生活援助サービスの仕事をしたい人向けの研修や、認知症を学べる支援がある
八尾市は、介護にまつわる知識やスキルを身に着けたい方に対してさまざまな支援を行っています。
ここでは、その支援の詳細をそれぞれご紹介していきますね。
まずは、「八尾市生活援助サービス従事者研修」をご紹介しましょう。
これは、高齢者の日常生活における買いものや掃除・調理といった家事援助の仕事に携わる人を養成する研修です。
この研修を受講した人が、実際に市が指定する介護事業者のもとで仕事に就くことを想定されています。
ちなみに、この研修は全4日間で、必要なのはテキスト代の500円のみ。
本格的な資格を取得するための研修などに比べて、研修期間も短く必要な費用も安いため、介護・福祉関係の仕事につくことに興味がある方は、このような研修制度を利用してみてはいかがでしょうか。
次に、「認知症サポーター養成講座」をご紹介しましょう。
これは、認知症の方やその家族を見守る「認知症サポーター」の人を要請するための講座です。
「認知症サポーター」になっても、特別なことをやる必要はありません。
日常生活のなかで認知症の人と出会ったときに、その人の尊厳を損なうことなく、適切な対応をするための知識を学ぶことができます。
続いて、「認知症介護実践研修」をご紹介しましょう。
これは、介護職員向けの、認知症にまつわる事の実践的な研修が行われるものです。
認知症介護技術の向上や認知症介護の専門知識を深めることを目的としています。
例えば、認知症の方の食事・入浴・排泄などの介助方法や、認知症の方へのアプローチ方法など、さまざまな知識を学ぶことできます。
ちなみに、ここまでご紹介してきたような介護関係者に対する支援ではありませんが、高齢者の方向けの活動も八尾市では積極的に行われています。
例えば、「シルバーリーダー養成講座」という講座が開かれているのです。
この講座によって、65歳以上の人の知識・教養の向上を図るとともに地域活動に携わる人を増やすことになります。
この参加費は無料です。
このような活動によって人間関係のつながりが生まれるため、高齢者の方が孤立しないような社会づくりに一役買っているのです。
2020年の高齢化率は28.3%!高齢者がいる世帯の多さが特徴
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
八尾市の人口は、2020年時点で、26万4,642人となりました。
年齢3区分別人口をみてみると、0~14歳の年少人口が3万1,874人(12.04%)、15~64歳人口の生産年齢人口が15万5,480人(58.75%)、65歳以上の老年人口が7万4,907人(27.4%)となっています。
つまり、2020年時点で市民の4人に1人以上が高齢者という状況だったのです。
高齢者が多いということは、それだけ介護職員の需要の大きさにもつながりますね。
八尾市の生産年齢人口は1995年にピークを迎え、その後減少に転じました。
また、年少人口は年々減少を続けている一方で老年人口は年々増加を続けています。
2001年からは年少人口を上回りました。
それに伴い、当然要支援・要介護者が増加しており、それに対する支援が求められています。
ちなみに、将来推計によると、要支援・要介護認定者は2021年度から2023年度までに毎年500人程度増加し、2025年度には2021年度の1.1倍程度に増加するとみています。
八尾市では介護保険サービスに対する需要の増加に対応できるよう、対策を進めていますが、今後、さらなる高齢化により、一人暮らしや高齢者のみの世帯が増えることが見込まれているのです。
最後に、八尾市の世帯数に着目して、八尾市の状態について考えてみましょう。
八尾市の世帯数は増加の一途をたどっています。
2015年には総世帯数が11万414世帯になりました。
その内、高齢者のいる世帯は4万8,550世帯で総世帯数の44.0%を占めています。
高齢者のいる世帯の内訳をみると、三世代同居世帯は減っており、一人暮らしの高齢者と高齢夫婦世帯は増加中です。
この事態に着目して、高齢者のいる世帯への支援体制を強化していくことは急務と言えるでしょう。
例えば、高齢者と高齢者以外の世帯がいる場合、仕事と介護、場合によっては育児などを両立させなければならず、非常に忙しい生活になることが考えられます。
また、高齢者の一人暮らしは孤立の原因となりえます。
そして社会からの孤立は、認知症を進行させてしまう要因にもなりかねません。
ほかにも、高齢者夫婦のみがいる世帯では、高齢者が高齢者を介護する「老々介護」という事態になりかねません。