今回お話を伺ったのは、学研グループのサービス付き高齢者向け住宅「学研ココファン川崎京町」で事業所長を務める秋田谷伸雄さん。前職は輸入車ディーラーの営業職。「人と話すのが好き」という秋田谷さんにとって、心から利用者様とかかわり、その人生と向き合っていく介護職は天職となったようです。

更新
秋田谷伸雄アイコン
Profile 事業所長 秋田谷 伸雄さん

大学卒業後にイギリス留学、帰国して高級輸入車ディーラーに勤務。2019年6月から学研ココファン入社、2020年10月より学研ココファン川崎京町事業所長に就任。看護師の奥様とは「車椅子からの移乗」などについて語りあうことも。家事は掃除・洗濯を担当。

経歴
1996年~1998年 大学を卒業後、イギリスに留学
1998年~2018年 輸入車ディーラーで営業マンとして活躍
2019年6月~ 学研ココファン入社
長所 社交的
短所 気が強い
趣味 旅行
特技 スポーツ全般

両親の介護をきっかけに輸入車ディーラーから介護職へ

まずは、以前のお仕事について教えてください。

高級輸入車のディーラーの営業をしていました。学生のときから自動車が好きで、自ら簡単な整備をしていたほどです。大学を卒業後にイギリスに1年半ほど留学したのですが、滞在先のロンドンでも整備工場でアルバイトをしていました。帰国後も自動車にかかわる仕事に就きたいと思い、ディーラーに就職したのです。

介護の仕事をに興味を持ったきっかけは何だったのですか?

介護の仕事に興味を持ったのは、両親の介護の経験からです。私は30代で両親を亡くしています。父は病気がわかってから2ヵ月、母は3ヵ月で亡くなりました。そのため介護をしたのはそれほど長い期間でもなかったのですが、この間に訪問診療や介護のスタッフの皆さんにはとても親身になってお世話をしていただきました。それで今まで知らなかった介護という仕事にふれ、自分も働いてみたくなりました。業種として景気に左右されないこともありますが、誰かの人生と向きあう仕事に惹かれました。

ディーラーでのお仕事はどのような点が大変でしたか?

ディーラーの仕事そのものはやりがいがありましたが、高級輸入車の販売は、景気によって売り上げに波があります。そのため、以前からより安定した業種に移りたいと考えていました。

実は、一時期は建物管理の仕事に就いたこともあったんです。でも、実際には不動産の管理も景気に左右されることがわかり、またディーラーに戻りました。

介護職では、営業職のときのスキルも生かせそうですよね。

介護業界への転職を考えたのには、私が営業で培ってきたコミュニケーションスキルが介護の現場でどこまで生かせるか、試してみたくなったこともあります。

私が携わっていた輸入車販売の営業は、自動車という「モノ」をはさんで人と対話します。でも、介護はダイレクトに人と向きあう仕事ですよね。より親身に人に向き合うスキルが求められているのではないかと思います。以前から自分の性格を「社交的」だと思っていたので、それも確かめたかったんです。

  Before After
雇用形態 正社員 正社員
業種 輸入車のディーラー サービス付き高齢者向け住宅
職種 営業職 事業所長
勤務時間 9:00~18:00(残業3時間) 8:45〜17:45(残業1時間)
休日 シフト制 週休2日
仕事内容 輸入車の販売 施設の運営
利用者様の見守りサポート

なるほど。介護業界の中でもなぜ「学研ココファン」を選んだのでしょうか?

学研を志望したのは、もともと学習参考書を作っている企業なので、とにかく真面目で、理念を大事にする会社だと思ったからです。また、東証一部上場を果たしていて、企業としての将来的なビジョンが明確であることも動機になりました。

介護の仕事には「やりがい」と「緊張感」がある

入社後から現在までの業務内容について教えてください。

2019年6月に学研ココファンに入社して、今日まであっという間でした。入社当初は、小田急線・柿生駅が最寄りの施設に配属されました。その後に2度の異動があり、3つの施設での研修を経て現職に就任しました。研修時には、旧「訪問介護員養成研修2級課程(ヘルパー2級)」(現「介護職員初任者研修」)の資格を取得しています。

そして2020年2月から学研ココファン新川崎、同年10月から学研ココファン川崎京町の事業所長として、施設運営をマネジメントする立場になりました。スタッフが足りないときには現場にも入ります。

基本的に月曜から金曜までの勤務で、朝6時に起きて8時45分に出社、17時45分に退社しています。横浜の自宅からちょっと時間がかかるのが難点と言えば難点ですね(苦笑)。

残業はあっても1日1時間程度、年休はほぼ取得できています。転職前は商談が入る土日にも出勤していたので、ライフスタイルが大きく変わりました。

異業界から介護職になって、はじめてわかったことはありますか?

