ノンフィクション作家・中村淳彦の介護対談

「大介護時代」を迎えようとしている現代日本。“介護”という言葉が一般化してきた今、実際の介護現場ではどのようなことが起こっているのか？
介護を題材とした作品も多いノンフィクション作家が現場の最前線から錚々たる顔ぶれをゲストに迎える対談企画。まぎれもない介護の“リアル”をご覧ください。

介護福祉士という資格制度の始まりは家族の代行。生まれ方が不幸だった

水分をとると脳が覚醒し、意識がしっかりして会話が成り立つ

夫から語られる介護の仕事には人間の全部が入っていると思った

措置時代は、良い面も悪い面もありました

お泊りデイは事業採算という意味ではかなり秀逸なものだった

起業するなら業界で一番大きな会社を作りたかったんです

情報を先にキャッチし、その対応策をお伝えできる

自然に反発する矛盾が今の介護の混乱を生んでいる

介護事業所が地域を支えるわけでなく、住民の集合体で地域はできている

やっぱり介護業界は普通の業界とは違うと感じた

介護側と医療側が適切な情報交換ができる関係性がつくれることが必要

必要な人にだけサービスを提供するという方針転換が始まっている

医療介護は病院や施設で面倒を見るのではなく、在宅へという流れがある

健康寿命を伸ばすのは、社会とのつながりを増やさないと実現しない

介護の現場に大人が使って楽しい楽器がない

救急医療から慢性疾患医療、そして介護に、銀座から地方へという大きな流れで取り組んできた

利用者様との距離がだんだんと近くなるとマナーがおろそかになる

自分が経験してきたことを、もっと生かせないかなって思って、介護エンターテイナーを名乗るようになった

”介護職は常に仕事をすべき”という意識が業界の常になっていた

外国人介護職から刺激を受ける部分はたくさんある

数十年前に比べると、介護施設の質は向上した

小さくてもいいから課題を乗り越える機会を学生に与えるべき

外からは見えないたくさんの問題に介護者は喘いでいる

病気の苦痛は人それぞれ。身体的に、精神的に、様々なアプローチで痛みを緩和する

福祉が農業を救い、農業が福祉のフィールドに。農福連携で、超高齢社会の新しいかたちを作りたい

施設と地域を隔てる壁を壊したのは、ベルリンの壁を意識したパフォーマンス思想

仕事をキチンとやったら、介護の仕事は楽しくなる。僕は若い人たちをキラキラさせたい

バリアフリーは確かに増えたけれど、外出先での知識や工夫がないととても乗り切れない

労働条件の交渉相手は企業だけではなく介護業界も。さらにいえば国も対象に

まずリーダーが自分自身が変わらないと。自分からの変革がないと、下につく介護職員も変わらない

多くの人に介護が身近になってもらいたかった

国は本当に効果があるサービスに財源・資源を配分しようとしている

８月に放送されたテレビ番組では予想を遥かに超える反響があった。でも、介護に関わる多くの人たちが思っていることを言っただけ

2018年に介護保険法と介護報酬が改正される。利用者の自己負担の割合が増えていくのは決定的

「怒り」の感情は負の連鎖を生む。職員が苛々していると、患者さんや利用者さんも苛々して悪循環に

介護業界は課題だらけ。あらゆることが順調ではないというのが現状

幼稚園みたいなレクリエーションとか夏祭りとかを、みんなでやることに違和感を覚えていた

現状の介護ロボットは、すぐに現場で使えるかと言えばそうではない

親子が歩み寄るところからいい関係性が生まれる。大きくとらえれば、その積み重ねが世の中をよりよいものに変えていくと思う

事業者や介護職は、クレームや無理難題を押しつけてくる“モンスター・ファミリー”に苦しんでいる

重労働、低賃金みたいなアピールばかりのマスコミ報道にはマイナスが多い。これでは介護職に就きたい人も増えていかない

最低賃金を割っていることに介護職本人たちが気づいていない。早急に手を打たないと、入居者の命も危険

IT化の効果は、時間を作れること。僕はその時間を高齢者や障害を持つ方のために熟考して欲しいと思っています

現場にかかわる人たちが、もっとリーダーシップを発揮できるような環境を作りたい

介護事業の原則として、コンプライアンスとリスクマネジメントができる人材を育てる組織にしなければならない

妻が正社員を辞めると、１億～１億7,000万円の損失。働く女性を応援すれば１億円以上は持ってきてくれる

やるべきなのは支配ではなく、中核症状に働きかけること。介護職ができることは環境を作ること、それがケア

“介護で一番”と言ったって、何が一番なのかわからないし。だから僕は、目の前の仕事で結果を出していくことから始めました

認知症とか要介護高齢者に対して、負の感情を爆発させると悲惨な結果になる（山口）

僕は昔、「虐待のカリスマ」と呼ばれてた。今は「自立支援のカリスマ」。時代は変わったよね（笑）

介護に関わる社会福祉法人は経営的な感覚を身につけなければならない（高室）

介護業界が人手不足にあえぐ中、人材を集められる辻川さんは介護経営者が目指すべき一つの形