高齢者のテレビ事情は想像より深刻!?
高齢者はテレビをよく観るというイメージはありませんか?実際に行われた調査によると、世代が進むに連れ、テレビの視聴時間が伸びていくようです。
1日あたり何時間程度テレビを見ているのかというと、20代男性では1時間44分、20代女性では2時間23分などの比較的少なめの数字を記録しています。

一方、50代になると男性で3時間39分、女性では4時間16分という結果に。
それが60代になると男性が4時間55分、女性では4時間47分、70代に至っては男女それぞれ6時間、5時間超えと、相当な時間を毎日テレビ鑑賞に費やしているということになります。
6時間もの時間テレビを見て過ごしているということは、起きている時間のほぼ半分をテレビに使っていると言っても過言ではありません。
もともと女性はテレビを多く見る傾向にありますが、高齢になると総じて男女ともにテレビを見る時間が長くなるのは間違いなさそうです。
では、なぜそのような長時間をテレビに費やすのか。それはただ単に時間があるからという単純な理由だけではないようです。
これについてNHKは、生活に対しての”沈滞感”が原因であるということを報告しています。
生活に活気がなく、どこか沈んだような気持ちとなっている、そして特に見たいと思っているわけではないのに、気がつくとテレビの視聴時間が増えていた。
そんなことが背景にありそうです。
また、高齢者がテレビに何を求めているのかについては「世の中の動き、出来事などを伝えてくれる」が29%でもっとも多いという結果に。世間の動向をリアルタイムで家の中にいながらにして知ることができるというのがポイントになっています。

そして、12%の値を示したのが「世間の動きに遅れないで済むので助かる」、「感動を得ることができる」、「未知の出来事を教えてくれる」という3項目。こうしたことがテレビの効用につながっているようです。
これらの調査から鑑みると、仕事をしていない高齢者にとって自宅にいながら社会とのつながりを持てるというのがテレビ視聴の背景を感じることができます。
男女差で見てみると、女性は男性よりも「感動する」「知性を得られる」などの項目で、男性の倍以上の効用を得ています。
女性の方がテレビから受ける影響は大きいようです。
テレビばかり見ていることが脳に与える悪影響…
しかし、いくら孤独で社会とのつながりが欲しいからといっても、あまりにテレビばかり見続けているのは、脳に悪影響があるようです。
特に、テレビは次々と画面が切り替わり、思考などの認識能力の低下につながってしまいます。脳が受け身になってしまうのです。受動的になった脳は、積極的に考えることをしなくなりますから、認知症などの原因にもなってしまう恐れがあります。
幼い子供に長時間テレビを見せ続けることはあまりよくないことだという共通認識がある一方、高齢者がテレビばかり見ていることについてはあまり良し悪しを言われることがありません。
むしろ、昨今は健康番組が増え、高齢者をターゲットとした番組が増えているぐらいです。
その一方、認知症などになりやすいというレポートも存在。加えてテレビばかり見ていることで運動不足にもなりますので、脳の血流が悪化し、認知症をひどくしてしまう可能性もあります。
インプットばかりになってしまいがちなテレビ、その有効な使い方には、内容について話し合うなど、会話のきっかけとして利用することが考えられます。
また、歌番組などを見ているときは、歌と過去の思い出などを回想してもらうことなども効果的です。
そうすることによって、家族間、あるいは地域でのコミュニケーション活発になるかもしれません。
やっぱり現実の生活が一番!?
高齢者がテレビ以外に社会とのつながりを得る方法は他にないのでしょうか。それを考えるため、高齢期の社会貢献活動に取り組むモチベーションをみてみましょう。

65歳以上で社会貢献の活動を行う動機としては「人に役に立つことで、地域に役立てる」「交友関係が広がる」などの理由が挙げられています。
また、社会活動に参加した年齢については60歳~64歳がもっとも多く、31.7%を示しています。
65歳以上から社会活動に参加した人も20.7%程度おり、高齢者になるほど社会活動に参加する動機が増えてくるのがわかります。
高齢期に入り、時間がある故テレビばかり見るのではなく、コミュニティに参加するアイデンティティ、そして幸福感や満足感を味わうことができる社会活動へ積極的に参加するのも選べる選択肢の1つなのです。
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2020年9月7日 制定