思っていたより忙しいことですね。高校時代はラグビーをやっていたし、体力には自信があったんですが、入社から3ヵ月で10kg以上も痩せてしまいました(苦笑)。最近は事務職が中心なので以前に比べると落ち着きましたが、ナースコールが何度も鳴る日は今でも忙しく働いていますね。

ディーラーに勤務していたときはお客様との商談が中心だったので、自分のペースで働いていました。ここではそうはいきません。すべてのスケジュールはご利用者様を優先しますから、根気強い性格でないと務まらないと思います。

忙しい中でも楽しく働いていられるのは、利用者様とのコミュニケーションがあるからです。利用者様の外出時に挨拶をしたり、昼食時に食堂で雑談したり、楽しく過ごしています。なるべく利用者様とお話をさせていただく機会をつくるように、いつも心がけています。

利用者様の中には、認知機能が低下されている方も多くいらっしゃいます。そのため、マニュアル通りの「営業用トーク」では通用しません。心から接することが必要です。そのため大変な面もありますが、やりがいと緊張感がある環境に喜びを感じますね。

お話や雰囲気から、秋田谷さんのお人柄の良さが伝わってきます。利用者様からもかなり人気なのでは?

どうでしょう(笑)。施設を留守にしているときなど、「今日は事業所長さんいないの?」と気遣ってくださる方も多く、「顔を覚えていただいているんだなあ」と感激することはありますね。

そうなんですね。でも一息つきたいときもあるのではないでしょうか。職場でほっとできる時間や、お気に入りの場所はありますか?

休憩時間にスタッフと雑談しているときが、一番ほっとできますね。みんな仲よくやっています。

「人生の最期の瞬間に立ち会える」責任の大きな仕事

現在ご所属のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、どのような施設ですか?

サ高住の良さは、なんと言っても自由度の高いところです。利用者様はご自身の生活リズムにあわせてスケジュールを立てることができるので、ご自宅と同じようにお過ごしいただけます。また、学研ココファンではヘルパーセンターを併設しているので、要望にあわせた食事の介助や掃除、洗濯、おむつ替えなどのサービスも提供しています。

そうなんですね。どのような利用者様が多いのでしょう。

皆様、とてもお話好きで、笑顔が多いですね。事業所のヘルパーは、利用者様のお買いものや通院の同行をさせていただくこともあります。その際には、利用者様のいろいろな話をお聞きします。

ときどき「奥様はどんな⽅︖」と、私⾃⾝のことを聞かれることもあるんですよ(笑)。それだけ関⼼を持っていただいているのはうれしいです。

現在は新型コロナウイルス感染症への対策もあって、外出やデイサービスなどを控えなくてはならないのは残念です。お話をするのもどうしてもお食事の時間が中心になってしまいますが、利用者様の「何かをしたい」というお気持ちをできる限り叶えたいと思っています。

学研ココファンの運営する施設にはどのような特徴がありますか?

学研ココファンでは、お看取りまですることが特長です。最初の上司だった鶴川駅前事業所の所長が、「この仕事には、『人生の最期の瞬間に立ちあえるという喜び』がある」と話してくれて、とても感銘を受けました。「生命をお預かりして、生活のお手伝いさせていただいている」という気持ちをこれからも大切にしたいと考えています。

お仕事に打ち込まれる一方で、プライベートではどのようにお過ごしですか?

妻は看護師をしていて、両親を看取った後に知り合いました。その後、縁あって交際、結婚しました。共働きなので、「程よくすれ違える関係」ですね。いい感じですよ。妻とは家でいろんな話をしますが、つい「半身不随の方の車椅子の移乗って、どうやってる?」とか聞いたりしていますね。妻からもいろいろなことを学んでいます。

ご趣味も楽しんでいらっしゃるとか。

高校時代はラグビーに熱中していましたが、今の趣味は旅行です。とはいえ新型コロナの問題があるので、最近のオフタイムは、家事をしていることが多いですね。私は掃除や洗濯を担当しています。

目標は「業界シェアナンバーワン」

今後、達成したい目標はありますか?

学研ココファンは、団塊世代の皆さんが後期高齢者となる2025年までに「業界シェアナンバーワン」となることを目指しています。

そのために、私はサ高住の事業所長として、社会的な認知度が低いサ高住を一般の方にもっと知っていただきたいと思っています。

拡大に向けて、新しい人材の採用が必須ですね。

介護は「お金には代えられない仕事」です。採用面接では、就職希望者に「かつて看護職の社会的地位が低かったように、今の介護職の社会的地位は低いかもしれない。でも看護職が社会的に認められたように、これからは介護職も必ず報われるから頑張っていこう」と話しています。

入社をお考えの方は、学研ココファンの社風も気になると思います。

学研は、とにかく真面目な会社なので、業務で手を抜くことは許されません。私としても「職場では手抜きをしない、何ごとも『テキトー』にやらない」ことをマイルールにしています。真面目という点では、学研ココファンの運営のあり方と、自分自身の考えが合っていると思っています。

秋田谷様は、どんな方と一緒に働きたいですか?

介護業界で働くには「命をお預かりしている」という自覚が必要です。私自身、責任感を持って職務にあたっています。きついこともありますが、辛さはありません。きつくても介護を崇高な仕事として頑張れる人と一緒に働きたいですね。ぜひ多くの方に、やりがいを持って働いていただきたいです。

撮影:公家勇人

求人の詳細
はこちら
株式会社学研ココファン