サービス提供責任者の求人について
サービス提供責任者とは
サービス提供責任者とは、訪問介護事業所において、サービスの利用者が適切なサービスを受けられるようにするため、提供者となる介護専門職や、利用者に対してさまざまなサポートを行う専門職です。
現場では略して「サ責」と呼ぶことが多いこの職業は、サービスの提供者と利用者の間に立ち、幅広い業務を担当することになります。
サービス提供責任者になるには
サービス提供責任者になるには、介護福祉士か、あるいは介護福祉士実務者研修修了者の資格を持つことが要件となっています。
以前は、ホームヘルパー1級課程修了者や、介護職員基礎研修修了者なども要件を満たしていましたが、2019年4月の制度改正により、これら2つは資格要件から除外されることとなりました。
そのため、現在では、研修を扱う学校などで合計450時間のカリキュラムを受講し、介護福祉士実務者研修修了者の資格を得ることが、サービス提供責任者の資格要件を満たすためには必要となっています。
仕事内容
サービス提供責任者の主な業務は、訪問介護事情所で訪問介護サービス計画の立案や作成に携わるというものです。
訪問介護サービスの利用を希望する人に対して、サービスの申込に対する調整や、利用希望者に対する面談や面接を通したアセスメントを行うことの他、「訪問介護計画書」や、「サービス提供手順書」の作成も行います。
このうち「訪問介護計画書」は、ケアマネージャーによって製作されたケアプランに従った上で、具体的にどのような介護サービスを提供するのかを記したものです。
「サービス提供手順書」は、サービスの提供者であるホームヘルパーに向けて、提供するサービスやケアの方法、利用者や家族についての留意事項などをまとめたものとなります。
これらの作成後は、実際に提供されたサービスが、利用者の心身状態にどのように貢献したのかを評価するモニタリングを行うのも業務の一つです。
また、サービス担当者会議に訪問介護事業所の代表として出席し、他の事業者との連携を担当するほか、ホームヘルパーの指導や育成、業務管理を行ったり、ホームヘルパーと共に利用者のもとに訪れる「同行訪問」を行ったりもします。
サービス提供責任者として働くメリット
今後、高齢化が進行する中で、在宅介護の需要が高まると考えられています。
そのため、それを担当する訪問介護事業所で必須とされるサービス提供責任者の需要も、同じく高まる可能性が高いでしょう。
また、様々な職種と関わる機会が多いことから、キャリアアップのための知識や経験を得やすいのも魅力です。
高齢者住宅の求人について
高齢者住宅とは
シニア向け住宅(高齢者住宅)とは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンションなど、高齢者向けの住宅物件を指す言葉です。
法的な定義があるわけではなく、扱うサービスも施設によってまちまちですが、その多くは自立状態など健康な状態で入居でき、身体状況が悪化しても介護サービスを受けることが可能となっています。
とはいえ、介護付き有料老人ホームは、手厚い介護サービスを提供しているのが特徴で、要介護度が重くなっても住み続けることができますが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では介護サービスを外部に発注することで利用し、要介護度が重くなると退去せざるを得ない場合もあるなど、施設のタイプによってかなりの差があります。
仕事内容
これらの施設での主な業務は、施設ごとにかなりの幅があるため、一概に言うことはできません。
強いて言えば、多くの施設で生活支援サービスを提供していることが共通点です。
中には介護付き有料老人ホームのように、施設自体が介護サービスを扱う施設もありますが、比較的裕福な人が利用者となるため、満足度を重視したサービスの提供を求められることが多いという傾向があります。
福祉人材センター主導の支援が充実
北海道では、北海道社会福祉協議会が運営する福祉人材センターにおいて、介護現場で働きたい人を対象とする求職者登録の受付、さらに求人情報の提供を行っています。
同センターは札幌市をはじめ、函館市、釧路市、北見市、帯広市、苫小牧市、旭川市の社会福祉協議会にも運営業務を委託しているので、最寄りの場所で登録し、情報収集を行いましょう。
また、北海道では介護職として働きたい人、既に介護職として働いている人を対象に、さまざまな支援を行っています。
そのひとつが介護分野での就職希望者を対象とする「介護技能習得支援事業」です。
これは、北海道福祉人材センターの「福祉人材バンク」で求職者登録を行えば、テキスト代以外の初任者研修の受講料について2分の1以内、最大4万5,000円の減免を受けることができるというもの。
ただ、これから介護職として働きたい方を対象とする事業ですので、既に介護施設・事業所で就業中の方は対象外です。
実際に減免を受けるには対象の指定研修事業者で受講する必要があり、事業者ごとに受講料の減免対象者数に上限があるほか、受講料の減免額も異なっているので、受講の際は事前に確認しておきましょう(2019年度以降の実施については、北海道保健福祉部福祉局に要確認)。
さらに、介護福祉士の資格取得を目指して実務者研修養成施設で学んでいる方を対象に、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業」が2015年度から行われています。
