生活支援員の養成目的の講習や就職相談会などを実施
西宮市は兵庫県の南東部にある、人口約48万人の中核都市です。
ここでは、介護現場で働く方や就労希望者向けに、西宮市で行われている支援事業をご紹介します。
まずは、「介護予防・生活支援員養成研修」です。
2017年の介護保険法改正をきっかけに、西宮市でも介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)が始まりました。
それまで全国一律の基準で実施されてきた、介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)と介護予防通所介護(デイサービス)を、市の事業として実施することになったのです。
そこで、西宮市では新たに「家事援助限定型訪問サービス」(※介護保険制度のもと、高齢者の自宅に訪問し、家事を支援するサービス)を実施し始めました。
介護保険サービスとしての掃除や買い物は、それまで訪問介護員が担当していました。しかし、「家事援助限定型訪問サービス」の導入により、養成研修を受けた「介護予防・生活支援員」が家事を実施できるようになったのです。
研修は全3日間12時間の講義形式で、無料で受講できます。
次に、「介護就職デイ 就職相談&面接会」をご紹介します。
ハローワーク西宮と西宮市が共同で、介護の仕事に就労したい方に向けて開催している就職相談会、および面接会です。
資格や介護職経験の有無に関わらず、無料で参加できます。事業所の担当者と直接話すことができるので、現場に関する疑問や不安を抱えている方は、参加を検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、「介護職再就職支援講習」をご紹介します。
西宮市では、今は離職しているが、もう一度介護の仕事をしたい方向けに、「介護職再就職支援講習」を行っています。
ブランクがある方、介護の資格を持っているが介護現場での就労はしたことがないという方などを対象に、介護技術や介護知識を再確認できる内容となっています。
2023年の高齢化率は24.4%!全国平均よりは低いが高齢化は進行中
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画」
西宮市は、阪神・淡路大震災の影響により1995年には人口、世帯数ともに一旦落ち込みましたが、その後は一貫して増加傾向にあります。
西宮市は、阪神間のちょうど中間地点に位置しています。
総人口は2018年2月には48万8,158 人でしたが、その頃をピークとして減少に転じます。2023年2月時点では、48万3,856人になりました。
西宮市の年齢3区分による人口構成をみると、老年人口(65 歳以上)の割合が増加し、生産年齢人口(15~64 歳)の割合は減少しているのです。
また、西宮市の高齢化率は2023年2月時点で、24.4%です。
全国平均は29.1%、兵庫県の平均は29.3%ですので、西宮市は比較的高齢者の割合が少ないと言えます。
しかし、高齢化が進行していることは明らかです。2013年には20.3%、2018年には23.2%でした。10年間で、高齢者が「約5人に1人」から、「約4人に1人」の状態に変わりました。
少子高齢化は西宮市でも確実に進行しているのがわかります。
また、2018年の調査では、後期高齢者数は5万5,030人、人口に対する比率は11.3%でした。それが2023年の調査では6万4,226人、人口の13.3%です。
5年間で、75歳以上の高齢者だけでも、市内で1万人弱増加したということです。
一般的に、後期高齢者の方は、要支援・要介護状態になる可能性が高くなります。
実際に、要支援・要介護認定者数も、2018年の1万9,851人から、2023年には2万2,944人まで増加しています。
介護サービスの利用者は今後も増えていき、介護職員の需要はますます拡大していくでしょう。
ちなみに、高齢者人口の増加率(2015 年の高齢者人口を1.000とした場合)は平均を上回っており、2015年から2019年までの増加率は、全国平均の1.060に対し、西宮市は1.067でした。
このことから高齢化率は低めですが、急激に高齢者数が増えているということになります。
西宮市の将来人口についてはすでに減少に転じていますが、今後も減少が続くと見込まれています。
それに伴い、高齢化率は、2040 年には 34.8%になると予測されています。
特に、ひとり暮らし高齢者数は増加し、2040 年には3万4,853 人になることが予測されています。