介護が始まる前に「地方移住」すべき5つの理由
みなさんはじめまして、イケダハヤトと申します。
ぼくは「まだ東京で消耗してるの?」というブログを運営している「ブロガー」です。タイトルの通り、東京で消耗するのは嫌になりまして、今は高知県本山町の限界集落に拠点を移し、家族3人で生活しています。
ビジネスは順調で、2015年はブログ関連だけで年商2,000万円を稼ぐことができました。2016年は目指せ3,500万円、高知の田舎に雇用を増やそうと奮闘しています。誰から頼まれているわけでもありませんが、地方創生中です。
さて、今回はそんなぼくが、介護施設をお探しのみなさまに「地方移住」という選択肢を提案させていただきます。ポジショントークとかではなく、ぼくは「介護が始まる前に移住した方がハッピーになる」と考えているんですよ。
その理由について、語っていきましょう。ではよろしくお願いいたします。
【理由1】「日本版CCRC構想」。国も後押ししています。

大きなところから解説すると、実は「介護が始まる前に移住しよう」という話は、国も後押ししているんですよ。「日本版CCRC構想」という言葉を知っている方、いらっしゃいますか?ご存知でしたらものすごく情報感度が高いです。
「CCRC」とはなんぞや。解説サイトから引用しますね(太字は筆者加工)。
「CCRC」という言葉を目にすることがある。CCRCとはContinuing Care Retirement Community(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)のことで、主にアメリカで発達した高齢者居住コミュニティのことだ。
最近、政府が高齢者の都会から地方への移住を支援する方針を打ち出した。
地方にバリアフリーの高齢者向け住宅をつくり、健康なうちに地方に移り住んでもらい、退職後の第二の人生を楽しめるようにするというものだ。
実はこのモデルにしているのがCCRCなのである。
政府は高齢者住宅の建設や運営費を補助するほか、移り住んだ場合の助成金の拡充を検討している。
地域を絞って規制緩和する「地方創生特区」の指定も視野に入れている。
半年間、お試しで移り住んでもらえるよう入居費を補助する案も浮かんでいる。
地方への高齢者移住を支援することで地方の活性化を図ろうというのが狙いだ。
具体的な動きはこれからですが、中小企業庁が展開している「シニア等のポジティブセカンドキャリア推進事業」はその先駆けとも解釈できる制度です。
「都市部の大企業・中堅企業を離職又は離職予定で、概ね40歳以上の方」を対象に、地方に移住すると最大185万円(!)の支援金が提供されるんです。
政府の動きに呼応するかたちで、各地域でも、主に「地元大学」を巻き込んだコミュニティづくりが模索されはじめています。
都留市長の堀内氏は、都留市版CCRC構想について語った。
都留市版CCRC構想のコンセプトは、都留市ならではの強みを生かした「大学連携型」である。
3つのCを「College」になぞらえ、都留文大を「ヒトづくり」のC、産業技術短期大学校を「モノづくり」のC、健康科学大学看護学部を「カラダづくり」のCと位置づけ、そこに「Related・Residence」(つながり・住まい)を意味するRを加え、有機的な循環を促進するとした。
東京圏の高齢者は地方へ移住する? 政府主導で進む日本版CCRC(3/4) | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト
当面のトレンドとして、政府が「健康な時期からの地方移住」を促進していくこと、そのための制度も充実していくことが予想されます。
介護とも大いに関係がある話なので、ぜひ「日本版CCRC構想」というキーワードをウォッチしておきましょう。
これから続々と、新しい取り組みや制度が生まれてくる分野です。
【理由2】 都市部の介護は未来が暗い。いずれにせよ地方移住は選択肢に入る。
よく知られているように、将来的に、東京の介護リソースは不足するとみられています。実は「日本版CCRC構想」はこうした社会変動を見越した提案でもあるんです。政府発表の資料より引用します。
一方、東京圏は今後急速に高齢化が進むこととなる。特に75歳以上の後期高齢者は、2025年までの10年間で約175万人増えることが見込まれている。
