今回は、株式会社愛誠会が運営する「はなまるホーム宮前」でユニットリーダーとして働く介護士の橋本幸治さんの転職ストーリーをお聞きしました。コミュニケーション力を磨くためにアパレル業界に就職し、そのときのお客さんとして知り合った現職の所長に誘われて現在の職場に転職。「介護の仕事を通して自分の弱点が克服できた」と橋本さんは話します。

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Profile 介護士 橋本 幸治さん

飛行機の構造や整備を学ぶ専門学校を卒業後、広島県から上京して、空港の手荷物検査の仕事に就職。その後はアパレルショップでの販売に従事し、好きな洋服に携わりながらコミュニケーション力を磨く。7年目には店長に昇進。運営は順調だったが、年齢とともにキャリアを積み上げていける仕事を求めて介護業界に転職した。

経歴
2009年~2012年 手荷物検査のスタッフとして空港に就職
2012年~2020年 アパレル業界に転職、店長に昇格
2020年4月 株式会社愛誠会に入社
長所 ポジティブ・几帳面
短所 周囲の目を気にし過ぎてしまうこと
趣味 ファッション・スポーツ観戦
特技 興味があることを探求すること

当時のお客さんだった所長に誘われて介護業界へ

前職のお仕事について教えてください。

私は、工業高校を卒業した後、飛行機に興味があって飛行機の構造や整備に関する専門学校で学んでいました。その後、専門学校に届いていた求人情報を見て、空港の手荷物検査を行う仕事に就業することにしました。

ただ、学校で学んだことを生かせる仕事ではなかったので、学校の先生からは止められましたね。しかし、「東京に出て働きたい」という気持ちが強く、反対を押し切ってその企業への就職を決めました。

その後、人とかかわれるアパレルの仕事に転職しました。私は人の目がかなり気になったり、ネガティブに考え過ぎてしまったりする性格で、そんな自分を変えたかったためです。

接客・販売の中でもアパレル業界を選んだのは、洋服に強い興味があり、おしゃれをするのが好きだったからです。

アパレルでのお仕事はいかがでしたか?

最初は積極的にお客さんに声をかけられず、店長や上司から注意されることも頻繁にありました。しかし、そのことで逆に自分の弱点が浮き彫りになりましたね。途中で吹っ切れて、結果的に頑張れたので良かったと思います。

どのようなタイミングで、転職を考えたのですか?

同じ会社で、自分より若いのにしっかりしている店長の話を聞くと、「自分はこれでいいのかな」という気持ちになっていきました。また、店長として働く中高年の社員もいなかったので、自分の将来像がイメージできなかったということもあります。

お客さんとして出会ったのが、今の事業所の所長だった

アパレルからの転職を考えたのは、どのような理由からだったのですか?

気に入っていたブランドを異動になったためです。異動が決まってからすぐに面接を受けて、内定をもらい、上司にも退職の旨を伝えていました。そして、数ヵ月後には転職する予定でした。

しかし、そのタイミングで店長への昇進の話が来たんです。店長になることは目標のひとつだったので、内定を断ってとどまることにしました。

介護業界への転職を考えたのはなぜだったのですか?

その後、再び転職を考えたときに、当時のお客さんだった今の所長のことを思い出しました。所長は、数ヵ月に1度ぐらいのペースで洋服を買いに来てくれていて、店員とお客さんの関係から友達になっていました。そして転職を検討していた際に、「一緒に働かないか?」と声をかけてもらったのです。

それで介護業界への転職を決意されたんですね。現在は、どのような仕事をしていますか?

基本的には三大介護と言われる、「排泄」と「食事」と「入浴」の介助を行っています。うちの事業所は、グループホームという高齢者施設のくくりに入ります。ただ食事を提供するだけではなく、食事をつくったり、洗濯や掃除などの家事をしたりもしています。介護をしながら家の仕事をしているようです。また、いろいろなサポートができて、自分自身も気分転換しながら働けるのが良いところだと思います。

現在の働き方についても教えて下さい。

主に3つの勤務形態があります。早番は、7時半~16時半まで、遅番が10時から19時まで、夜勤が16時半から翌日の10時までという感じです。休みは月に9日あります。

実際に働いてみて、いかがでしたか?

私がケアを担当している利用者さんは、認知症の方がほとんどです。そのため、最初はどう接したら良いのかわからないことも多くありました。また、介護経験者の全員が通る道ですが、はじめての排泄介助はとまどいましたね。

困難なことが起きたとき、どのように乗り越えているかを教えてください。

例えば職員間で小さなアクシデントがあっても、気にしていたら切りがないと思うようにしています。ネガティブに考えて過ごすよりはポジティブなことを考えて行動した方が自分も楽しいし、利用者さんにも喜んでもらえます。

排泄介助はまだ慣れない面もありますが、もともと几帳面できれい好きな方なので、大変さよりも「すっきりして気持ち良く過ごしてもらいたい」という思いが勝つようになりました。きれいに片付けることができると、達成感を感じますね。

チームマネジメントなどを行うこともありますか?

