宇都宮市は認知症介護の実践研修や介護職員処遇改善を実施
高齢化が進むにつれて、認知症の高齢者の数も増加傾向にある宇都宮市。
認知症高齢者数は2015年時点で1万222人でしたが、2019年には1万1,707人まで増加しました。
今後も認知症高齢差者は増え続けると予測されていることから、グループホームの増設と介護する家族へのサポートが重要視されているのです。
以下では、このような状況にある宇都宮市が介護関係者に行っているサポートを紹介していきましょう。
まずは、「認知症介護実践研修」についてです。
これは、認知症介護の実践研修で、受講できるのは、介護保険施設・事業所などに勤務する介護職員かつ、原則身体介護に関する基本的知識・技術を習得している実務経験2年ほどの人。
この研修の受講料は1万5000円です。
認知症高齢化数が増加し続ける現状で、認知症についての知識をさらに深めて仕事に生かしたいと考える介護職員はこの研修への参加を検討することをおすすめします。
ほかにも、宇都宮市による支援についてみたときに欠かせないのが「宇都宮市社会福祉協議会」によるサポートです。
これは、ともに支えあい助け合う「向こう三軒両隣型」の地域共生社会を目指し、すべての人が安全に安心して暮らせる福祉の街づくりに取り組むもの。
例えば、一時的に車椅子を必要とされる高齢者のために車椅子の貸出や、65歳以上の寝たきりの高齢者に理美容出張サービスの出張補助券交付、70歳以上一人暮らし高齢者へ毎日安否確認を行うふれあい訪問事業などを行っているのです。
宇都宮市の高齢化は進行度が低いものの、今後を見据えた介護人材獲得が課題
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「人口統計情報(宇都宮市)」(各年9月末現在)
栃木県の総人口は、2005年の約202万人をピークとして減少に転じる一方、宇都宮市の総人口は過去50年以上増加していました。
2008年には初めて50万人を超え、2018年に過去最高の52万407人を記録。ただ2021年以降は徐々に減り始め、現在は51万人台で推移しています。
また、人口増減率は,鈍化傾向が続き,平成2年以降で最も低い増減率となっています。
今後は全国的なトレンド同様、宇都宮市も人口減少に転じるものと予想されます。
このよう状況のなかで、65歳以上の高齢者の数は年々増加しています。
国勢調査の年齢別人口の推移を見ると、2010年には9万8,939人だった老年人口が、2018年には12万9,853人と約3万人も増加しています。
反対に、年少人口と生産年齢人口は減少傾向にあり、2010年はそれぞれ7万1,418人、33万1,324人だったものが、2020年には6万5,253人、30万7,157人となっています。
年少人口(0歳~14歳)は減少を続け、生産年齢人口(15歳~64歳)は2005年の34万2,480人をピークに減少へと転じています。
続いて、宇都宮市の高齢化率についても見てみましょう。
年齢人口調査結果によると、2010年の宇都宮市の高齢化率は19.5%となっており、全国(23.1%)や県(22.0%)よりも低い状態でした。
宇都宮市の総人口は以前よりも増加していますが、第2次ベビーブームで生まれた45~49歳人口の割合が高く、今後も高齢化率は毎年増加していきそうです。
また、一人暮らしの65歳以上の世帯は増加しています。
1人暮らし65歳以上人口(世帯)は22,945人(世帯)いて、10年前と比べ、男性は2倍増、女性は1.5倍増となっています。
宇都宮市は65歳以上男性の約7人に1人,女性の約5人に1人が1人暮らしという状況です。
また、宇都宮市の高齢化率は2025年には26.6%、2040年には31.8%になるとの推計も。
3人に1人以上が高齢者という超高齢社会の到来に向け、宇都宮市は認知症の高齢者や家族に対するケアや、高齢者の孤独死などを防ぐさまざまな高齢化対策を推進しています。