潜在的な介護人材の職場復帰や、ひとり親家庭の就職への支援が充実
久留米市では超高齢社会に対応するべく、介護人材の確保と育成に取り組んでいます。
介護業界の課題のひとつとなっているのが、すでに介護職としての経験があったり、介護資格を取得している、いわゆる潜在介護士の掘り起こしです。
潜在介護士の方のなかには結婚や出産、育児のためにやむなく介護職から離れた方もたくさんいます。
そんな方が「もう一度、介護の現場で働きたい!」と思ったときに、スムーズに職場復帰できるようにすることが大切です。
そのため久留米市では、潜在介護士の方には福岡県社会福祉協議会が主催する「介護のお仕事復帰セミナー」という無料セミナーへの参加をすすめています。
このセミナーでは、介護の基本的な動作から実践的な動きまでを再確認する他、就職希望者に対しては就職支援専門員が相談に乗ってくれます。。
介護資格を持っている方でも、数年のブランクがあると現場復帰することには不安があるものです。
その不安を少しでも和らげるために、久留米市ではこのようなセミナーへの参加をすすめているのです。
また、久留米市で職場復帰をするなら、同じく福岡県社会福祉協議会が主催する「離職した介護人材の再就職準備金貸付制度」を利用することもできます。
こちらの制度は福岡県内で職場復帰を希望する元介護職員の方を対象に、再就職準備金を無利子で貸し付ける制度です。
再就職するにあたってかかる費用を最大40万円まで借りられるほか、再就職後に2年以上久留米市を含めた福岡県内の介護施設などで働けば、借り受けた準備金の返済が全額免除されます。
久留米市で介護職への復帰を望む方なら、ぜひとも利用したい制度ですね。
ほかにも、ひとり親のための支援である「ひとり親家庭自立支援給付制度」も用意されています。
この制度は、介護資格を取りたいにもかかわらず経済的なゆとりがない方のための支援です。
そのような方向けに、この支援制度では介護職員初任者研修などの講座の受講費用を補助しています。
子どもがまだ小さいから長期間の修学ができなかったり、金銭的な余裕がないために資格取得をあきらめたりしている方には大いに役立つ制度だといえるでしょう。
加えて、これまで久留米市では働きながら介護職員初任者研修の取得を目指す方のサポートをおこなったり、介護職の魅力を若者に伝える「学生と介護職との交流会」などをおこなってきました。
このような介護の現場をさまざまな角度から応援している久留米市は、これから介護職を目指す方におすすめの自治体です。
2023年の高齢化率は27.9%!総人口の減少と高齢者人口の増加が続く
出典:「久留米市人口ビジョン」(久留米市)
久留米市の総人口は1994年に30万375人と、はじめて30万人を突破。
その後は2004年の30万6,020人をピークにしばらく減少が続いたものの、2012年には30万5,470人と上昇へ転じました。
その後は増加が続き、2017年には30万6,419人にまで達しました。
しかし、現在では再び減少に転じ、2023年10月時点では30万1,654人となっています。
その一方で高齢者人口は増えており、久留米市の高齢化は着実に進んでいます。
久留米市の高齢者人口は2012年の段階で6万8,528人でしたが、翌年の2013年には7万人を突破して7万1,077人になりました。
その後も上昇傾向が続き、2015年には7万4,464人、2023年には8万4266人にまで増加しています。
久留米市の高齢者率の推移をみてみると、2015年には24.8%、2023年には27.9%となっており、4人~3人に1人が高齢者という状況が続いています。
さらに2030年ごろには30.1%、2040年ごろには32.5%まで上がると予想されています。
ちなみに高齢者人口を男女別でみてみると、他の地域と同様に男性よりも女性の人口のほうが上回っています。
2020年の久留米市では男性の高齢者人口が3万3,470人、女性の高齢者人口が4万6,581人という状況でした。
しばらくはこの傾向が続き、2025年には男性の高齢者人口が3万6,123人、女性の高齢者人口が4万9,352人となって、女性の高齢者人口が大きく増えると見込まれています。
さて、ここで久留米市の高齢者を前期高齢者(64歳から74歳まで)と後期高齢者(75歳以上)に分けてみてみましょう。
前期高齢者人口も後期高齢者人口も、ともに増加しており、しばらくはそのような状態が続くと考えられていますが、今後は前期高齢者は減少に転じていく見込みです。
これはいわゆる団塊の世代と呼ばれる高齢者が2025年ごろにはすべて75歳以上になるためで、その後は後期高齢者が一気に増える見込みです。
さらに要介護・要支援認定者数も増えています。2021年4月時点で、1万6,000人以上が認定を受けています。
そのため、久留米市では介護体制の見直しが近々の課題となっており、それを支える介護職員の確保や育成にも力を入れています。
これから介護職を目指す方にとって久留米市は、魅力的なエリアだといえそうです。