いわき市は介護福祉士や生活援助サービスの志望者向けの支援を実施
いわき市では、生活援助サービスに従事する人向けの研修に力を入れています。
多様な支援のなかから、まずは「いわき市生活援助サービス」従事者養成研修を紹介しましょう。
これは、市が開催する研修を修了した方が洗濯、掃除などの生活サービスを提供するというもの。
このための研修は、3日間×5時間=15時間行う必要があり、研修の際にテキスト代などは不要です。
このサービスの目的は、今後ますます介護人材の不足が懸念されることから、介護人材のすそ野を広げ、より専門的な支援を必要とする方へ専門職が集中できる体制づくりを目指すことです。
特に資格などは持っておらず、介護関係の仕事に就きたいと考えている方は、まずはこのような無料の研修で介護について学び、そのうえで就労を目指すのも一つの方法ですよ。
続いて、「在宅医療出前講座」を紹介しましょう。
これは、住み慣れた地域でできる限り生活が継続できるよう、在宅医療や健康維持について理解を深めるきっかけとして、病院や地域の診療所の医師が公民館などへ出向き、講演を行うというものです。
ちなみに、この口座への参加費は無料で、事前申し込みなども要りません。
最後に、「社会福祉事業従事者研修」をご紹介しましょう。
これは、社会福祉事業に従事する職員に対して専門的な知識・技術を高めるための各種研修を行うものです。
この研修を行う目的は、質の高いサービスの提供のために、高い専門性と豊かな人間性を備えた、資質の高い福祉人材の養成・確保することです。
ここまで紹介してきたように、いわき市には介護職員に向けたさまざま研修制度が充実しています。
このような研修に参加してスキルアップをしていきたいと考える方にとって、いわき市は絶好のエリアとなっています。
ちなみに、いわき市のホームページを見ても、高齢・介護のカテゴリーも高齢者サービスのページには、家族介護用品給付事業や訪問理美容サービス事業など、11項目が掲載されていて、高齢者に対して支援が充実していることがよくわかります。
いわき市の高齢化率は30.7%まで上昇する一方で支え手の供給が不足する
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「いわき市高齢者保健福祉計画」
いわき市の人口は、1958年の35万4,744人を第一のピークとして、1971年まで年々減少傾向にありました。
その後は第2次ベビーブームなどを背景に増加し、1990年に35万5,812人となり、第一次ピーク時の人口を更新、1994年には36万0,111人となりました。
その後1998年に36万1,934人となり、10月としては過去最高となります。
しかし翌年から減少傾向をみせ、2011年は東日本大震災の影響などで前年から8,000人以上の人口が減少したのです。
2021年は、東日本大震災直後と比べて人口減少が緩和されたものの、引き続き減少傾向がみられます。
ここで、2021年のいわき市の人口を、年齢区分別に見てみると、年少人口(0~14 歳)は3万6988 人、生産年齢人口(15~64 歳)は18万3,579 人、老年人口(65 歳以上)は9万8,461人でした。
年齢区分別構成比の推移をみると、年少人口の割合は年々低下しているのに対し、老年人口は上昇を続け、2000年にはついに年少人口の割合を上回ってそれ以降も拡大を続けています。
また、生産年齢人口も前年から2,982 人減少し、18万3,579に縮小しています。
このように、いわき市の総人口は減少傾向であるのに対し、高齢者人口は増加傾向をみせているのです。
高齢化率を見ると、2020年の全国平均は27.9%、福島県の平均は30.7%、いわき市の高齢化率は30.7%でした。
いわき市の高齢化率は全国平均を上回っていますが、市内では地区によって高齢化の状況が違います。
一番高齢化率が高いのは田人地区の49.4%で、次いで高いのは川前地区の48.0%。
反対に、一番高齢化率が低いのは小名浜地区の26.8%で、地区によってかなり差があります。
高齢化率を地区別にみると、すべての地区で(5年前)2015年から高齢化率が上がっており、そのなかで最も高齢化率が上がったのは、田人地区の7.4ポイント、次いで三和地区の7.1ポイント、川前地区の6.1ポイントとなっています。
また、高齢者が増加するのと同様に後期高齢者の数も増加しており、2005年の3万7,074人から2020年には4万9,512人となっています。
高齢化の波が押し寄せているなか、いわき市は介護予防や重度化防止対策、介護支援サービスの充実を目指し、介護人材の獲得に積極的に乗り出しています。