山口県には介護職志望者向けの支援が多数存在!修学・就職の資金援助や職場体験を実施
山口県では介護の仕事にチャレンジしたい方や、すでに介護職として働いている方を対象としてさまざまな取り組みを行っています。
その中心となるのが山口県社会福祉協議会です。
山口県社会福祉協議会は、福祉人材センターを設置して介護職に関する各種イベントや就労支援を行っています。
「介護の仕事に興味があるけど職場の雰囲気がよくわからない…」
そんな悩みをお持ちの方におすすめなのが「福祉の職場体験事業」です。
この事業では、半日・1日のコース選択が可能で、職場体験を通して介護や福祉の仕事に実際に携われるほか、介護職についてより一層理解できるようになります。
また、山口県社会福祉協議会は求職者と介護事業者をマッチングさせることにも力を入れています。
就職斡旋はもちろんのこと、「福祉のしごと就職フェア」を開催して求職者と介護事業者が直接コミュニケーションを取れる場を提供しています。
2023年度は80以上の法人や事業所が参加し、オンラインも含め求職者との面談などを行いました。
求職者と介護事業者との距離を縮める貴重な機会として、今後の継続が期待されています。
さらに、同協議会は、介護や福祉関連の職場で実際に働くことを決めている方に直接的な支援をおこっています。
そのひとつが福祉マンパワー事業の一環として行われている「介護福祉士修学資金等貸与事業」です。
介護職未経験の方が国家資格の介護福祉士を取得するには養成施設に2年間通わなければいけません。
その修学資金を総額で最大168万円まで無利子で貸し付けてくれる制度です。
養成施設を修了後、社会福祉士として登録したのちに山口県内の介護事業所などで5年以上勤務すれば、貸付された資金の返還が全額免除されます。
経済的な理由で介護職をあきらめている方にはうれしい事業のはずです。
また、すでに介護職として勤務している方には「介護福祉士実務者研修受講資金貸付」で研修受講費用を最大20万円まで貸付を行っています。
また、一度介護職から離れた潜在介護職員の方の再就職を支援するため、「介護人材再就職準備金貸付制度」を用意。
こちらは、準備金を最大40万円まで貸し付けています。
どちらの制度も無利子で、山口県内での2年間の勤務実績によって返還が全額免除されるので、活用する価値の高い制度です。
山口県の介護職の有効求人倍率は全国的にも低い数字
※福祉人材センター・バンク「令和4年度 福祉分野の求人求職動向」、厚生労働省「一般職業紹介状況」を元に作成
※統計ごとに母数は異なる
日本が本格的な超高齢社会に突入し、高齢化は依然として進行。
山口県も高齢者の数が右肩上がりで増加しています。
全国的にも介護職関連の有効求人倍率は高く、2022年のデータによると、全国平均は4.23倍でした。
一方、同年の山口県の有効求人倍率は1.89倍になっています。
この数字は中国地方5県のなかでは5番目に位置し、全国平均よりも大きく下回っています。
この数値だけで考えると、山口県内で介護関連職に就くのは中国地方のほかの地域よりも難しく感じるかもしれません。
しかし、2022年のデータでは、山口県の全職業を合わせた有効求人倍率は1.58倍でした。
この数字をみてみると、介護職関連の有効求人倍率がわずかながら上回っています。
つまり、山口県内で働く場合は、ほかの職業を選ぶよりも介護職のほうが就職しやすいと言えるのです。
今後も県内の高齢者数は上昇を続けることは確定的。
今から介護職に就き、山口県の支援を受けながら資格取得をしてキャリアアップを実現すれば、数年後には現場の中心となって活躍することができるでしょう。
また、介護の現場といえば労働環境が過酷というイメージがありますが、昨今はその傾向がなくなりつつあります。
実は介護職員の離職率は、ここ数年でどんどん低下しているのです。
2005年の時点で比較してみると、介護関連の職業を合わせた離職率が20.2%だったのに対して、2015年には16.5%まで下降。
2022年には離職率が14.4%まで下がり、2005年と比べると5%以上も離職率が下がっています。
これは介護の現場が働きやすくなりつつあることの現われだと言えるでしょう。
山口県の全人口の3人に1人を65歳以上の高齢者が占め、介護職の活躍が期待される
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
日本の総人口は減少傾向にありますが、山口県も同様に1985年の約160万人をピークとして減少の一途を辿っています。
2005年には約149万1,000人と150万人を下回り、2015年には約139万6,000人と140万人を割り込みました。
そして、2020年時点では、総人口は約134万2,000人にまで落ち込んでいるのです。
その主な原因は0歳~14歳までの年少人口の減少です。
1981年に35万6,533人だった年少人口は、20年後の2001年には20万9,799人になり、さらに2018年には16万0,922人、そして2020年には15万3,608人と、80年代と比べると半数以上減少しています。
一方、年少人口に反して増加しているのが65歳以上の高齢者人口です。
1981年に18万9,548人だった高齢者人口ですが、1991年には25万8,749人になり、2001年には40万4,694人と年少人口の2倍近くに膨らんでいます。
そして2018年には46万4,755人となり、増加傾向が続いていました。
高齢者人口の増加は2020年ごろから横ばいの状態が続いていますが、人口減少に伴い、高齢化率は上がり続けています。
山口県の高齢化率は1981年の時点で11.9%でしたが、1991年には16.5%になり、2001年には22.9%、2018年には34.0%を超え、2020年には34.27%と、3人に1人は65歳以上の高齢者という状況です。
ちなみに、WHO(世界保健機構)では高齢化率が21.0%以上になると「超高齢社会」と定義していますが、山口県は2000年代当初にすぐに超高齢社会となったと言えるのです。
また、これだけ高齢者が増えると、当然ながら高齢者のみの世帯も増えていきます。
山口県の一人暮らしの高齢者世帯は、2015年の約8万7,000世帯でしたが、2020年には約9万4,000世帯にまで増加しています。
2015年の時点で一般世帯に対する一人暮らしの高齢者世帯の割合は、高知県に次いで全国で2番目に高かったのですが、今後もこの状態は続きそうです。
ここまで高齢者が増加すると、やはり気になるのが、それを支える支援体制。
介護職員の需要と供給のバランスをみてみると、2015年には双方ともバランスが取れていました。
しかし、2020年には需要側が3万343人である一方、供給側が2万7,891人と、介護士の不足数は2,452人に上ります。
さらに2025年には介護士の不足数は3,709人にまで広がると考えられており、しばらくは求職者側の売り手市場が続く見込みです。