契約社員の求人について
介護業界の契約社員とは
契約社員の仕事内容は基本的に正社員と変わりませんが、事務的な仕事は少なく、食事顔所や入浴介助、排せつ介助などの身体介護、食事の準備、レクリエーション活動、施設の清掃などが主な業務になります。
勤務態度などが 評価されれば正社員に登用される施設もあるため、経験が少ない人は契約社員からスタートして正社員を目指すのもよいでしょう。
また、契約社員の期間も介護業務の実務経験にカウントされるので、介護福祉士などの資格を取得しやすくなります。
ただし、正社員と違って昇給や賞与がなかったり、長期休暇を取りづらかったりする場合もあるので、応募する前にしっかり確認しましょう。
介護業界で契約社員で働くメリット
どのような仕事にも言えることですが、実際に働いてみないとわからないことがたくさんあります。
その点、正社員よりも契約期間が決まっている契約社員のほうが転職しやすく、スタートを切りやすいと言えます。
また、契約社員として長く働きたい人は、同じ施設や事業所で5年以上働けば無期契約社員になれる制度を利用するとよいでしょう。
契約を切られる不安がなくなるため、介護職としての中長期の目標を立てやすくなります。
埼玉県では介護職員に欠かせない資格取得をバックアップ
介護の仕事を始めるにあたって、どうしても取得しておきたい資格のひとつに介護職員初任者研修があります。
この資格は少し前まではホームヘルパー2級と呼ばれていましたが、取得していると介護関連の仕事を探すうえで有利だとされています。
埼玉県ではこの介護職員初任者研修の受講者を支援する「介護職員初任者研修補助金」という制度を設けています。
先着順なので、補助金を希望する方は早めに県庁のホームページを確認してみてください。
介護職員初任者研修の受講料の2分の1(上限3万円)を県が補助してくれるという制度で、介護職未経験の方でも埼玉県内の介護施設などに就職を希望しているのであれば、この制度を利用することで経済的な負担を抑えながらチャレンジできます。
また、埼玉県ではすでに県内で介護職についている方を対象に、「介護職員資格取得支援事業(研修受講料)補助金」という制度を設けています。
こちらは国家資格である介護福祉士の受講をサポートする制度で、対象者には 実務者研修でかかる受講料の2分の1(上限10万円)が補助されます。
せっかく希望通りに介護職についても、介護福祉士などの上位の資格を取らなければキャリアアップは望めません。
すでに現場で活躍している介護職の方がモチベーションアップを図れるように、埼玉県ではこのような制度を設けているのです。
さらに、埼玉県社会福祉協議会では独自に「埼玉県介護福祉士修学資金」という制度を設け、介護福祉士の資格取得にかかる修学資金を貸し付けています。
社会福祉協議会というのは、地域の福祉サービスや福祉活動の充実を図るために設立された民間団体のことで、各都道府県・市区町村に設置されています。
補助金ではなく、将来返すことが前提になりますが、資格取得までの経済的な負担をできるだけ抑えたいというのであれば、こちらの制度を利用することをおすすめします。
ほかにも埼玉県社会福祉協議会では「埼玉県潜在介護職員再就職準備金貸付」という制度を設けて、潜在介護職員の再就職支援を行っています。
これは結婚や出産、育児などを理由に介護の仕事から離れてしまった方が、もう一度現場に復帰しやすいように就職準備金を貸し付ける制度です。
貸付を受けるには介護職員初任者研修をはじめ、訪問介護員1級・2級、介護福祉士などの介護にかかわる資格を有し、1年以上対象の事業所に在籍かつ180日以上の介護業務の実績などが必要ですが、経済的な理由で一歩が踏み出せない潜在介護職員の方には心強い制度となっています。
このように埼玉県では介護職員を目指す方、すでに介護職員として働いている方を支援するためにさまざまな取り組みが行われています。
埼玉県の介護関連職の有効求人倍率は、高齢者の増加に伴い上昇
出典:厚生労働省 更新
高齢化が進む日本ですが、埼玉県はそのなかでも75歳以上の高齢者人口の伸び率が高く、2010年には58万9,000人で県民全体の8.2%に過ぎなかった割合が、2025年には117万7,000人と全体の16.8%になると見込まれています。
15年間で約2倍になるという予想ですが、埼玉県の高齢化率の推移を考えると、あながち間違いではないと考えられます。
そうなると、やはり求められるのが介護職員です。しかし、埼玉県の2019年2月における介護サービス業の有効求人倍率は4.97倍でした。