その結果、医療介護ニーズが急増し、これに対応した医療介護サービスの確保が大きな課題となってくる。東京圏においては、医療介護人材の不足が深刻化するおそれがあり、このまま推移すれば、地方から東京圏への人口流出に拍車がかかる可能性が高い。
こうした状況下で、日本版CCRC構想は、地方移住を希望する東京圏の高齢者に対して、地方で必要な医療介護サービスを利用するという選択肢を提供する点で、東京圏の高齢化問題への対応方策として意義があると考えられる。
ある意味で、政府はすでに「東京圏で介護を受けるのは、たぶん厳しいですよ」とアナウンスしてくれているんですよ。
ということは、いずれにせよ、介護が必要になった段階で「地方移住」は選択肢に入ってくるんです。2015年の段階でも、「都心では介護施設が見つからないから、地方に移住した」という話を伺います。
住み慣れた都心で生活したいのはわかりますが、現実問題として難しいなら、別の選択肢を考えておくべきです。国も後押ししていますし、早めに地方に移住してその土地に慣れ、満を持して(?)介護を受ける方がハッピーなのではないでしょうか。
【理由3】 子ども世代も移住したがっている。

ここ1~2年、「若い世代の地方移住」は大きな流れになっています。
毎日新聞ら調査によれば、移住者総数は右肩上がり。
上記のグラフには掲載されていませんが、最新の14年度調査ではついに1万人を超え、1万1,735人となりました。
早晩、移住の動きは年間10万~20万人単位となるでしょう。
なぜ若者は都市部を離れ、田舎を志向するのか。ぼくはまさに当事者でしたが、都会は「生活コスト」が高すぎるんですよね。
特に「住居費」負担は大きすぎます。
家賃を節約するために、わが家はワンルームで子育てしてましたよ、えぇ。
もちろん、希望の保育園にも入れることができません。
子どもは3人ほしいと考えていたのですが、「東京では無理」という結論に辿り着き、娘を連れて高知に移住したわけです。
共働きで無認可の保育園を利用していた経営者の友人は、保育園料だけで月に12万円かかっている…と漏らしていました。加えて家賃・住宅ローン、教育費、以外とバカにならない交通費…。家族でのんびりするなんて、到底無理です。
ぼくは思うんです。まずは「先鋒隊」として、親世代が地方移住してしまえばいい、と。そして、都会でヒイヒイ言ってる子ども(&孫)を連れてきてしまえばいいんです。三世代移住です。
親が先に住んでくれれば、子どもたちとしても安心感がありますし、暮らしのイメージも掴みやすくなります。地域をリサーチして、子ども世代のために仕事を集めてみるのもよいでしょう(いざ地方に住んでみると、想像以上に仕事はあります)。
お子さんが東京で働いている方は、ぜひ「東京、たいへんじゃない?地方移住、関心ある?」と聞いてみてください。きっと食いつくと思いますよ。今の東京は、ほんとうに「消耗」する場所ですから。
【理由4】今の田舎は昔と違う。
「地方移住いいですよ!」という話を40~50代の方にすると「でも、田舎は閉鎖的で生きづらいよ」と反応されることがあります。
移住を発表した直後、ぼくのブログにも「イケダは田舎の怖さをわかってない!おめおめと帰ってくるはずだ!」というコメントが集まりました。
「やれやれ、何を言っているのやら…」という感じですね。ぼくは「ど田舎」といえるような地域に住んでますが、一度たりとも嫌な思いをしたことはありません。地元の方々が「ウェルカム」すぎて驚いているくらいです。高知県本山町、すごいです。
先輩移住者の話を聞くに、ここ数年で田舎も変わってきているようです。15~10年前は、やはり閉鎖性は強く残っていたようで、ひどい話もあったと聞いています。
が、冷静に考えれば「閉鎖的な田舎のままでは、地域が消滅する」ということは自明なわけです。
地域を愛しているのなら、どこかのタイミングで「外から人を招いて活性化しないとヤバい」と気づくわけですね。
ぼくの肌感覚としても、地元の人たちが一番この地域を憂えています。
かつて田舎で嫌な思いをしたとしても、今はもう変わっている可能性があるんです。郷里を離れて長い方は、ぜひ新鮮な目で地域を回ってください。きっと、雰囲気は変わっていますから。
もちろん中には未だに閉鎖的な土地もあるので、「場所を選ぶ」ことは大切です。
郷里があったとしても、必ずしもそこに帰らなければいけない、というわけではないのですから。
ぼくが知っている範囲では、高知・福岡・宮崎・鳥取・島根あたりは比較的オープンで、入り込みやすい感じがありますね。
