今回はさわやか倶楽部が運営する「グループホームはなみずき」(千葉県千葉市)の介護士・立石絵里佳さんにお話を伺いました。前職では牛丼チェーン店の副店長を経験。4人のお子さんを育てるシングルマザーでもあります。いろいろな職業を経験してきた立石さんは、「今の職場が1番、充実しています」と笑顔で教えてくれました。

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Profile 介護士 立石 絵里佳さん

18歳で結婚、19歳で第一子を出産。4人のお子さんを授かり、後に離婚。2004年より、飲食業界をはじめとするさまざまな仕事を経験し、現在はご実家で子育てをしながらグループホームはなみずきで介護士として勤務している。休日はお子さんと過ごす時間を最も大切にしている。

経歴
2003年 地元の高校を卒業
2004年~2011年 結婚、第一子を出産。子育てとさまざまな職種を経験
2011年~2012年 有料老人ホームに就職
2012年~2020年 飲食店などに勤務
2020年7月~ さわやか倶楽部入社
長所 明るいところ
短所 漢字の読み書きが苦手
趣味 ラーメンの食べ歩き
特技 人を笑わせること

子育てと両立しやすい仕事を求めて介護職に転職

以前はどのようなお仕事をされていたのですか?

直近では、牛丼のチェーン店で副店長をしていました。その前にも飲食店のスタッフ、販売員など、いろいろな職業を経験しています。実は有料老人ホームに勤めていたこともあります。

職場を変えたのは、子育てとの両立を考えてのことです。どうしても子どもが風邪をひくと、お休みをいただくことが出てきます。子どもが4人いるので、休みが続いてしまうこともありました。それで、職場に居づらくなって辞めざるを得なかったんです。

仕事との両立は大変ですよね。ほかにも苦労されたことはありましたか?

残業が多く、休みがほとんど取れなかったことですね。子どもたちと過ごす時間は限られていました。それでも仕事ぶりが認められて、副店長にまでなることができました。

介護の仕事に興味を持ったきっかけは何だったのですか。

販売業をしていた26歳の時にふと、「私には、子どもたちに自慢できるものが何もないな」と思ったんです。それで介護の資格を取るために、有料老人ホームに正社員として入社しました。今思えば、安易なんですけど(笑)。

でも1年もしないうちに仕事中に腰を傷めてしまって、それが治らないので退職しました。

改めて介護の仕事をしようと思われたのはどうしてですか?

離婚して実家に戻ってきたばかりの頃に、知り合いに紹介してもらったんです。通勤に便利な立地だったのでいいかなと思う一方で、介護職ということでちょっと考えてしまいました。また腰を傷めたらどうしようという迷いはありましたね。

でも離婚して実家に戻ったすぐ後だったこともあり、生活費や子どもたちを保育園に入れてあげるためにも働きたかったので応募しました。

  Before After
雇用形態 パート 正社員
業種 飲食業 グループホーム
職種 副店長 介護士
勤務時間 シフト制 7:00~16:00、10:00~19:00、17:00~翌9:00のシフト制
休日 月休8日のシフト制 月休8~9日のシフト制
仕事内容 接客など 身体介助
生活支援

子育てに協力的な職場でプライベートに良い変化が

現在の業務内容を教えてください。

早番と遅番の日は、前日の業務の引き継ぎや施設内の清掃などから始めて、食事の支度や入浴の介助などをします。前職や家庭で培ってきた「段取り良く料理を提供するスキル」は、現在の仕事に生かせていると思いますね。

グループホームは、できるだけ利用者様ご自身でお掃除など⾝の回りのことをしながら過ごされるというのが特徴なので、体調などに注意しながらサポートさせていただいています。

レクリエーションの時間もあります。新型コロナの対策にも気を配りながら、天気のいい日にはお散歩などをしています。

夜勤では、利用者様の安否確認、排泄介助、与薬介助、介護記録などの業務を行っています。待機時間に介護関連の参考書を読んだりしているうちに朝になっていますね。 利用者様は5時には起きていらっしゃる方が多いので、9時の退勤時刻まで食事や掃除などのサポートをさせていただきます。

現在はどのような働き方をされていますか?

私の場合、早番と遅番のシフト制で、月5回ほどの夜勤があります。 早番は7時から16時、遅番は10時から19時の勤務です。夜勤は17時から翌9時までです。休憩時間は、テーブルで紅茶などを飲んで一息つく感じです。

仕事は残業がほとんどなく、有休も取りやすいのでありがたいですね。

以前のお仕事と比べると、プライベートを含めて生活は変わりましたか?

休みが取りやすくなりました。子どもが急に熱を出したときなども、スタッフから「休んでいいんだよ」と言ってもらえるので助かっています。また、施設長もスタッフに分け隔てなく接してくれるので、職場全体の雰囲気が良く、働きやすいですよ。

お休みの日はどのように過ごされているのですか?

