら安定した収入を得たいという方は、資格取得後、正規職員としての勤務を目指して就職活動を行うのが合理的です。

また、同じ職場で勤続年数を経ていくことで、昇給も期待できるでしょう。正規職員はフルタイムで勤務する働き方ではありますが、視能訓練士は他の医療職のように、夜勤など負担の大きい職務内容ではありません。

非正規職員(パート・アルバイト)

視能訓練士として非正規職員(パートやアルバイト)で働く場合、平均年収は約216万円とされています。

平均年収は正規職員に比べると低いものの、勤務時間の柔軟性が大きなメリットです。

所定の期間のみ勤務する契約を結ぶ契約社員の場合、原則として契約期間のみの勤務であるため、正規職員のように将来にわたる昇給が望みにくい面があります。

契約社員としての勤務は一定期間に限定されることが多く、昇給の機会は限られていますが、一部の施設では契約の更新が頻繁に行われ、長期にわたって安定した職場で働くことができるケースもあります。

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学歴による収入の差

視能訓練士の資格を取得するには、養成課程のある3年制の専門学校もしくは4年制大学の卒業が必要です。

どちらのルートでも視能訓練士を目指すことができますが、一般的に4年制大学卒の方が所得は多くなっています。

将来的に視能訓練士として働くことを決め、その上で進学を考える場合は、就職後の待遇を考えて専門学校よりも大学に進学した方が良いでしょう。

ただし、専門学校は3年で卒業できるので、より早く国家試験に合格して就職することで、早い段階で現場での経験を積むことができます。

視能訓練士と看護師の給料比較

病院の場合、内科や小児科、外科など各分野に特化した医師、看護師、専門スタッフなどが勤務しているのが一般的です。視能訓練士は眼科で働く専門職ですが、同じ職場には眼科専門の医師、看護師が働いています。

厚生労働省の統計によれば、看護師の平均年収は約440万円。眼科に配属されている看護師の年収もこの額に準ずると考えられます。

一方、視能訓練士の平均年収は300~400万円ほどであり、平均値でみると看護師よりも低めです。

それでも視能訓練士の中には、仕事にやりがいを感じて、1つの病院やクリニックに長く勤務している方はたくさんいます。

看護師との給与差はあるものの、1つの職場で長く働き続けることで給与は上がっていきます。

視能訓練士が給料を上げる方法

視能訓練士の昇給のイメージイラスト

勤続年数を積む

視能訓練士が給料を向上させる方法の一つに、勤務年数と共に経験を積むことがあげられます。

経験年数 平均年収
5年未満 286万円
5年~9年 350万円
10年~14年 377万円
15年~19年 481万円
20年~24年 575万円
25年~29年 606万円
30年~35年 715万円
出典:「視能訓練士実態調査報告書 2020年」(公益社団法人日本視能訓練士協会)

これらのデータから、勤続年数を積むことで継続的に年収が増加していくことがわかります。

また、同じ職場での長期勤務が収入増につながる一方で、どのような経験を積み、どれだけスキルを向上させたかが、最終的な年収を左右する重要な要素です。

学会に参加して技能を磨く

視能訓練士として給料を向上させる有効な戦略の一つは、専門技能を磨き、学会や研修に積極的に参加することが挙げられます。視能訓練士にとって専門技能の向上が欠かせません。

日本視能訓練士協会や日本視能矯正学会など、専門分野の学会や研修に参加し、最新の技術や研究動向を学び専門的知識の拡充を行うことが大切です。

継続的な学びを通じて勤務先での評価を上げることが、給料アップに直結します。

給料の高い職場へ転職する

視能訓練士が給料を上げる方法の一つは、給与体系がより良い職場へ転職することです。

特に公立病院や大学病院などの大型施設は、待遇の良さと研修制度の充実から、転職先として人気があります。

視能訓練士としてさらなるキャリアアップを図るためには、自分の専門性を高めつつ、適切な職場を選ぶことが不可欠です。適切な環境で能力を認められれば、給料アップにつながる可能性が高まります。

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視能訓練士の給料が安いと言われる理由

視能訓練士の給料は安いと言われがちですが、実際には平均年収と比較してもそこまで安くはないといえるでしょう。

給料が安いと言われている理由をまとめました。

  • 看護師と比べてしまう
  • 年功序列のため昇給が遅い
  • 求人数が少なく転職して給料アップすることが難しい

同じ医療職種である看護師と比べてしまうと、平均給料は低いため、年収の低さを感じる人もいるかもしれません。

また、医療職種全般に言えることですが、昇給率が低く、年功序列のため、急激な給料アップがあまり見込めません。

勤続年数を重ねることで、給料は上がっていきますが、高い年収に到達するまでに年数がかかってしまいます。

さらに、視能訓練士の職場が限られているため、転職による給料アップが難しい場合があります。

以上のことから視能訓練士の給料が低いと言われがちです。

とはいえ、勤続年数を重ねることで給料は増加し、夜勤もない職場が多いため、ワークライフバランスを重視する方にはおすすめの職種となっています。

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