旭川市は就労のマッチング支援やキャリアアップのための各種研修などを実施
旭川市では、福祉や介護の仕事に関心がある方に職場体験の機会を提供しています。高校生以上であればだれでも申し込み可能で、1人あたり10日以内の範囲で体験可能です。
これから介護職を目指す方にとって、介護の仕事を肌で感じることができる機会があるのは喜ばしいことでしょう。
また、福祉人材センターを通して、介護の仕事がしたい求職者と介護人材を求める事業所とのマッチング事業なども実施しています。
また、旭川市では、介護職員の労働環境や給与面などの処遇の改善にも積極的に取り組んでいます。
介護施設や事業所に対して人材育成や確保に関する問題の解決に向けたアドバイスを行ったり、介護職員が実務者研修を受講する際に発生する代替職員の人件費などを補助したりしているのです。
また、介護資格の取得サポートとして「介護福祉士修学資金等貸付事業」を展開しています。
介護福祉士等修学資金貸付事業では、介護福祉士の養成施設に通い、北海道内の介護施設や社会福祉施設などで働く意思のある方に対して、修学資金を無利子で貸付しています。
就職前に介護福祉士資格を取得したい方には非常に役立つ事業だと言えるでしょう。
また、「再就職準備金貸付事業」は、介護職として1年以上の実務経験があり、一定レベルの介護知識や経験を持っている方が復職を目指す際の準備金を無利子で貸し付ける制度です。
子育てなどがひと段落して、再び介護職員として頑張りたいと思うなら、ぜひとも利用したい制度です。
このように旭川市では、多角的に介護人材確保のための施策を打ち出しています。
旭川市の高齢化率は35.09%%で3人に1人の高齢者を支える手が不足
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「第7期旭川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(平成 30 年度~平成 32 年度)」(旭川市)
旭川市は、北海道内で札幌市に次ぐ人口規模を誇ります。
総人口は市制が施行された当初は6万人程度でしたが、1955年から始められた近隣町村との合併により、1970年には30万人、1983年には36万人を超えました。
それから2005年頃まで36万人台が続きましたが、2008年に35万5,855人まで落ち込み、その後緩やかに減少を続けています。
2020年の総人口は32万9,306人と、少子高齢化による自然減や転出超過による社会減などによる旭川市の総人口の減少傾向はしばらく続く見込みです。
また、旭川市は2014年の時点で高齢者人口がすでに10万人を突破し、高齢化率は1990年の国勢調査では11.6%だったものが、2005年には20%を超えて22.2%に至りました。
2010年には26.5%、2015年にはついに30%を超えて31.8%、2023年には35.09%に達し、全国平均を上回る状況が続いています。
旭川市の高齢者人口と高齢化率はしばらく右肩上がりを続ける見込みで、2035年には高齢化率は39.3%を超え、3人に1人が高齢者という時代になると予想されています。
このようなことから市では長期的な介護政策に取り組む必要があり、それを支える介護職員の需要も高まるであろうと予想されます。