ほかのサービス業を見てみると、家庭生活支援サービスが3.07倍、保健医療サービスが3.84倍、飲食物調理の職業が2.81倍など、軒並み介護サービス業よりも低い数字になっています。
全職業を合わせた有効求人倍率が1.30倍ですから、いかに介護関連の企業や事業所が新たな人材を求めているかがわかります。
高齢者人口が急速に伸びている埼玉県では、それに伴い介護職員の需要が上昇しているのです。
有効求人倍率をみるだけでも、埼玉県では介護の仕事を探しやすいことがおわかりいただけると思います。
さて、有効求人倍率が高いということは、気になるのが離職率ですね。
ここ十数年はゆるやかな右肩下がりとはいえ、全国的にやはり介護職の離職率はほかの職業と比べると少し高めです。
ただ、2007年の時点でほかの職業の離職率15.4%に対し介護職は21.6%でしたが、2015年になると他の職業は15%で介護職は16.5%と、その差はほとんどなくなっています。
つまり、離職率が低下しているにもかかわらず、介護サービス業の有効求人倍率が伸びているのですから、埼玉県の介護関連の職場では新しい人材が求められているのです。
今後もこの傾向はしばらく続く予想ですが、AIなどの導入で介護の現場も変わりつつあります。
少しでも介護の仕事に興味があるなら、売り手市場の今のうちに早めにチャレンジするほうが良いかもしれません。
埼玉県の高齢化率は高く、4人に1人は高齢者という状況
出典:埼玉県 更新
埼玉県の総人口はここ数年上昇傾向にあり、2017年の総人口は730万7,579人でした。
全国的に人口が減少していることを考えると、ゆるやかとはいえ増加している埼玉県は少し珍しい県です。
その要因となっているのが高齢者人口の増加です。
2017年の時点で埼玉県内における65歳以上の高齢者の数は183万6,058人。
総人口に対する割合、いわゆる高齢化率は実に25%でした。
1990年には8.3%と一桁台だった高齢化率ですが、2000年には12.8%、2010年には20.4%と20%を上回り、2015年には24.8%となって、ついに2017年には4人に1人が高齢者という状況になりました。
高齢者人口の推移を確認してみましょう。
1990年時点では約53万人だった高齢者人口は、2000年には89万人となり、2005年にはついに100万人を突破。
そのまま右肩上がりが続き、2010年には147万人、2015年には179万人と上昇の一途をたどっています。
総務省の「国勢調査」によると、1985年からの約30年間で3倍以上に膨れ上がっていることになります。
今後、高齢者人口は、2020年に194万人、2025年には198万人、2030年には202万人と、ついには200万人を突破すると予想されています。
ここまでのデータを見ただけでも、埼玉県がいかに高齢者の多いエリアかということがおわかりいただけると思います。
では逆に64歳以下の人口はどうなっているのでしょうか。
0~14歳にあたる年少人口と、15~64歳にあたる生産年齢人口の割合は、大きく下降しています。
1985年の時点で23.5%を占めていた年少人口の割合は2017年の時点で12.6%にまで減少し、生産年齢人口は年少人口ほどではないにしても、69.3%から62.5%へと減少しています。
年少人口は1990年には120万人でしたが、2005年には99万人、2015年には91万人にまで落ち込みました。
また、生産年齢人口は、2000年の501万人をピークに下りはじめ、2010年には475万人、2015年には451万人となっています。
今後もその傾向は変わらず、2025年には424万人、2030年には408万人にまで落ち込むと予想されています。
このように埼玉県には高齢者が多く、当然介護職への需要は高くなっています。
そのため、さまざまな選択肢のなかから自分に合った職場を探すことができるでしょう。
埼玉県の求人動向 お役立ちデータ集
職種別の平均賃金
|
月給の平均 |
時間給の平均 |
訪問介護員 |
230,607円 |
1,326円 |
サービス提供責任者 |
242,533円 |
1,251円 |
介護職員 |
234,177円 |
981円 |
看護職員 |
295,742円 |
1,483円 |
介護支援専門員 |
267,283円 |
1,311円 |
生活相談員または支援相談員 |
259,871円 |
1,013円 |
労働者の賞与の有無と平均額
|