これは、実務者研修養成施設の授業料や各種実習費、教材費のほか、参考図書や学用品、さらには交通費や試験の受験手数料などの経費に対して、最大で20万円の貸付を行う事業です。
ただし「貸付」といっても、「実務者研修養成施設の卒業日から1年以内に介護福祉士に登録し、北海道内の社会福祉施設などで2年以上の介護業務に従事した場合」(卒業日に介護職としての業務経験が3年に達していないときは、3年に達した日)に、貸付金の返還は免除されます。
貸付の対象者は、北海道内にある実務者研修養成施設で学習しており、住民登録を道内の市町村でしている方で、卒業後に道内の指定施設で介護職として勤務することを予定している方です。
しかし、実務者研修養成施設を退学した場合や、卒業後1年以内に介護福祉士としての登録を行っておらず、道内で介護職として勤務していないといった場合だと、返還の義務が発生します。
既に介護人材の不足は深刻化しており外国人人材の活用も急増中
出典:厚生労働省 更新
「道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画」によれば、2017年度における道内の介護職員数は約9万2,000人で、1946~49年生まれの「団塊世代」が後期高齢者(75歳以上)となる 2025年度には約11万7,000人が必要になるとのこと。
今後8年間ほどのうちに約2万5,000人の介護職を確保することが求められますが、厚生労働省の試算では、実際のところ約1万9,000人が不足すると予想しています。
北海道内各地で既に人材不足は深刻化しています。
例えばハローワーク旭川(2019年2月期)の、パートを除く常勤者の求人・求職情報を見てみましょう。
「保育士、福祉相談員等」の月間有効求人数は228人(新規求人数は91人)なのに対して、月間有効求職者数は130人(新規求職申込件数は41人)にとどまっており、有効求人倍率は1.75倍に上っています。
さらに「ホームヘルパー・ケアワーカー」では、月間有効求人数564人(新規求人数は178人)である一方、月間有効求職者数は158人(新規求職申込件数は43人)のみで、有効求人倍率はなんと3.57倍。
人材不足の深刻化は常用パートにおいても同様です。
例えば、「保育士、福祉相談員等」では月間求人数が116人(新規求人数42人)なのに対して、月間有効求職者数は69人(新規求職申込件数は23人)で、有効求人倍率は1.68倍。
「ホームヘルパー・ケアワーカー」に至っては、月間有効求人数352人(新規求人数113人)に対して月間有効求職者数は88人(新規求職申込件数は26人)に過ぎず、有効求人倍率は4.00倍にも上っています。
このように、高齢化が進むなか、人手がまったく足りていない状況が続いているのです。
帯広市でも同様の状況となっており、同市のハローワークによれば、館内における今年1月の有効求人倍率は1.37倍ですが、介護職だけで見ると2.39倍。
平均よりも1ポイント以上も高いのです。
道内の各所町村では極度の人手不足が続いており、介護施設・事業所では、少ない職員でいかにして運営するかに苦慮する状況が将来的に続いていくとみられています。
こうしたなか、外国人人材の活用に力を入れる介護施設・事業所も増えてきました。
例えば帯広市で介護施設を運営している社会福祉法人では、ベトナムなど外国人の留学生を招いて、自施設での就職を前提とした養成学校の授業料支援を実施。
日本人の人材を確保できない分、外国人の採用を積極的に行っているのです。
現在、国・厚生労働省は介護分野の人材確保のため、外国人人材の利用を推進していますが、北海道でもその動きが今後さらに活発化していくと予想されます。
2018年の高齢化率は30%を超えており今後も上昇傾向は続く
出典:北海道 更新
北海道では少子化により年々人口が減少しています。
2010年では550万6,419人でしたが、5年後の2015年には約14万人減となる536万1,296人、そして2018年1月時点では530万7,813人でした。
将来的にもこの傾向は続くと考えられます。
例えば、団塊の世代が75歳となる2025年には約496万人、団塊ジュニアが65歳を迎える2035年には約446万人まで減少する見込みです。
その一方で、北海道の高齢者人口は年々増え続けています。
2010年では135万8,068人だったのに対し、2015年には157万4,668人、2018年1月時点には161万7,164人と年々増加。
2025年には約172万人まで増えると予想されています。
高齢化率(65歳以上が総人口に占める割合)を見ると、2010年が24.7%、2015年では29.4%、2018年1月時点では30.5%と総人口の3割に到達しました(47都道府県において、18番目に高い割合)。
今後も上昇し続ける見込みで、2025年には34.6%、2035年には38.1%、2040年には40.7%と4割を超えると試算されています。
高齢者人口自体は2025年以降に少しずつ減少しますが、総人口がそれよりも高い割合で減少するため、高齢化率自体はその後も上がっていくのです。
市町村ごとに高齢化率を見てみると、2018年1月時点で最も高いのは「夕張市」の50.8%で、以下「歌志内市」と「上砂川町」の49.6%、「松前町」の47.2%、木古内町の46.7%、三笠市の46.1%と続きます。
人口の5割以上が高齢者である夕張市は、全国的に見ても高い水準です。
