頭でっかちで認知症のケアはできない

こういった認知症についての訓練に参加していると、「家族が認知症になっても、家の中に閉じ込めてはいけない」と思い込んでしまいがちです。

ですが、そういうふうには思い込まないようにね。自分を責めないようにしていただきたいんです。

木曜和田劇場第19回のキャプチャー1

頭でっかちで認知症のケアはできません。やっぱり現実の問題が付きまとってくる。

「無理なものは無理!」というぐらいに割り切って、介護してくだされば良いんじゃないかな。

こうやって「認知症月間」と称して先進的な取り組みをしている地域ほど、現実とのギャップに苦しんでいく。

一生懸命取り組んできた分だけ、自分の立場になったときに縛られちゃうことが起こりがちです。

認知症になっても人として生きていく社会は、覚悟がいる社会

認知症になっても人として生きていく社会っていうのは、やっぱりそれなりに覚悟がいる社会です。

その覚悟を社会の中に根付かせていくには、まだまだ大変な時間がかかる。

そこまでは認知症の方には申し訳ないんですけれども、建物の中に閉じ込められることもあろう。薬で押さえつけられることもあろう。縛り付けられることもあろう。

それを「まったく駄目だ」とは言い切れない。言い切れない現実が、やっぱり、あります。

木曜和田劇場第19回のキャプチャー2

今でも施錠して閉じ込めている施設はいっぱいありますし、そのことを責めることはできません。

ご家族の気持ち、職員さんの気持ち、そして市民の皆さんの気持ちを少しずつ着地させていきながら、折り合いをつけていきながら、社会が動いていくんだと思います。