賞与の有無(%) |
平均賞与(円) |
有り |
無し |
無回答 |
全国 |
70.1 |
12.2 |
17.6 |
572,079 |
埼玉県 |
68.9 |
13.4 |
17.7 |
585,430 |
労働者の平均年齢
労働者の保有資格
|
保有率(%) |
介護福祉士 |
37.6 |
介護職員初任者研修 |
40.6 |
実務者研修 |
2.9 |
介護支援専門員 |
9.2 |
看護師・准看護師 |
13.8 |
PT・OT・ST等 |
3.4 |
社会福祉士 |
1.6 |
管理栄養士・栄養士 |
1.9 |
その他の資格 |
5.0 |
無資格 |
5.3 |
従業員の過不足の状況
|
過不足の割合(%) |
大いに不足 |
不足 |
やや不足 |
適当 |
過剰 |
訪問介護員 |
37.3 |
29.4 |
24.5 |
8.8 |
- |
サービス提供責任者 |
6.0 |
13.3 |
16.9 |
63.9 |
- |
介護職員 |
13.8 |
17.5 |
35.9 |
31.3 |
1.4 |
看護職員 |
6.3 |
14.3 |
23.3 |
55.6 |
0.4 |
生活相談員 |
1.6 |
5.4 |
12.5 |
78.8 |
1.6 |
PT・OT・ST等 |
2.1 |
7.3 |
19.8 |
69.8 |
1.0 |
介護支援専門員 |
3.0 |
6.1 |
16.4 |
72.1 |
2.4 |
離職防止や定着促進への取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
67.5 |
残業を少なくする、有給休暇を取りやすくする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
48.8 |
職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている(定期的なミーティング、意見交換会、チームケア等) |
55.0 |
非正規職員から正規職員への転換の機会を設けている |
51.2 |
能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している |
45.7 |
悩み、不満、不安などの相談窓口を設けている(メンタルヘルスケア対策を含む) |
36.0 |
賃金水準を向上させている |
35.3 |
仕事内容の希望を聞いて配置している |
34.9 |
業務改善や効率化等による働きやすい職場作りに力を入れている |
33.6 |
能力開発を充実させている(社内研修実施、社外講習等の受講・支援等) |
29.4 |
経営者・管理者と従業員が経営方針、ケア方針を共有する機会を設けている |
32.2 |
健康対策や健康管理に力を入れている |
25.6 |
キャリアに応じた給与体系を整備している |
28.4 |
福利厚生を充実させ、職場内の交流を深めている(カラオケ、ボーリングなどの同好会、親睦会等の実施を含む) |
20.8 |
職場環境を整えている(休憩室、談話室、出社時に座れる席の確保等) |
23.2 |
新人の指導担当・アドバイザーを置いている |
22.5 |
管理者・リーダー層の部下育成や動機付け能力向上に向けた教育研修に力をいれている |
16.3 |
職員の仕事内容と必要な能力等を明示している |
13.5 |
子育て支援を行っている(子ども預かり所を設ける。保育費用支援等) |
8.7 |
介護ロボットやICT等の導入による働きやすい職場づくりに力を入れている |
4.2 |
訪問介護員、介護職員に対する人材育成の取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
教育・研修計画を立てている |
47.8 |
採用時の教育・研修を充実させている |
34.6 |
教育・研修の責任者(兼任を含む)もしくは担当部署を決めている |
32.1 |
職員に後輩の育成経験を持たせている |
39.4 |
自治体や、業界団体が主催する教育・研修には積極的に参加させる |
23.8 |
能力の向上が認められた者は、配置や処遇に反映している |
33.7 |
法人全体(関係会社)で連携して育成に取り組んでいる |
28.0 |
地域の同業他社と協力、ノウハウを共有して育成に取り組んでいる |
5.3 |
いずれも行っていない |
3.3 |
その他 |
0.5 |