一方、道内で最も高齢化率が低いのは「千歳市」の22.2%で、以下「猿払村」の23.5%、「中標津町」の24.5%、「東神楽町」と「倶知安町」の25.3%、「札幌市」の26.2%と続いています。
千歳市は、2010年の国勢調査で市民の平均年齢が41.3歳となり、「全道一若いまち」として知られていますが、他の市町村と同様、高齢化の波は押し寄せています。
「国立社会保障・人口問題研究所」が2013年に発表した将来人口推計によると、千歳市の高齢化率は2040年には31.5%に達すると予測。
千歳市では現在、高齢化対策の充実化に向けた取り組みを進めています。
また、札幌市は高齢化率こそ低めですが、高齢者人口数は他の市町村よりも突出して多い圏域です。
北海道の求人動向 お役立ちデータ集
職種別の平均賃金
|
月給の平均 |
時間給の平均 |
訪問介護員 |
180,231円 |
1,038円 |
サービス提供責任者 |
219,318円 |
1,060円 |
介護職員 |
198,976円 |
895円 |
看護職員 |
271,000円 |
1,359円 |
介護支援専門員 |
238,422円 |
1,151円 |
生活相談員または支援相談員 |
236,877円 |
1,054円 |
労働者の賞与の有無と平均額
|
賞与の有無(%) |
平均賞与(円) |
有り |
無し |
無回答 |
全国 |
70.1 |
12.2 |
17.6 |
572,079 |
北海道 |
68.3 |
12.5 |
19.1 |
511,071 |
労働者の平均年齢
労働者の保有資格
|
保有率(%) |
介護福祉士 |
42.6 |
介護職員初任者研修 |
37.9 |
実務者研修 |
5.0 |
介護支援専門員 |
8.7 |
看護師・准看護師 |
13.7 |
PT・OT・ST等 |
2.5 |
社会福祉士 |
1.3 |
管理栄養士・栄養士 |
1.5 |
その他の資格 |
6.3 |
無資格 |
5.2 |
従業員の過不足の状況
|
過不足の割合(%) |
大いに不足 |
不足 |
やや不足 |
適当 |
過剰 |
訪問介護員 |
21.2 |
29.2 |
26.1 |
22.4 |
1.2 |
サービス提供責任者 |
3.0 |
14.4 |
15.2 |
65.9 |
1.5 |
介護職員 |
14.1 |
24.2 |
30.6 |
29.4 |
1.6 |
看護職員 |
5.6 |
13.1 |
23.4 |
56.5 |
1.4 |
生活相談員 |
0.7 |
5.4 |
16.9 |
75.7 |
1.4 |
PT・OT・ST等 |
1.3 |
11.4 |
19.0 |
67.1 |
1.3 |
介護支援専門員 |
1.5 |
7.5 |
17.1 |
72.9 |
1.0 |
離職防止や定着促進への取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
65.0 |
残業を少なくする、有給休暇を取りやすくする等の労働条件の改善に取り組んでいる |
54.5 |
職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている(定期的なミーティング、意見交換会、チームケア等) |
49.7 |
非正規職員から正規職員への転換の機会を設けている |
47.6 |
能力や仕事ぶりを評価し、賃金などの処遇に反映している |
32.9 |
悩み、不満、不安などの相談窓口を設けている(メンタルヘルスケア対策を含む) |
32.1 |
賃金水準を向上させている |
36.4 |
仕事内容の希望を聞いて配置している |
28.1 |
業務改善や効率化等による働きやすい職場作りに力を入れている |
33.4 |
能力開発を充実させている(社内研修実施、社外講習等の受講・支援等) |
30.7 |
経営者・管理者と従業員が経営方針、ケア方針を共有する機会を設けている |
27.0 |
健康対策や健康管理に力を入れている |
25.4 |
キャリアに応じた給与体系を整備している |
28.1 |
福利厚生を充実させ、職場内の交流を深めている(カラオケ、ボーリングなどの同好会、親睦会等の実施を含む) |
24.1 |
職場環境を整えている(休憩室、談話室、出社時に座れる席の確保等) |
26.7 |
新人の指導担当・アドバイザーを置いている |
16.8 |
管理者・リーダー層の部下育成や動機付け能力向上に向けた教育研修に力をいれている |
13.9 |
職員の仕事内容と必要な能力等を明示している |
12.0 |
子育て支援を行っている(子ども預かり所を設ける。保育費用支援等) |
6.1 |
介護ロボットやICT等の導入による働きやすい職場づくりに力を入れている |
4.5 |
訪問介護員、介護職員に対する人材育成の取り組み
取り組みの内容 |
実施率(%) |
教育・研修計画を立てている |
54.3 |
採用時の教育・研修を充実させている |
33.0 |
教育・研修の責任者(兼任を含む)もしくは担当部署を決めている |
30.4 |
職員に後輩の育成経験を持たせている |
30.6 |
自治体や、業界団体が主催する教育・研修には積極的に参加させる |
28.7 |
能力の向上が認められた者は、配置や処遇に反映している |
26.5 |
法人全体(関係会社)で連携して育成に取り組んでいる |
21.2 |
地域の同業他社と協力、ノウハウを共有して育成に取り組んでいる |
5.2 |
いずれも行っていない |
3.0 |
その他 |
1.4 |