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【給料一覧】精神保健福祉士の年収や手取り、収入を上げる方法

精神保健福祉士は、精神に障がいのある方への相談援助と社会復帰のサポートを行う専門家です。取得することで高く評価される国家資格でもあります。 これから実際に精神保健福祉士として働こうとする場合、やはり給与額は気になるところです。 この記事では、精神保健福祉士の給与額、雇用形態別の収入、都道府県別の給与比較、勤務先の施設ごとの平均給与額などについて詳しくご紹介します。

精神保健福祉士(PSW)の平均給料・年収

社会福祉振興・試験センターによると、精神保健福祉士の年収は、男性は平均で約473万円、女性は約365万円です。

性別 平均年収
男性 473万円
女性 365万円

全体の平均給与額は403万円となっており、これは日本全体の平均年収の約442万円と比較してやや低い数字です。

精神保健福祉士の手取り

精神保健福祉士の手取りのイメージイラスト

精神保健福祉士の手取り額だと、平均約17万円~21万円前後が相場です。手取り額は概ね、収入の7~8割程度と言われています。

求人情報に載っている金額は額面給料のため、実際に振り込まれる金額が違うことには注意が必要です。

精神保健福祉士のボーナス

精神保健福祉士のボーナスは平均年間約60~80万円ほどです。

ボーナスは一般的に月給の3ヵ月分と言われていますが、実際の金額がいくらになるのかは、勤務先の規模や収支状況によって変わってきます。

就職・転職活動の際、事前に毎月の給与額とボーナスの額をきちんと確認し、自分の望みにあった職場を選択するようにしましょう。

精神保健福祉士の手当

資格手当が提供される場合、平均で月に約13,147円を加える形で反映されます。

しかし、社会福祉振興・試験センターによると、この手当を提供する職場は27.6%に限られており、手当を設けていない職場は69.9%に上ります。

この手当は職場によって異なり、すべての精神保健福祉士が同じように受け取るわけではないため、勤め先に確認が必要です。

精神保健福祉士の年齢別、男女別の平均月給

精神保健福祉士の平均給料には、性別や年齢、さらに職場によっても大きな差があります。正規雇用の割合は全体の80%と高く、これが安定した収入をもたらしています。

以下に、年齢別および男女別の平均年収を示します。

年齢 男性 女性
20代 約325万円 約311万円
30代 約420万円 約351万円
40代 約492万円 約399万円
50代 約541万円 約451万円
60代以上 約407万円 約321万円

精神保健福祉士の平均年収は20代では300万円前半となっていますが、50代では男性約541万円、女性約451万円と年齢を重ねるにつれ増加していくことがわかります。

また、このデータから男性の平均年収が女性より一貫して高いことがわかります。特に中高年齢層での差は顕著で、50代の男性は女性より年間約90万円多い年収を得ています。

年齢が上がるにつれて年収も増加する傾向にありますが、60代を超えると雇用形態の変化(正規雇用から非正規雇用への移行)により、平均年収が低下することが多く見られます。

精神保健福祉士の初任給

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精神保健福祉士の初任給は、勤務先によって差はあるものの、大卒であれば約17万円~20万円となるのが一般的です。

