契約社員の求人について
介護業界の契約社員とは
契約社員の仕事内容は基本的に正社員と変わりませんが、事務的な仕事は少なく、食事顔所や入浴介助、排せつ介助などの身体介護、食事の準備、レクリエーション活動、施設の清掃などが主な業務になります。
勤務態度などが 評価されれば正社員に登用される施設もあるため、経験が少ない人は契約社員からスタートして正社員を目指すのもよいでしょう。
また、契約社員の期間も介護業務の実務経験にカウントされるので、介護福祉士などの資格を取得しやすくなります。
ただし、正社員と違って昇給や賞与がなかったり、長期休暇を取りづらかったりする場合もあるので、応募する前にしっかり確認しましょう。
介護業界で契約社員で働くメリット
どのような仕事にも言えることですが、実際に働いてみないとわからないことがたくさんあります。
その点、正社員よりも契約期間が決まっている契約社員のほうが転職しやすく、スタートを切りやすいと言えます。
また、契約社員として長く働きたい人は、同じ施設や事業所で5年以上働けば無期契約社員になれる制度を利用するとよいでしょう。
契約を切られる不安がなくなるため、介護職としての中長期の目標を立てやすくなります。
介護情報の発信や介護関係のイベントに積極的。介護職員への支援も充実。
兵庫県では兵庫県社会福祉協議会が中心となって、これから介護職を目指す方や、すでに県内の介護施設などで介護職員として活躍している方のサポートを行っています。
ちなみに社会福祉協議会とは、行政と連携しながら地域福祉が円滑に機能するようにさまざまなアプローチをしている民間団体のことです。
兵庫県社会福祉協議会は福祉人材センターで求職者と企業とのマッチングを行ったり、職業相談や就職に関係するさまざまなイベントを開催したりしています。
具体的には「福祉体験学習事業」や「福祉のしごと職場見学ツアー」などを通して実際の福祉の現場を知ることや、不定期に「介護に関する入門的研修」を行うことなど。
また、2018年には「第1回福祉の就職総合フェアin HYOGO」が開催され、介護・福祉の事業者と求職者が直接顔を合わせる場所が提供されました。
好評だったことから2019年には第2回も開催され、今後も継続されることが期待されています。
兵庫県社会福祉協議会ではこのようなイベントを通して、福祉や介護に興味がある方が必要とする情報を発信しています。
また、介護関連の資格取得を目指す方への支援も行っています。
「介護福祉士・社会福祉士修学資金貸付事業」では、介護福祉士もしくは社会福祉士の養成施設に在学し、修了後に各資格を有して兵庫県内の介護施設などで働くことを希望する方に対して、修学資金を貸し付けています。
修了後、実際に5年以上兵庫県内の施設で働いた場合は、借り受けた修学資金の返還が免除されます。
国家資格である介護福祉士や社会福祉士を実質無料で取得できるので、これから介護職を目指す方は活用してみることをおすすめします。
また、すでに介護職として働いている方に対しては「介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業」として、介護福祉士実務者研修の受講料を貸し付けています。
さらに兵庫県では潜在的な介護士(資格は持っているものの介護士として働いていない人)の掘り起こしにも力を入れていて、「介護職員等再就職準備金貸付事業」では、出産や育児などで一度介護職を辞めた方の復職を支援しています。
介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修など、一定の資格や経験がある方を対象とする事業ですが、再就職のための準備資金が無利子で借りられるのは心強いのではないでしょうか。
どちらも県内の介護施設で2年以上働けば返還が免除されるので、経済的な理由でキャリアアップをあきらめている方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
介護関連職の有効求人倍率は今後も右肩上がりと予測される
出典:厚生労働省 更新
有効求人倍率というのは求職者1人あたりに対する求人件数のことで、一般的にはこの有効求人倍率が高ければ高いほど就職がしやすいと考えられています。
全国的に介護関連職はこの有効求人倍率が高く、どのエリアもすべての職業を合わせた有効求人倍率の数値を上回る傾向にあります。
つまり、それだけ介護職員にはなりやすいと言えるわけですが、これは兵庫県にも当てはまっています。
2017年の兵庫県内の全産業の有効求人倍率は1.00倍でした。
