「介護職員処遇改善加算」などの申請サポートや「こうち介護カフェ」を開催
全国的に少子高齢化が進んで介護の需要が増えるなか、高知市でも介護体制の見直しや介護職員の確保・育成に取り組んでいます。
例えば、介護事業所に対して「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の申請をサポートするなどして、より働きやすい環境づくりを進めているのです。
「介護職員処遇改善加算」は、「介護職員処遇改善交付金」の代わりとして2011年から実施され始めた制度です。
具体的には、介護事業所が介護職員のキャリアアップ・スキルアップを促進したり、働きやすい環境づくりに取り組んだりした場合、介護職員の賃金改善を目的とする交付金が支給されます。
介護職員処遇改善加算には3つの区分があり、設けられている要件がどれだけ達成されているかで交付される金額が変わります。
また、「介護職員等特定処遇改善加算」、「介護職員等ベースアップ等支援加算」それぞれの要件も満たせば、交付額はアップします。
つまり、介護職員が働きやすい職場になればなるほど交付金の額が多くなり、それだけ介護職員へも還元されるということです。
高知市ではこのような国が定める制度も活用しながら、介護環境の向上に取り組んでいます。
ほかにも、高知市は「こうち介護カフェ」という介護職員同士がつながり合えるイベントを不定期ながら開催しています。
このイベントは、高知市内で働く介護職員の方が中心となって行います。
そこでは、介護職を志望する学生や、介護の資格を持つ人などが集い、高知市の介護の現状を学んだり、これからの高知市の介護について話し合ったりされるのです。
介護職員になったとき、勤務する施設以外の現状や情報を得ることは、通常そう多くはありません。
しかし、このようなイベントを通じて横のつながりができれば、介護現場についての知識をつけ、働くうえでの視野を広げていくこともできるでしょう。
また、介護関連の資格取得したい人は、高知県社会福祉協議会が運営する支援制度の利用を検討してみるのをおすすめします。
資格取得の支援制度には、「介護福祉士等修学資金貸付制度」「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」「離職介護人材再就職準備金貸付制度」などがあります。
「介護福祉士等修学資金貸付制度」は介護福祉士、または社会福祉士を目指す方に、そのための修学資金を無利子で貸し付ける制度です。
また、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」では、介護福祉士実務者研修の受講資金を最大20万円まで無利子で貸し付けています。
「離職介護人材再就職準備資金」では、何らかの理由で現在介護職員として働いてない、いわゆる潜在介護士の方の復職に向けた資金面のサポートをおこなっています。
こちらも条件さえ満たせば、最大20万円まで借り受けることができる制度です。
いずれの制度も一定の条件を満たせば、借り受けた費用の返済義務がなくなります。
経済的な理由で一歩が踏み出せない方の後押しをする制度だといえるでしょう。
2020年の高齢化率は29.4%!2040年には37%を超える見込み
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
高知市の総人口は1995年には32万1,999人でしたが、2000年には33万654人となって33万人を突破しました。
その後、人口は2008年の34万4,653人でピークを迎えました。
しかし、その後人口は減少を続け、2020年には32万6,545人と33万人を下回りました。
しばらくはこの現象傾向が続き、2035年には30万人を下回ると予想されています。
また、高知市の高齢化率は2004年までは全国平均よりわずかに高い数値を推移していましたが、その後は全国平均が高知市を上回り、しばらくはそのような状態が続きました。
2011年には高知市も全国平均も高齢化率が23.3%で並び、その後は高知市の高齢化率が全国平均を逆転して、2020年には29.37.0%にまで伸びています。
高知市の高齢化率は2025年に31.33%、2040年に37.3%にまで上ると予想されており、このまましばらく上昇傾向が続く見込みです。
また、65歳以上の高齢者人口も右肩上がりの推移を続けています。
2025年に高知市の高齢者数は10万人を超えると見込まれ、その後はしばらくその水準を維持すると考えられているのです。
2010~2025年までの間で高齢者人口は2万人以上増えると考えられていますが、その大部分は75歳以上の後期高齢者が占めるであろうと考えられています。
このように、高知市もほかのエリア同様、高齢者人口は増えて、そのなかでも後期高齢者の数がどんどん膨れ上がると予想されているのです。
逆に0歳から14歳までの年少人口や15歳から64歳までの生産年齢人口は一気に減少すると考えられています。
また、後期高齢者になると要支援・要介護認定を受ける方がおのずと増加。そのために、介護保険サービスの利用者も増加すると予想されます。
およそ3人に1人は高齢者という事態に対応するべく、高知市では介護保険サービスなどの高齢者福祉サービスの充実を図り、サービス全体の体制を整える取り組みをしています。
高知市ではその対策の一環として、介護体制の見直しや介護職の新たな人材を確保する必要性に迫られているのです。
高知市は、これから介護職を目指す方には就職しやすい環境が整っています。