青森市は実務者研修に独自のカリキュラムを加えた「介護労働講習」を実施
青森市では、介護労働安定センター青森市部で介護福祉士実務者研修に独自の講習を追加した「介護労働講習」という講習を行っています。
対象者となるのは、介護分野への就職を希望する雇用保険の受給資格者の方です。
受講申請書などの必要書類を管轄のハローワークに提出することで申請し、作文や面接の結果、合格した場合は講習を受けられます。
受講料は無料ですが、テキスト代、講習保険料、健康診断料、オンライン講習の通信料等は自己負担分となりますのでご注意ください。
講習では、介護の基本となる知識、技術から喀痰吸引や経管栄養などの医療的なケアを含めた専門的な内容までを学習することができます。
また、講習中には施設の見学や、現場における実習の時間も設けられており、実践的な知識を得ることが可能です。
ほかにも、就職支援なども講習のカリキュラム内で行うなど、就職におけるサポートも充実しており、この講習を受けた場合の就職率は90%以上となっているようです。
介護福祉士の国家試験における受験要件の一つである実務者研修を、一部の自己負担金を除いて無料で受けられるのは非常に大きなメリットだと言えます。
仕事を受けながら実務者研修を受講する場合は、かなり負担が大きくなりがち。
しかし、再就職を目指す人にとっては、雇用保険の受給を受けながらしっかりと介護の知識を学ぶ機会となるため、理想的な職業訓練の一つであるとも言えるでしょう。
ただし、全科目を履修のうえ、一定の評価を得ることが修了の条件となるなど注意するべき点もあるため、受講を考える場合はしっかり確認しておく必要がありそうです。
青森市は総世帯の4割以上に高齢者が含まれ、プロの介護職の手が不足している
※出典:総務省「統計ダッシュボード」、青森市「青森市子ども総合プラン」
2023年4月時点の青森市の総人口は26万9,095人でした。
そのうち0歳から14歳までの年少人口が2万5,914人で全体の10.3%を占め、15歳から64歳までの生産年齢人口は14万4,129人で全体の57.2%、そして65歳以上の高齢化人口が8万2,081人で、高齢化率は32.6%となっています。
同年の全国平均での高齢化率は29.1%であることを考えると、青森市は平均よりもいくぶん高齢化が進んでいる都市となっています。
また、青森市では、2000年に人口が31万8,732人になったのをピークとして、それ以降は減少し続けています。
1995年時点では、総人口が31万4,917人、そのうち年少人口は5万2,655人で全体の16.7%、生産年齢人口は21万7,122人で全体の67.9%、高齢者人口は4万4,491人で高齢化率は14.1%となっていました。
それから20年の間に、人口は2万7,000人以上、年少人口はおよそ1万9,500人、生産年齢人口がおよそ4万5,000人減少するなかで、高齢者人口は2倍弱の増加を見せており、高齢化率も2倍以上となりました。
また、 75歳以上の後期高齢者人口は、2023年時点で4万2,152人となっており、後期高齢化率は16.7%となっています。
今後の予測では、2025年に曹仁は25万6,979人まで減少し、年少人口が2万4,419人で全体の9.5%、生産年齢人口が14万4,367人で全体の56.2%と、割合、人口ともに減少。
対して、高齢者人口は8万8,193人と増加し、高齢化率は34.3%と、3人に1人以上が高齢者という状況になるとみられています。
また、後期高齢者人口では同じく2025年には4万9,655人になるとみられており、この際の後期高齢化率は19.3%。
世帯で見ると、2015年時点での総世帯数は11万8,234世帯、そのうち 65歳以上の高齢者が含まれる世帯数は5万2,267世帯で、全体の44.2%にのぼります。
そのうち、高齢単身世帯は1万4,046世帯、高齢夫婦世帯は1万3,287世帯となっており、それぞれ全体の11.9%、11.2%を占めています。
1995年時点では総世帯数が10万9,773世帯で、そのうち高齢者を含む世帯は3万1,539世帯で全体の28.7%でした。
また、高齢単身世帯が5,338世帯で全体の4.9%、高齢夫婦世帯が6,339世帯で全体の5.3%であったことを含めて比較すると、全体的に高齢者の割合が高まり、なかでも、高齢単身世帯の割合が大きくなっていることは看過できない事実です。
青森市の高齢化率は全国平均よりも高く推移しており、今後にそなえたプロの介護職人材の発掘・育成は優先度の高い課題と言えるでしょう。