つまり、求職者1人に対して求人件数は1件だったわけですが、それに比べて介護職は3.18倍と1人に対して3件ほどの求人がありました。
このデータだけをみても、兵庫県の介護現場の人手不足ぶりが理解できるでしょう。
また、同年の全国の介護職の有効求人倍率は3.15倍でしたから、兵庫県の3.18倍はほぼ全国平均並みだったといえます。
兵庫県の介護職の有効求人倍率は翌年の2018年には3.71倍に推移していることや、高齢者人口の増加を考えると、今後も右肩上がりの傾向が続くと予想されます。
このように、全国的に少子高齢化が進んでいる影響もあって、介護職員が不足していることは事実です。
しかしこれは、介護職に3K(きつい、危険、きたない)のイメージがあり、求職者が少ないからだと思われる方もいるかもしれません。
以前はそのような理由から求職者から敬遠されていたこともありますが、いまは時代も変わり、介護現場の労働状況は改善しつつあると考えて良いでしょう。
それは離職率の低下をみてもよくわかります。
例えば、2007年の全国の統計データでほかの職業全体と介護関連職の離職率を比べてみると、ほかの職業全体の離職率が15.4%なのに対し、介護関連職の離職率は21.6%でした。
つまり、介護関連職のほうが6.2ポイントも離職する人の割合が多かったのですが、2015年になるとほかの職業全体の離職率が15%とほとんど変わらないにもかかわらず、介護関連職の離職率は16.5%にまで減少しているのです。
言い換えると、それだけ働きやすい環境が整ってきたということになります。
兵庫県の高齢化率は一貫して上昇し、後期高齢者数が前期高齢者数を上回る勢い
出典:兵庫県 更新
兵庫県の総人口は2000年の時点で555万5,740人でしたが、2005年には559万6,010人にまで上昇したものの、この頃を境に減少傾向に転じました。
2010年には558万1,330人となり、その後は毎年1万人ほど減り続けています。
2015年には553万2,477人、2017年には550万3,000人にまで減少し、2025年には約526万人にまで落ち込むと予想されています。
しかし、総人口が減少しているにもかかわらず、65歳以上の高齢者の人口は増え続けています。
2000年の時点で93万9,950人だった高齢者人口は、2005年になって100万人を突破して110万8,564人。
その後も増加の一途をたどり、2015年には1,50万1,342人、2017年には155万8,000人にまで推移しました。
今後も総人口の減少とは対照的に高齢者人口は伸び続けると予想され、2030年には約160万人に達すると見込まれています。
総人口が減少する一方で高齢者人口が増加していることから当然、高齢化率は上昇しているのです。
2005年には19.2%だった兵庫県の高齢化率は2010年には22.4%、2015年には26.3%にまで上昇し、2019年には28.4%と30%にまで間もなくという数値にまで達しています。
また、65~74歳の前期高齢者人口と75歳以上の後期高齢者人口の推移をみてみると、2015年の時点では前期高齢者が79万9,150人で後期高齢者が71万4,270人、2017年には前期高齢者が79万2,000人で後期高齢者が76万6,000人と後期高齢者人口が前期高齢者人口を超える勢いで迫っています。
今後、団塊の世代が後期高齢者になることを踏まえると、後期高齢者人口が前期高齢者人口を上回るのも時間の問題だと言えそうです。
高齢者人口に比べ、0~14歳のいわゆる年少人口は2010 年の76万1,000人から2040 年には約6割の47万2,000人にまで減少し、15~64 歳のいわゆる生産年齢人口は2010 年の353万7,000人から2040年には約7割の250万1,000人にまで減少すると予想されています。
以上のことから兵庫県では近い将来、高齢者を支えるはずの若い世代が少なくなることで介護の担い手がいなくなり、介護職員不足が深刻化すると考えられているのです。
このような状況は今後、介護の世界に未経験でチャレンジしようとしている方にとっては大きなチャンスとなるはずです。
兵庫県の求人動向 お役立ちデータ集
職種別の平均賃金
|
月給の平均 |
時間給の平均 |
訪問介護員 |
203,778円 |
1,249円 |
サービス提供責任者 |
252,372円 |
1,229円 |
介護職員 |
221,331円 |
999円 |
看護職員 |
285,180円 |
1,641円 |
介護支援専門員 |
262,575円 |
1,257円 |
生活相談員または支援相談員 |
