社会福祉士の給料は?平均年収や手取り、収入を上げる方法を解説

社会福祉士の給料相場はどのくらいなのか詳しく見ていきましょう。年齢別の給料相場から初任給、ボーナス、都道府県ごとや働く施設ごとの違いまでを網羅し、比較しながら理解しましょう。

社会福祉士の平均給料・年収

平均年収 男性の平均年収 女性の平均年収
約403万円 約473万円 約365万円

公益財団法人社会福祉振興・試験センターによると、社会福祉士の年収は様々な要因によって差が出ますが、全体の平均年収は約403万円とされています。

このデータによると、男性の平均年収は約473万円であり、女性に比べて108万円高いことが分かります。

大都市や施設の規模によっても給料は変わるため、職場環境によって給料は変動します。

社会福祉士の手取り

社会福祉士の額面給料は、月給20万円台後半から30万円台前半が平均です。

額面給料から税金や社会保険料などを差し引いた手取り額は、一般的に数万円程低い金額となります。

そのため20代の若手は20万円を切ることも珍しくありません。

社会福祉士のボーナス

社会福祉士のボーナスのイメージイラスト

社会福祉士の平均的なボーナスの目安は約70万円ほどです。

ボーナスは年に2回、夏と冬の支給が一般的で、1回当たりの支給額は、月給の1ヵ月分が最低ラインといえます。

ただし、ボーナスの支給額は勤務先の規模や経営状況、本人の経験や勤続年数で異なります。

公務員や団体職員なら月給の4ヵ月分ほどのボーナスが一般的ですが、民間ではボーナスがほとんど出ない施設もあります。

社会福祉士の手当・福利厚生

社会福祉士の勤務先で人気の公的機関では、基本給やボーナスのほかに各種手当が充実しています。

例えば、福祉事務所や児童事務所、官公庁なら、通勤手当や住居手当をはじめ手厚く手当が支給されます。

また、慶弔休暇やリフレッシュ休暇など、福利厚生も充実しています。

介護施設や老人ホーム、医療機関などで働く場合も、公務員に準じた手当や福利厚生の施設が多くなっています。

民間では手当や福利厚生の取り扱いに差はあるものの、国家資格である社会福祉士は比較的厚遇されているといえます。

社会福祉士の年齢別の平均月給

社会福祉士の給料は、年齢や性別によって異なります。

以下のデータによると、年代が上がるにつれて給料も上昇する傾向にあります。

年齢 平均年収
20代 約295万円
30代 約346万円
40代 約408万円
50代 約475万円
60代 約348万円

特に50代ではキャリアの積み重ねが反映され、最高平均年収を記録していますが、60代では退職に向けて減少することが見受けられます。

社会福祉士の初任給

一般的な社会福祉士の初任給は、21万円~23万円ほどです。

実際に働き出してから勤続すれば、上記の金額から収入は増えていきます。

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施設別の社会福祉士の平均給料・年収

医療施設で働く場合の給料

公立や民間の病院や、診療所で勤務する社会福祉士の平均年収は400万円程度が相場です。

主に病院では患者の悩み相談を受け付ける生活相談室や、地域の病院や診療所と患者の受け入れ、転院を支援する地域連携室に所属します。

高齢者福祉施設で働く場合の給料

高齢者福祉施設で働く場合のイメージイラスト

勤務する高齢者福祉施設の種類によって、社会福祉士の給料は異なります。

最新の調査データに基づくと、以下のような平均月給が確認されています

施設 平均給与額
グループホーム 約33.5万円
デイサービス 約30万円
訪問介護事業所 約32.7万円
特別養護老人ホーム 約37.1万円
介護老人保健施設 約31.1万円
出典:「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)

