浜松市は介護の資格取得に対して奨励金を交付
浜松市では、介護職員への支援として「介護職員キャリアアップ支援事業」を行っています。
これは、市内の介護保険サービスをする事業所や施設に介護職員として勤務している人を対象とし、新たに介護関係の資格を取得した際に奨励金を交付するというものです。
奨励金の交象対象者となるのは次のような要件を満たした人です。
- 初任者研修、実務者研修あるいは介護支援専門員更新研修、生活援助従事者研修、主任介護支援専門員研修を修了してから1年以内
- 市内の介護保険サービス事業所で継続して3ヵ月、週20時間以上介護職員として勤務し、申請時に勤務を継続している(介護支援専門員研修の場合は、市が指定する北区の一部、および天竜区の居宅介護支援事業所、あるいは介護予防支援事業所で同様の条件)
- 国や県、公的機関などから受講料の助成を受けていない
- 市税を滞納していない
申請は必要書類を市長へと申請することで行い、受諾された場合には生活援助従事者研修で最大2万5,000円、初任者研修では最大5万円、実務者研修では最大8万円、介護支援専門員研修では最大10万円、介護支援専門員更新研修では最大4万円、認知症介護実践者研修では最大2万円、認知症介護実践リーダー研修では最大4万円の奨励金が交付されます。
また、浜松市では過去に事業者を対象とした支援として、「要介護度改善評価事業」と「介護の担い手外国人支援事業」を行っていました。
「要介護度改善評価事業」は、浜松市内において被保険者に介護サービスを提供していて、申請日から過去2年以内に被保険者の介護度や心身の状態が改善又は維持した事例(要介護度が改善した、介護度は改善していないが状態が改善している、悪化が見込まれる利用者について状態維持ができた事例)がある事業所が対象です。
これは、申請を行った事業所の改善したケースについて評価し、最優秀賞では20万円、優秀賞には10万円、優良賞には5万円などの奨励金が交付されるという内容でした。
「介護の担い手外国人支援事業」は、経済連携協定による介護福祉士候補者である外国人の受け入れを希望する事業者に対して、求人申込手数料、あっせん手数料、初年度の滞在管理費、日本語研修の一部負担金などの半分を助成金として交付。
さらに、介護福祉士候補者となる外国人に対して、日本語や日本文化、マナーなどに対する学習支援と、受入施設に対しサポートも行っています。
浜松市は後期高齢化率の急上昇で介護職員の採用強化に乗り出している
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「浜松市“やらまいか”人口ビジョン 」(令和2年改訂版)
2022年時点での浜松市の総人口は79万3,615人で、2008年の82万5,810人をピークとして、毎年減少を続けています。
そのうち65歳以上の高齢者は22万5,154人で、高齢化率は28.4%となっています。
男女で見た場合、高齢者の男性は10万1,025人で高齢化率は25.5%、高齢者の女性は12万4,129人で高齢化率は31.2%でした。
また、75歳以上の後期高齢者人口は、11万9,593人で、全体の14.1%を占めており、高齢者のうちおよそ半数が後期高齢者という状況になっています。
0歳から14歳までの年少人口は、9万8,758人で全体の12.44%、15歳から64歳の生産年齢人口は46万9,703人で全体の59.19%となっています。
つまり、年少人口の2倍強の高齢者人口を抱えているのが浜松市の現状です。
区別に見ると、7区中5区が30%以下であるなか、最も高齢化率が高い天竜区は46.7%と群を抜いた高齢化率となっています。
逆に、最も高齢化率が低いのは東区の26.2%でした。
また、最も高齢者人口が多いのは中区の6万3,868人で、2位東区の3万4,074人と比べて倍近くの人数。
一方で最も少ないのは、高齢化率が最も高い結果となった天竜区の1万2,311人でした。
ここで浜松市の今後の予測を確認しましょう。
浜松市「やらまいか」人口ビジョンによると、浜松市の人口は2025年に77万377人、2030年には74万9,419人、2035年には72万5,919人と減少を続け、2040年には69万8,518人と70万人を割り込むという推計がなされています。
一方で、同資料における高齢化率の推計では、2025年に30.1%と3割を突破し、その後2030年には31.5%、2035年には33%と3人に1人が高齢者となる見込み。
2040年には35.8%に達するとされており、高齢化にさらなる拍車がかかる見通しです。
また、後期高齢化率は2025年に16.8%、2040年には18.0%となると推計されています。
このように、高齢化率・後期高齢化率が上昇し続ける浜松市では、今後も介護人材の需要が高まり続けると考えて間違いないでしょう。