問題 30

中程度の老人性難聴(presbycusis)のある人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

[第29回(2017年) コミュニケーション技術]

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正解は 3

話し手の口元に注目するように促す。

1不正解
補聴器には短期間で慣れると説明する。

補聴器は雑音が大きく聞こえたり、音がゆがんで聞こえたりすることもあり、使用者の感覚に応じて細かい調節が必要です。

短期間で慣れるという説明は適切とは言えないため、不正解です。

2不正解
認知症(dementia)がある場合は、補聴器の使用を避ける。

認知症の人の場合、難聴によって会話が上手くできなくなると、人と話をする機会が減り、認知症の進行を早めるおそれがあります。

補聴器を使って意思の疎通を容易にすることは、認知症の人にとっても重要なので不正解です。

3正解
話し手の口元に注目するように促す。

難聴の方が話を理解するために、話し手の口元に注目することは適切です。

よってこの助言が正解になります。

4不正解
耳元で、できるだけ大きな声で話す。

耳元で大きな声で話すと、声が反響して正確に聞き取りにくくなってしまうので不正解です。

自分の口の動きを見せながら、ゆっくり、はっきりと話すと伝わりやすくなります。

5不正解
後ろから近づいて、静かに話しかける。

後ろから近付いて静かに話しかけても、難聴者は気付かない場合が多いです。

話しかけるときは、話し手の姿が見えるように正面から近付きます。

よって不正解です。

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ポイント解説

老人性難聴は、加齢とともに見られる聴力障害で、低音域の聴力は保たれる一方で、1kHz以上の高音域の聴力が障害される特徴があります。

高音域が聞こえにくくなる感音性難聴であることが多いので、声を低めに、はっきりと発声してゆっくりと話すことが基本です。

必要に応じて補聴器を活用することも重要です。

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