これらの施設では、生活相談業務から直接的な介護まで、社会福祉士の役割は多岐にわたります。

平均年収は300万円から500万円程度で、地域や施設による差異も見られます。

特に認知症対応型共同生活介護事業所では、平均月給が約39.7万円と高めです。

これらの数字は、施設のサービス内容と社会福祉士のキャリアパスによって左右されることが一因です。

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社会福祉協議会で働く場合の給料

公務員に準じた給与や手当、福利厚生が魅力で、年収は勤続年数や経験に応じて500万円から700万円前後まで見込めます。

高齢者や障害者、低所得者など、生活に困窮した市民の相談窓口となってアドバイスや支援事業を行っています。

社会福祉協議会の本部で勤務するほか、市役所などの福祉窓口で働く場合もあります。

公的な団体職員なので雇用も安定しており、業務時間が決まっているのも魅力です。

公務員として働く場合の給料

社会福祉士は、さまざまな公的機関で活躍できるケースが多くあります。

自治体の福祉関連の部署や国公立の病院に福祉施設、地域包括支援センターなどで募集されています。

こうした公的機関で公務員として働く場合、一定額以上の月給や賞与があって安定的に昇給し、かつ手当などの福利厚生が充実している魅力があります。

年収は400万円以上を見込めるケースが多く、管理職になると600万円を超す場合も珍しくありません。

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雇用形態別の社会福祉士の給料・年収

雇用形態別の社会福祉士の給料を説明するイメージイラスト

雇用形態別の平均年収をまとめました。

雇用形態 男性 女性
正規職員 約454万円 約380万円
非正規職員 約315万円 約277万円
出典:「社会福祉士・介護福祉士就労状況調査結果」(社会福祉振興・試験センター)

これらのデータを元に詳しく解説していきます。

正規職員(正社員)の平均給料

社会福祉士の正規職員は、平均年収で男性が454万円、女性が380万円と報告されています。

これは、非正規や派遣を含む全社会福祉士の平均年収(男性439万円、女性339万円)よりも高い水準です。

正規職員の利点は安定した雇用条件と、充実した手当や福利厚生のため、安心して長期にわたりキャリアを築くことができることです。

また、非正規職員と比較して約100万円以上の高収入が期待できるため、正社員への就職が推奨されます。

契約社員の平均給料

契約社員の社会福祉士は、男性が平均で年収315万円、女性は277万円です。

このデータは、常勤の非正規職員に限られており、正規職員と比較すると差が見られます。

パート・アルバイトの平均給料

パートやアルバイトとして働く社会福祉士の給料は、雇用形態によって大きく異なります。

特に非正規職員の中でパートタイム勤務の場合、男性の平均年収は約197万円、女性は約146万円となっています。

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社会福祉士の給料を上げる方法

社会福祉士の給料をさらに上げるイメージイラスト

ここからは、社会福祉士の資格を生かして収入アップを目指すための方法を紹介します。

資格手当をもらう

社会福祉士が給料を上げる方法の一つに、資格手当の申請があります。

この手当は、保有する資格に応じて追加給与として支給されることがあり、月額は平均約10,827円ですが、施設によっては月2万円から3万円と高額になる場合もあります。