初任給の段階では一般企業と変わらず、苦労して国家資格を取得した割には少ないように感じます。

しかし、専門家としての知識を増やし、技量を磨くことで、給与額も着実にアップしていくでしょう。

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職場別の平均給料額

精神保健福祉士の給与は職場によって異なります。

医療関係施設が37.1%で最多で、障害者福祉施設も34.1%と続きます。これらを詳しく説明していきます。

精神科・心療内科などの医療施設

精神保健福祉士が精神科や心療内科などの医療施設で働く場合、大規模な病院では平均年収が430万円程度になりますが、小規模クリニックでは380万円程度と低めです。

病院の規模が大きいほど給与額は高くなる傾向にあります。

さらに、公立病院では公務員給料規定により安定した収入が見込めます。

福祉施設

福祉施設

精神保健福祉士が福祉施設で働く場合、平均年収は約390万円です。

特に障害者支援施設では、年収がおよそ391万円となりますが、相談支援事業所や基幹相談支援センターではそれぞれ約386万円、約408万円と差があります。

福祉施設では、精神疾患を抱える人々への直接的なサポートを提供し、その社会的貢献から得られるやりがいは給料以上の価値があるとされています。

これは「人助けをしたい」と考える人にとって、大きな魅力となるでしょう。

行政機関・公務員

精神保健福祉士が行政機関で勤務する場合、給料は地方公務員の規定に基づきます。

平均年収は約485万円で、特に保健所での勤務は平均約559万円に達します。

さらに、精神保健福祉センターや都道府県庁などの行政施設では、それぞれ約443万円、約538万円とされています。

公務員としての給与体系は勤続年数に応じて昇給が期待でき、俸給表に基づく手当と組み合わされて最終的な給与が決まります。

この安定した収入構造は公務員としての大きな魅力の一つです。

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都道府県別の給料

精神保健福祉士の年収が最も高い都道府県は東京都で、約335万円~540万円ほどの水準だと言われています。

例えば、精神保健福祉士の資格を持って生活相談員として就職・転職活動をする場合、求人情報に掲載されている賃金条件は、東京都だと約20万円~28万円が相場です。

人材に対するニーズが高いため、待遇も比較的良好です。

精神保健福祉士の平均賃金が最も低い都道府県は沖縄県で、約310万円が相場と言われています。

地域的にみると、沖縄県をはじめ、九州や北海道・東北地方は平均年収がやや低めになる傾向があるようです。

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雇用形態別の平均給料

精神保健福祉士の雇用形態別の給料のイメージイラスト

正社員の平均収入

精神保健福祉士の正規職員の平均年収は、男性が約426万円、女性が約368万円です。

男性だと平均で400万円以上となっていますが、女性はそれよりも60万円近く低くなっています。

ただし、これはあくまで全世代の平均ですので、就職後に精神保健福祉士としてのキャリアを着実に積んでいき、40代、50代になると、女性の正規職員でも年収400万円以上となる可能性があります。

契約社員の平均収入

契約社員の精神保健福祉士だと、平均年収は男性が約274万円、女性が約239万円です。

男女間の給料格差は正規雇用の場合よりも少なくなっています。

パート・アルバイトの平均収入

精神保健福祉士としてアルバイト・パートで勤務する場合の平均年収は、男性が約162万円、女性が約131万円です。

扶養控除内で働きたいなど家庭環境などによって就労条件が変わってくると思いますが、アルバイト・パートも正規職員と同じく、女性よりも男性の方がやや年収が高くなっています。

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他職種との比較

社会福祉士

社会福祉士の年収は、平均で約377万円とされており、精神保健福祉士と似た水準です。

ただし、男性の平均年収は439万円、女性は339万円と、性別による収入格差が存在します。

社会福祉士は福祉の広い範囲をカバーするため、仕事の多様性が特徴です。

初任給は学歴により異なり、大卒で20万円前後、短大卒や専門卒は15万円前後となっています。

経験の積み重ねや追加資格の取得により、給与の増加が見込める職種です。

介護福祉士

介護福祉士

介護福祉士の平均月給は約31万円とされています。

介護福祉士の年収は、夜勤や休日出勤の手当ても含めて平均約250万円から400万円の範囲で推移しており、精神保健福祉士と比較しても同様か若干高い水準にあります。

ただし、介護業界の慢性的な人手不足にも関わらず、待遇面の改善は進んでいないのが現状です。

看護師

日本看護協会の調査(2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査)によると、看護師の平均月給は約35.2万円、年間の賞与額は平均約89.1万円、平均年収は約500万円前後となっています。

医療ケアを担う看護師は、精神保健福祉士よりも収入額は高くなっています。

しかし、看護師の仕事は患者の命に直結する責任重大な業務を担います。夜勤が発生することも多く、就労すると心身面への負担は大きいため、このような給与差があると考えられます。

精神保健福祉士が給料を上げる方法

精神保健福祉士の給料を上げるには、経験の積み重ねが鍵です。

年齢とともにキャリアが進むと自然に年収も増加しますが、さらに高収入を目指すためには、以下の方法が効果的です。

  • 管理者などへのキャリアアップ
  • 資格の取得を目指す
  • 勤務先でほかの業務を兼任
  • 給料の高い施設へ転職する

これらのステップにより、専門性を高め、より良い給料を目指すことが可能です。詳しく説明していきます。

管理者などへのキャリアアップを目指す

実務経験を積んで管理者などへのキャリアアップを目指す

精神保健福祉士が給料を上げるための確実な方法の一つは、管理職へのキャリアアップです。

管理職になると、基本給に加えて役職手当が付与され、収入が大幅に増加します。

ただし、管理職への昇進には、着実に職務をこなすことで実績を作り、優れたコミュニケーションで職場内での信頼を築くことが不可欠です。

管理職への昇進は全員に与えられるわけではないため、プロフェッショナルとしての資質を高め、周囲からの評価を確実に得ることが求められます。

資格の取得を目指す

精神保健福祉士が他の資格を取得することも、給料を向上させる効果的な方法です。

  • 社会福祉士
  • 介護支援専門員
  • 社会福祉主事

このような精神保健福祉士以外の資格も取得して業務の幅を広げることも、給料アップに効果的です。

特に社会福祉士の資格は、精神保健福祉士の半数以上が持っており、両方の資格を取ることは決して珍しいことではありません。

資格取得には国家試験の合格が必要で、精神保健福祉士は一部科目が免除されるため、やや有利です。

プロフェッショナルな資格を複数持つことで、待遇改善とともに職場での重要性も増すでしょう。

勤務先でほかの業務を兼任する

精神保健福祉士という専門職だけでなく、それ以外の仕事を兼任することでも給与アップを目指せます。

例えば精神保健福祉士としての実績を活かして、地域で講演の依頼を受けるというのも一つの方法です。

仕事の幅・量が増えれば、収入額も増えます。

他職を経験しておくことは、精神保健福祉士として働く場合の視野が広くなり、スキルアップにもつながるでしょう。

給料の高い施設へ転職する

精神保健福祉士が給料を上げるためには、より好条件の施設への転職も効果的です。

転職を通じて待遇が改善される可能性がありますが、職場環境や仕事内容についても事前によく調べることが重要です。

転職は大きな変化を伴いますので、慎重に行う必要があります。

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