「リハビリテーション専門職派遣事業」や認知症カフェへの助成などの支援を実施
鳥取市では、介護事業所や介護に関わる人への、地域を巻き込んだ支援事業を実施しています。
例えば、事業者等を対象にした「リハビリテーション専門職派遣事業」を行っています。
これは、リハビリテーション専門職を、地域の高齢者コミュニティや地域包括支援センター、介護事業所などに派遣し、必要な支援を行うものです。
例えば、コミュニティを運営する高齢者のグループなどには、介護予防につながる運動プログラムの指導、あるいはグループの活動への助言などを行います。
また、介護事業所や地域包括支援センターに派遣された際には、リハビリや福祉用具選定などについて指導する、ケアプラン作成時にアセスメントに協力する、などの支援を行ってくれます。事業所内に、適切な専門職が勤めていないという場合にも、この支援制度を利用すれば、介護の質を高めることが可能なのです。
なお、この支援は無料で受けられますが、1事業所あたり1年度に2派遣までの利用です。
また、派遣される講師との調整をする関係上、希望日の2ヵ月前までに申し込むことが望ましいとされています。
ほかにも市内では「オレンジカフェ」と呼ばれる認知症カフェが複数、運営されています。また、新たに認知症カフェを運営しようとする法人、あるいは個人に対しては鳥取市から補助金を受けられます。
要件を満たしたうえで申請し、受諾された場合には運営経費として年12回を上限として1回あたり最大5,000円が支給され、初年度には開設経費として2万円の交付をうけられます。
ほかにも鳥取市では「認知症サポーター養成講座」や、「認知症に関する出前講座」なども行っており、リハビリや認知症に対する支援が充実した都市だと言えるでしょう。
2022年の高齢化率は30.2%!特に南部地域で高齢化が顕著
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
「鳥取県人口ビジョン」(鳥取市)
2022年3月末時点での鳥取市の人口は18万3,645人でした。
このうち、高齢者人口は5万5,464人で高齢化率は30.2%となっています。
なお、2023年9月時点では、高齢化率の全国平均は29.1%となっています。調査時期のずれはありますが、概ね全国平均と同等、あるいはそれ以上の高齢化率となっていると言えるでしょう。
また、2022年3月末での鳥取市の後期高齢者人口は2万7,419人となっており、高齢者人口の半数以上が後期高齢者ということになります。
高齢者の半分以上が後期高齢者のため、鳥取市では高齢者のなかでの高齢化が進行しつつあると言える状況です。
人口の推移では、2004年の11月に周辺の岩美郡や八頭郡、気高郡が編入してピークを迎えました。同年12月には20万2,115人でしたが、その後減少傾向が続いています。
また、同年同月の高齢者人口は4万1,737人となっており、高齢化率は20.8%でした。
このピーク時の2004年12月から2022年3月末までに、人口は1万8,000人以上の減少、高齢者人口は、1万3,000人以上の増加となっています。
このように、急速に高齢者人口は増加し、高齢化率も上昇しつつあるのです。
将来の予測では、今後も人口減少傾向は続いて総人口は2025年に17万9,706人、2035年に16万4,624人となると推測されているのです。
また、高齢者人口は2030年の5万7,436人まで増加し続け、それをピークに減少すると予測されています。
さらに、高齢化率は2045年には36.8%と、2~3人に1人以上が高齢者という状況になる見通しです。
同時点での全国平均の高齢化率は3割を超えると言われてますので、全国平均を上回るペースで高齢化が進むこととなります。
今後も、全国平均と同等に、あるいはそれ以上に、高齢化が進んでいくと考えられているのです。