高崎市は介護職員だけでなく、介護事業者を支える取り組みにも積極的
高崎市では介護職員が気持ちよく働ける環境を整えるため、さまざまな取り組みを行っています。
そのなかでも、介護職員の方に直接関係ある制度として見逃せないのが、群馬県が用意している資格取得のための費用の無利子貸付。
特に「介護福祉士修学資金貸付事業」は就職前の未経験者でも利用できる制度で、介護福祉士の資格取得のための修学費用を無利子で借り受けることが可能です。
介護士資格取得後に5年間、高崎市を含めた群馬県内の介護施設などで働くことで、貸付金の返還義務がなくなるのです。
また、介護の現場で働き始めている方は「介護福祉士実務者養成研修受講資金貸付事業」を利用できます。
こちらは介護職員初任者研修の上級資格である介護福祉士実務者研修の受講費用を無利子で20万円まで借りることができるというもの。
この制度の場合は、県内か市内で2年間働くことで、借りた費用を返還する必要がなくなります。
このほかにも、すでに介護職を離れた方が復職を目指す際のサポートも行っています。
こちらは復職に向けてかかる費用について無利子で貸付ける制度ですが、やはり2年間の継続勤務で返還する必要がなくなるのです。
いずれも新たなチャレンジをしようとする介護職員を資金面でバックアップする制度。
お金を心配することなく、資格取得や復職に取り組めるのは大きな魅力だと言えるでしょう。
これから初めて介護職を目指す方、すでに介護職としてのキャリアのある方のどちらをも支援することで、高崎市はこれからの高齢者中心の社会を支える人材の育成に取り組んでいます。
高崎市は要介護認定率の上昇が顕著で、介護の担い手となる職員の採用が進んでいる
※総務省統計局「統計ダッシュボード」、日本医師会「地域医療情報システム」、
群馬県「令和4年群馬県移動人口調査結果(年報)」を元に作成
高崎市の総人口は1975年の段階で32万3,403人でしたが、その後、少しずつ上昇を続けて、1995年には35万人を突破して35万3,879人、 2017年には37万4,707人にまで増加しましたが、2023年には減少に転じ36万8,154人となっています。
全国的な急速な人口減少を考えるとやや健闘していると思えますが、決して少子高齢化が進んでいないわけではありません。
高崎市の高齢者人口を見ると、1975年は2万9,683人でしたが、2000年には6万1,955人と倍以上に膨らみ、2015年には9万7,466人、そして 2022年にはついに10万人を突破して10万5,573人にまで増えています。
このような高齢者人口の増加に伴い、高齢化率も上昇しています。
高崎市の高齢化率は、1975年にはわずか9.2%でしたが、2000年には17.3%、2015年には26.3%、そして2022年には28.5%にまでアップしているのです。
2025年には29.2%となると見込まれ、およそ3人に1人が高齢者になると考えられています。
また、当然のことながら高齢者が暮らす世帯も増え続けているのです。
2000年頃には高齢者が暮らす世帯は32.4%でしたが、 2015年には41.3%にまで上昇し、高齢者の一人暮らし世帯や高齢者夫婦のみの世帯数も右肩上がりの状況が続いています。
高齢者の一人暮らし世帯は2000年には全世帯の17.1%でしたが、2015年には25.0%に到達。
また、高齢者夫婦のみの世帯は2000年には全世帯の20.5%でしたが、2015年には25.3%と25%を突破しました。
つまり、 2015年には高齢者だけが暮らす世帯が、全世帯の半数以上占める結果になったのです。
これだけ高齢者世帯が増えたことから、高崎市では在宅での介護を支える仕組みや緊急時に高齢者を受け入れる施設の整備など、さまざまな課題と向き合うことになりました。
また、高齢化率の上昇に比例し、要介護認定者数も増えています。
2000年には6,328人だった要介護認定者数は15年後の2015年には3倍近くの1万6,068人に増加し、2022年には1万7,679人になっています。
以上の事実を踏まえて考えると、高崎市では介護職員の需要が今後ますます高まっていくと考えて良いでしょう。