255,837円 |
1,149円 |
労働者の賞与の有無と平均額
|
賞与の有無(%) |
平均賞与(円) |
有り |
無し |
無回答 |
全国 |
70.1 |
12.2 |
17.6 |
572,079 |
兵庫県 |
75.2 |
11.0 |
13.8 |
662,429 |
労働者の平均年齢
労働者の保有資格
|
保有率(%) |
介護福祉士 |
40.8 |
介護職員初任者研修 |
38.1 |
実務者研修 |
4.0 |
介護支援専門員 |
9.3 |
看護師・准看護師 |
15.3 |
PT・OT・ST等 |
4.4 |
社会福祉士 |
1.8 |
管理栄養士・栄養士 |
1.9 |
その他の資格 |
5.2 |
無資格 |
5.5 |
従業員の過不足の状況
|
過不足の割合(%) |
大いに不足 |
不足 |
やや不足 |
適当 |
過剰 |
訪問介護員 |
35.0 |
29.2 |
25.5 |
10.2 |
- |
サービス提供責任者 |
8.4 |
10.9 |
15.1 |
63.9 |
1.7 |
介護職員 |
12.7 |
20.9 |
34.8 |
31.6 |
- |
看護職員 |
8.2 |
13.5 |
25.9 |
50.0 |
2.4 |
生活相談員 |
1.7 |
5.0 |
10.9 |
81.5 |
0.8 |
PT・OT・ST等 |
8.0 |
6.9 |
16.1 |
67.8 |
1.1 |
介護支援専門員 |
2.4 |
9.8 |
13.4 |
73.8 |
0.6 |
離職防止や定着促進への取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
66.7 |
残業を少なくする、有給休暇を取りやすくする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
49.6 |
職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている(定期的なミーティング、意見交換会、チームケア等) |
48.1 |
非正規職員から正規職員への転換の機会を設けている |
45.9 |
能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している |
44.1 |
悩み、不満、不安などの相談窓口を設けている(メンタルヘルスケア対策を含む) |
37.8 |
賃金水準を向上させている |
36.7 |
仕事内容の希望を聞いて配置している |
41.5 |
業務改善や効率化等による働きやすい職場作りに力を入れている |
30.4 |
能力開発を充実させている(社内研修実施、社外講習等の受講・支援等) |
32.2 |
経営者・管理者と従業員が経営方針、ケア方針を共有する機会を設けている |
30.7 |
健康対策や健康管理に力を入れている |
27.8 |
キャリアに応じた給与体系を整備している |
30.4 |
福利厚生を充実させ、職場内の交流を深めている(カラオケ、ボーリングなどの同好会、親睦会等の実施を含む) |
30.7 |
職場環境を整えている(休憩室、談話室、出社時に座れる席の確保等) |
25.6 |
新人の指導担当・アドバイザーを置いている |
22.6 |
管理者・リーダー層の部下育成や動機付け能力向上に向けた教育研修に力をいれている |
14.8 |
職員の仕事内容と必要な能力等を明示している |
11.9 |
子育て支援を行っている(子ども預かり所を設ける。保育費用支援等) |
11.0 |
介護ロボットやICT等の導入による働きやすい職場づくりに力を入れている |
4.1 |
訪問介護員、介護職員に対する人材育成の取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
教育・研修計画を立てている |
57.8 |
採用時の教育・研修を充実させている |
27.6 |
教育・研修の責任者(兼任を含む)もしくは担当部署を決めている |
31.6 |
職員に後輩の育成経験を持たせている |
32.4 |
自治体や、業界団体が主催する教育・研修には積極的に参加させる |
24.5 |
能力の向上が認められた者は、配置や処遇に反映している |
27.7 |
法人全体(関係会社)で連携して育成に取り組んでいる |
24.7 |
地域の同業他社と協力、ノウハウを共有して育成に取り組んでいる |
5.4 |
いずれも行っていない |
4.8 |
その他 |
0.2 |