子どもたちとの時間を大切にしています。末っ子が幼稚園生になったので、最近は一緒に自転車の練習をしています。 みんなで縄跳びをしたり、「誰が一番大きいシャボン玉をつくれるか」とか、とにかくくだらないことで競い合っています(笑)。

後は、お菓子づくりが得意でよくつくっています。炊飯器をつかって焼くケーキなどの手軽なレシピをネットで探して、子どもたちにも手伝ってもらいながらつくっています。子どもたちは「おいしくない」とか感想をはっきり言うので、かえって力が入りますね(笑)。「絶対に『おいしい』と言わせるぞ!」という気持ちでがんばっています。

私は子どもたちを養うために、これまでずっとがむしゃらに働いてきました。以前に比べると、定時で帰れて、実家の母にも助けてもらえている今は、気持ち的にもゆとりがありますね。

利用者様とのやり取りは自身の心も穏やかにしてくれた

はなみずきの概要についても教えてください。

はなみずきは、グループホームと呼ばれる施設です。認知症のご高齢の方が、専門知識を持つスタッフの援助を受けながら暮らしています。

5人から9人の「ユニット」で共同生活をしていただくことが特徴で、はなみずきでは現在9人の利用者様が暮らしています。なるべく「ご自分のことはご自分でしていただく」というのが施設の方針です。

医療機関との連携面では、総合内科の先生が2週間に2回、歯科医の先生が1週間に1回ずつ診察に来てくださっています。

ご家族のご希望があればお看取りもします。私も一度だけ利用者様の最期に立ち会わせていただきました。着替えのお手伝いをしたときは、すごく泣いてしまいましたね。

でもプロなので、その後はまた笑顔で仕事をしなくてはなりません。ご縁があってここでご一緒させていただいたことには、とても感謝しています。

利用者さんは、どのような方が多くいらっしゃいますか?

利用者様は、皆さんやさしくて笑顔の方が多いですね。絵を描いたり、ゲームを手づくりしたりして、いつも穏やかに過ごしていらっしゃいます。いろいろなお話をするのが楽しくて、私の性格も柔らかくなりました。同居している祖母にも、以前よりやさしく接することができていると思いますね(笑)。

リビングの消灯時間は21時なのですが、利用者様の就寝時刻はいろいろです。早い方は夕食後の7時くらいからお休みになります。スポーツ中継などで遅くなるときは、居室のテレビでご覧いただいています。

どのような点が、施設の特長だと思いますか?

提供するごはんがおいしいことです。朝食のメニューは給食係がその当日に決めています。昼食と夕食は、給食係が1週間ごとにメニューを決めます。和食が人気ですが、カレーやハンバーグ、唐揚げなども好評ですね。

認知症ケアに関する資格取得を今後の目標に

今後、お仕事の中で達成したい目標を教えてください。

認知症や介護についてさらに勉強したいですね。実践者研修(認知症介護実践研修)を受けているのですが、とてもためになりますね。認知症についても、知らないことがたくさんあるんで、勉強ができてうれしいです。

1月からは勤務シフトが変わって、「サブリーダー見習い」として学ばせてもらっています。子育て中の後輩もいるので、お互いにいろいろ支え合いながら働いています。

なるほど。今後はどのような方と一緒に働きたいですか?

介護の仕事をしたいと思う方なら、男女問わず誰にでも来ていただきたいです。いろんな仕事を経験してきた私ですが、職場にも恵まれて、今が1番幸せです。やりがいがあって、楽しい職場ですよ。

介護職への転職を考えていらっしゃる方に、一言お願いします。

「高齢者施設」といっても、はなみずきのようなグループホームから、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどいろいろありますよね。サービス内容も違えば、働く職員の年齢やキャリアもさまざまです。自分のライフスタイルや働き方に合わせて働くことができるので、経験して損はない職業だと思います。

命をお預かりしている仕事ですから、「イヤだなあ」とか中途半端な気持ちでは務まらないし、それが大事故にもつながりかねません。大変な仕事ですが、その分やりがいは大きいです。

また、意外かもしれませんが、排せつ介助などは未経験の方が思うよりも大変ではないですよ。慣れるまでは多少なりとも介助をするのに抵抗はあるかと思いますが、利用者様とお時間を共にするうちにスムーズにできていくように感じます。それはやはり人と人との信頼関係が重要なのだと思います。

皆さん同じ介助方法とはならず、その方に合わせた方法でのご対応が必要です。分析や研究などが好きで探求心のある方には、とてもやりがいが感じられるお仕事かもしれませんね。

撮影:公家勇人

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