問題 29

Jさん(75歳、男性)は先天性の全盲である。これまで自宅で自立した生活をしてきたが、最近、心身機能の衰えを感じて、有料老人ホームに入居した。施設での生活にまだ慣れていないので、移動は介護福祉職に誘導してもらっている。ある日、介護福祉職がJさんを自室まで誘導したときに、「いつも手伝ってもらってすみません。なかなか場所を覚えられなくて。私はここでやっていけるでしょうか」と話してきた。

Jさんの発言への介護福祉職の共感的理解を示す対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

[第34回(2022年) コミュニケーション技術]

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正解は 4

Jさんの立場に立って感情を推し測り、言葉で表現して伝える。

1不正解
Jさんの発言にうなずく。

うなずくだけでは共感的理解とはいえません。また、全盲のJさんに非言語的コミュニケーションは伝わりません。よって不正解です。

2不正解
Jさんの発言のあと沈黙する。

沈黙することは共感的理解を示すことにはなりません。また、全盲のJさんに非言語的コミュニケーションは伝わりません。よって不正解です。

3不正解
Jさんの話の内容を短くまとめて伝える。

Jさんの話の内容を短くまとめて伝えることは、共感的理解には該当しません。よって不正解です。

4正解
Jさんの立場に立って感情を推し測り、言葉で表現して伝える。

Jさんの立場に立って感情を推し量り、その内容を言葉で表現して伝えることは、共感的理解に該当します。よって正解です。

5不正解
Jさんの気持ちが前向きになるように、励ましの言葉を伝える。

励ましの言葉を伝えることは、共感的理解とは言えません。よって不正解です。

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ポイント解説

共感的理解とは、相手の立場に立って気持ちを理解し、自分の気持ちとして共感することを言います。

発言の後にうなずくという形だけの動作や、相手に励ましの言葉をかけることは、共感的理解には該当しません。

また、共感していることを相手に表現することも大事なので、沈黙したままであったり、相手の話の内容をそのまま伝えたりすることも共感的理解には当てはまりません。

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