【理由5】 田舎はビジネスチャンスだらけ。
最後に強調したいのは、今の田舎は、仕事が創り放題ということ。
かくいうぼくは、田舎に移住したわけですが、のんびり隠居するつもりは毛頭ありません。ここでどんどんビジネスを興して、年商10億くらい作りたいんですよ。それは別に難しい話ではなく、現に、うちの事務所は高知に移住してから売上が右肩上がりですから。
田舎は、資本主義のフロンティアなんです。ぼくはゴールドラッシュ時代と似た熱狂が、今の田舎にはあると感じています。ほんとうに。
徳島県上勝町の「株式会社いろどり」はこの分野で大変に著名です。地元の「葉っぱ」を高級料亭などに販売する事業を行っています。年商は2億6,000万に達しているから、驚くほかありません。

葉っぱビジネス」とは“つまもの”、つまり日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことです。
(略)葉っぱビジネスのポイントは、商品が軽量で綺麗であり、女性や高齢者でも取り組めることです。現在の年商は2億6,000万円。中には、年収1,000万円を稼ぐおばあちゃんもいます。
それを支えるのはパソコンやタブレット端末で見る「上勝情報ネットワーク」からの情報です。
決まった数量を毎日出荷するのではありません。
おばあちゃん達はパソコンやタブレット端末を駆使し、「上勝情報ネットワーク」から入る全国の市場情報を分析して自らマーケティングを行い、栽培した葉っぱを全国に出荷するのです。
地域に資源はあるんです。創造性があれば、ビジネスはいくらでも創ることができます。かくいうぼくは、田舎に移住して3ヵ月、こんなビジネスを思いつき、いくつかは実現に向けて着手しています。
- 温泉事業(ぼくの住む地域には、温泉がひとつもないのです)
- 古民家を使った民泊事業
- ゆず農園の経営
- 地域の情報を発信するメディアのプロデュース、運営
- 林業、木材加工事業
- 地元の美味しい食材、クリエイターのこだわり商品を販売するECサイト事業
- 移住希望者向けの職業紹介
- イベント、ワークショップの企画
などなど…。ビジネス感覚がある方なら、田舎はものすごく刺激的に映るでしょう。田舎は開業コストも低いので、ちょっとしたカフェや居酒屋なら、割と気軽に経営を始めることができちゃいます。レストラン経営に憧れていた方とか、開業しちゃいません?
「地方創生」の流れを受けて、創業補助金・創業サポートも充実しています。
たとえば高知では「高知家シェアオフィス」の利用にあたり、最大476万円の補助金が提供されます。
家賃・人件費が安いことに加えてこの補助ですから、起業にはかなり有利な環境が整っていると言えます。

「早期退職して田舎でのんびり隠居」というのも素敵ですが、それは多分、飽きるんですよ(笑)。
ぼくは多くのシニアに、田舎にきて「起業」してほしいと勝手ながら願っています。
田舎はほんとうに、ビジネスの担い手がいないんです。
地方に移住してシニア起業、最高にクールです。
まずはここから。
移住に向けてどんなアクションを取るべきか。まずはこの2点が挙げられるでしょう。
- 都市部にある移住支援センター、移住支援イベントに足を運び、話を聞いてみる(東京には「ふるさと回帰支援センター」があります)。
- 各自治体が提供している「お試し移住施設」を利用して、旅行を兼ねて短期滞在してみる(たとえば高知には、最長で1年滞在できる施設があります)
特に使えるのは「お試し移住施設」で、まずはそこで「生活」してみると、いろいろなことが見えてきます。「みんなの介護」で介護施設を検索して、実際に訪問してみるというのもいいでしょう。すでに移住を実現した人の話を聞いてみるのもおすすめです。
ついでにこっそりいうと、お試し移住施設は利用料金が「格安」です。1万円払えば1ヵ月泊まれる物件も…。物件ホテルに泊まるより、だいぶ安く旅行できてしまいます。長期の休みを利用して、滞在型の旅行を楽しんでみてください。
東京はもう、生きづらくなりました。オリンピックに向けて「弱者・マイノリティに優しい都市」になればいいですが、そんな機運は感じられません。都市を捨て、里山へ。これからは田舎が面白いんですよ。
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2020年9月7日 制定