また、名称独占の国家資格を持つことで、仕事の幅が広がるため、資格の取得とその申請はキャリアアップに欠かせません。

職場によっては資格手当の有無が異なるため、就職や転職の際には、事前に手当の詳細を確認することが大切です。

管理職にキャリアアップする

社会福祉士がキャリアアップして管理職に昇進することは、収入を大幅に向上させる一つの手段です。

管理職になると、役職手当の他に施設の運営やマネージメントに関わることで、より高い収入が期待できます。

例えば、施設長や部門の主任としての役割は年収を約550万円まで引き上げる可能性があります。

さらに、このキャリアパスはただ収入だけでなく、専門知識を生かした職務から、経営や運営に携わる重要な役職へとステップアップすることを意味します。

ただし、高い位置につくほど、責任も大きくなるため、その準備と覚悟が必要です。

このようなキャリアアップは、社会福祉士としての広い視野と深い知識が評価される結果でもあります。

独立型社会福祉士を目指す

独立型社会福祉士のイメージイラスト

社会福祉士が独立型として開業する道は、経済的自立と専門的発展の両方を求める方にとって魅力的な選択肢です。

独立開業することにより、従来の職場環境に依存せず、自身の専門知識を活かして直接利用者にサービスを提供することが可能になります。

特に、成年後見人やケアマネージメントなどの限定的な分野での活動は、社会福祉士の資格を最大限に活かすことができます。

以下のような活動が可能です

  • 成年後見人として、財産管理や意思決定
  • 福祉施設からの相談業務の請負
  • 大学や研修機関での非常勤講師
  • 福祉関連の記事や書籍の執筆

しかし、独立型社会福祉士として成功するためには、営業能力や事業管理のスキルも求められます。

特に初期の事業立ち上げでは、安定した収入を確保するまでに多くの挑戦が伴います。

独立後の収益性は、提供するサービスの質と市場への適応能力に左右されるため、継続的なスキルアップとネットワーキングが不可欠です。

独立を考える社会福祉士は、行政書士やケアマネージャーなど他の資格を併せ持つことで、サービスの幅を広げることが推奨されます。

これにより、より多くのクライアントからの信頼を得て、事業の持続可能性を高めることが可能になります。

給料の高い職場に転職する

社会福祉士としてより良い待遇を求める場合、転職は有効な手段です。

特に福祉業界や介護業界は売り手市場であり、各地に社会福祉士の需要が高まっています。

転職は単に給与の向上だけでなく、職場の雰囲気や昇給ペース、時間外労働の有無など、多方面の情報を考慮する必要があります。

そのため、インターネットでの情報収集や専門のエージェントとの相談を徹底することが推奨されます。

転職を成功させるためには、自分に合った職場を見極めることが重要です。

将来的な収入見込みや職場環境を慎重に評価し、自分の経験と能力を最大限に活かせる職場選びを行いましょう。

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社会福祉士の年収が安いと言われる理由

社会福祉士の年収が安いと言われる理由を説明するイメージイラスト

社会福祉士の年収は安いと言われがちですが、福祉現場の中では比較的高い年収となっています。

社会福祉士の年収が、他の福祉職種に比べて比較的高い理由には複数の要因があります。

  • 社会福祉士の資格手当や専門性の高まりによる特殊性
  • 少子高齢化や社会問題の複雑化による需要の増加
  • 資格手当が充実

例えば、介護職など他の関連職種の平均年収は約371万円前後であるのに対し、社会福祉士は平均で約426万円とされています。(厚生労働省jobtag

この差は、社会福祉士の資格手当や、少子高齢化、社会問題の複雑化などによる専門性の高まりに起因しています。

社会福祉士の平均給料は年々増加していることからも、その需要と専門性の高さが見て取れます。

しかし、他職種と比較すると、言語聴覚士や理学療法士など高度な専門スキルを持つ職種とはほぼ同等の年収を誇りますが、それでも彼らよりわずかに低いのが現状です。

これが社会福祉士の給料が安いと言われてしまう要因だと考えられます。

ですが資格手当が充実している施設や、社会福祉士の役割が重要視される地域では、より高い年収を得られる可能性があります。

今後社会福祉士の給料はどうなる

社会福祉士の給料は、今後も向上する見込みです。

統計によると、2015年から2020年にかけての5年間で平均年収は26万円増加し、377万円から403万円へとアップしています。

この傾向は、高齢化が進み、介護需要が高まる中で、更なる給料の改善が期待される要因です。

また、国の新しい施策や社会的な需用の増大により、社会福祉士の待遇改善が進む可能性があります。

これらの動向を踏まえ、社会福祉士の給料が将来的にどのように変化するかには、多くの注目が集まっています。

社会福祉士の役割の重要性が高まるにつれ、その報酬も相応に反映されることが期待されます。

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