介護人材を確保するために様々な取り組みや喀痰吸引などの研修受講への補助金制度を実施
松江市では、日常生活に役立つ介護知識や介護職として必要な技術を学ぶ「介護の入門的研修」を開催しています。
これは、介護人材のすそ野を広げ、福祉・介護サービス事業や地域活動を支える人材を育成することを目的に実施されています。
対象は、介護職への就業予定または就業希望がある人だけでなく、介護に関わる機会があり、基本的な知識や技術を学びたい人などです。
2023年度では、4日間にわたって行われ、受講料は無料。
「訪問型サービスA従事者養成研修」との同時開催となり、入門的研修に調理実習を追加受講すると、訪問型サービスA(身体介護を含まない在宅サービス)に従事することができます。
また、介護のPRとして「近未来の介護 働きやすい職場づくりへの挑戦」をテーマに介護職場の未来をみんなで考えるイベントが開かれました。
2023年11月に行われたこのイベントは、医学博士・認定作業作業療法士による「職業病」に着目した介護分野における健康経営に関する講演や、見守りセンサーや介護支援システムなどのICT機器等の展示などが行われました。
またパネルディスカッションでは、「あなたにとって働きやすい職場とは?」というテーマでディスカッションされ、介護事業所の職員だけでなく、福祉に関して学んでいる学生も参加し、情報交換や交流の場となったようです。
参加は無料、事前予約も不要だったということで、介護に関して興味を持っている方でも、気軽に参加ができるイベントでした。
松江市内では、介護人材を確保するために、気軽に参加できる様々な催しを随時開催しています。
また、松江市は市内の事業所を対象として、島根県や登録研修期間が行う喀痰吸引等研修のテキスト代や保険代を含んだ受講費を補助する「喀痰吸引等研修事業費補助金」があります。
申請されて受諾された場合、第1号研修、第2号研修では6万円、第3号研修では3万円を上限として受講費の半分までを補助金を受けることが可能です。
2023年の高齢化率は30.39%!特に美保関では47.95%と高齢化の進行が著しい
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
松江市の総人口は2023年3月時点で19万6,748人となっており、このうち65歳以上の高齢者は5万9,795人で、高齢化率は30.39%となっています。
同年の全国平均の高齢化率は29.1%となっており、松江市の高齢化率は全国平均よりわずかに高めだということができるでしょう。
総人口や高齢者の推移を見ると、1983年時点からの13万4,662人から2004年には14万7,665人になるなど、以前から増加傾向が続いていましたが、2005年に行われた鹿島町、島根町、美保関町、八雲村、玉湯町、宍道町、八東町の合併が行われたときに人口が大きく上昇。
その後も増加を続け、ピークの2013年には20万6,235人となりましたが、その後は減少に転じています。
高齢者人口と高齢化率では1983年の1万4,178人の高齢化率10.5%から、ともに上昇を続け、2004年には高齢者人口が2万9,946人で高齢化率は20.3%と2割を突破し、翌年の合併で高齢者人口が4万3,109人、高齢化率は22.3%と一気に高齢化が加速しました。
その後、人口と高齢化率は増加の一途を辿っています。
公民館区別の29地区で見ると、高齢化率が最も高いのは美保関の47.95%、最も低いのは川津の23.05%となりました。
高齢化率が40%となっている公民館区は、美保関以外には本庄、大野、秋鹿、鹿島、島根の5つとなっており、30%台の公民館区は12と、半分以上が30%以上となっています。
人口1万人を超える公民館区6つのうち、高齢化率が31.82%となっている古志原伊賀以外はすべて高齢化率が20%台となっており、地域によっての差が大きい状況です。
将来の予測では、松江市の人口は2025年に19万8,604人、その後2035年には18万8,234人、2045年には17万5,485人と、ペースを上げながら人口の減少は継続。
対して、高齢者人口は2025年に6万3,306人と6万人となり、その後2035年には6万4,403人、2040年には6万6,032人とピークを迎えると推測されています。
高齢化率では2030年に33.05%となることが推測され、3人に一人は高齢者に。
その後2040年には36.27%と、高齢化率も上昇する見込みとなっています。