福島市は資格取得の助成金と介護報酬改定で職員不足の改善をはかる
福島市では、介護職員に対するさまざまなサポート制度が用意されています。
例えば、介護支援専門員資格・主任介護支援専門員資格の支援や、介護報酬改定で給与面はもちろん職場環境の改善を図り、人材の定着化を目指しているのです。
ここでは、それぞれの支援制度について詳しく紹介していきましょう。
まずは、「介護マンパワーアップ支援事業助成金」について。
これは、市内で介護サービスを提供する事業所・地域包括支援センターを運営する法人が、介護職員の介護支援専門員資格・主任介護支援専門員資格取得のための経費を負担した場合、市が事業所や法人に助成金を交付するものです。
対象経費の上限は、介護支援専門員資格取得者1名(6万円)、主任介護支援専門員資格取得者1名(4万円)、1事業所あたり10万円までとなっています。
事業所側からすると、市から補助金で小さな負担で介護職員をスキルアップさせて、必要に応じてさまざまな仕事に従事させられるようになります。
一方、職員側としてもお金をかけることなくスキルアップして仕事の幅を広げていくことができます。
事業所側、職員側に双方にとってメリットのある制度のため、今後もこの制度が活用されていくことが期待されています。
福島市の高齢化率は30.0%でプロの介護人材の獲得は各事業所の最大ミッション
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「福島市人口ビジョン」
福島市では、1920年から人口が右肩上がりに伸びてきましたが。1955年から1970年までの高度経済成長期に、人口の伸び率が一時的に鈍化しました。
その後、1970 年代からの安定成長期、1980年代後半から 1990年代前半までのいわゆるバブル経済期まで人口が増加し続けました。
しかし、福島市の人口は、2001年に29万8,319人まで増加していましたが、その後は減少の一途を辿っています。
2012年に28万5,873人だった総人口が2015年には28万5,060人、2020年には27万5,966人と推移。
人口はやや減少傾向にあるものの、目立った増減はなく横ばい状態が続いているのです。
年齢3区分別人口でみると、年少人口が年々減少する一方で老年人口は年々増加しており、2000年以降は老年人口が上回っています。
生産年齢人口は、1995年をピークに減少傾向となりました。
高齢化率の推移は全国平均とほぼ同じですが、福島市では高齢者数が年々増加。
2012年の高齢者人口は7万212人で高齢化率は24.6%、 2017年には高齢者人口は8万人を超えて高齢化率は28.4%,、2020年には高齢化率が30.0%と30%台に到達となりました。
福島市の高齢化率を地区別にみると、最も高いのは土湯温泉町地区の55.3%で、5人に1人は高齢者という数字です。
一方、最も低いのは杉妻地区の23.9%で、地区によって数字の変化が激しく、市内でも地域差がある状況です。
また、要介護認定者数は、1万6,674人で2017年10月時点の認定者数1万5,936 人と比較して約4.6%増加していますが、2018年3月以降、「介護予防・生活支援サービス」を利用することが可能となったことから、認定者数は増加しているものの要介護認定率はほぼ横ばいとなっています。
4人に1人以上が高齢者という状況のなか、福島市では介護予防や高齢者福祉に力を入れ、歳を重ねても暮らしやすい街をつくろうと動いています。
認知症高齢者への対応、地域の連携づくりを含め、介護職員の拡充をベースとした基盤構築は今後の重要な課題と言えそうです。