入社半年後から、2階あるフロアのうち1階のリーダーを任せていただいています。現場の仕事をしつつも、5人の部下の教育もしています。ほかには、入居者さんの心身の状態に合わせて今後のケアを考えたり、ご家族の対応をしたりしています。

部下ができてマネジメントを始めてから、変わったことはありますか?

裏で愚痴や悪口ばかり言っていてもネガティブな人間に見えてしまうので、以前よりも一段とポジティブに考えるよう心がけています。また、もし自分がさぼったり、手を抜いて適当に行ったりしたら、そのシーンを見て部下が真似してしまう可能性もがあります。そうなると、真似されたときに注意できなくなるので、一つひとつの仕事をきっちり行うようにしています。

疲れたときは、どのようにリフレッシュをしていますか?

フロア内で利用者様向けに音楽を流す事が多いのですが、私が率先して歌うようにしています。歌っているとポジティブな気持ちになれますし、ほかの方も一緒になって楽しそうに歌ってくれたりします。そういうときはうれしいですね。

  Before After
雇用形態 正社員 正社員
業種 アパレル グループホーム
職種 店長 介護士(ユニットリーダー)
勤務時間 シフト制(8:30~21:30の中で1日8時間勤務) 3交代のシフト制
休日 月休9~10日のシフト制 月休9日のシフト制
仕事内容 接客、販売、店舗管理、
チームマネジメント
身体介助、生活支援、
チームマネジメント

提供できるものが無限になるのが介護のお仕事

やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

うちの事業所は、明るい入居者さんが多いです。当たり前のことをしただけで、笑顔でしっかり感謝を伝えてくださることがほとんどなので、その一つひとつがやりがいになっています。

正直、「これぐらいで喜んでもらえるんだ」と思うこともあります。例えば、私がお笑い芸人ほど面白くなかったとしても、少しのユーモアですごく笑ってもらえることも多いです。そんなときは、「自分って意外と面白いのかな?」と勘違いしそうになりますね(笑)。

そのようにして、利用者さんと心が通い合う瞬間は、「役に立てて嬉しいな」という気持ちになります。

また、前職では、不特定多数のお客さんを相手にしていました。しかし、ここでは9名の方に喜んでもらえるケアをすることに集中できます。

アパレル時代のように、決まった商品やサービスを提供するわけではないので、利用者さんに提供できるものは無限にあると思うんです。前職では決まった商品の中からお客さんに買ってもらうために、セールストークをしていました。しかしここでは、利用者さんが楽しんでくれるようにと、いろいろなことにチャレンジしながら考えていきます。そして、その中で多くの発見があり、その方に合ったケアが見つかると面白さを感じますね。

これまでに身につけたスキルが生かせていると思うことはありますか?

アパレル時代に、人見知りを克服しておいて良かったと思います。ここに転職して、さらに堂々と利用者さんと接することができるようになりました。

仕事とプライベートの両立のために工夫していることはありますか?

休みの日はしっかりと休むために、仕事のことを考え過ぎないようにしています。アパレル時代は、休みの日にも仕事を持って帰ったり、ほかのスタッフとやり取りしたりすることも頻繁にありました。

そして、仕事が終わったあとや休みの日もLINEのメッセージが届いていましたので、仕事のことを常に考えておかないとならない状況でした。しかし、現在は緊急時以外は基本的に休日に連絡はしないという事業所の方針ですので、仕事のことを一旦忘れてリフレッシュすることができています。

休日の過ごし方を教えてください。

もともと家でリラックスして過ごすことが好きですが、新型コロナウイルス感染症が流行して、一層インドアになりました。以前は、アパレルショップで働いていたので、洋服を買いに行くのも一つの趣味でした。しかし、今はネットショッピングで洋服を買うことにもはまっています。それから、自宅で映画を観ることも好きですね。

利用者さんが楽しくハッピーに過ごせる場所をつくりたい

今後の目標や頑張っていること、実現したいことはありますか。

ユニットリーダーを任せていただいている立場上、周囲の目を気にし過ぎず、堂々と業務に取り組むよう努めています。アパレルショップの店長時代は、順調な運営だったにもかかわらず、周りの評価を過剰に気にしていました。そのときの反省を生かしたいと思っていますね。

また、介護業界にはたくさんの資格があります。私は1年半の間に初任者研修は取得しましたので、次は実務経験を3年積んで介護福祉士の資格取得を目指しています。そして、いつか施設長になって、今以上の責任を持ったお仕事がしたいですね。

事業所を利用者さんにとってどんな場所にしたいと思いますか。

明るい雰囲気があって、利用者さんが楽しく過ごせる場所でありたいと思っています。

ご家族の方が自分のご両親を預けたいと思っていただけるような場所にしたいです。そのためには、人生の最後の時間を楽しくハッピーに過ごしていただける施設であるべきだと思っています。

介護業界への転職を考えている方に、一言メッセージをお願いします。

私たちがケアを行うことによって、入居者さんが喜んでくれたり、ふとしたことで笑ってくれたりしたときには、役に立てていることを実感します。未経験からの介護業界への転職でしたが、楽しいことの方が多く、想像していた以上に自分に合った仕事だと思っています。

まずは飛び込んできてください。一緒にハッピーになれる場所をつくっていきましょう。

撮影:丸山剛史

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