函館市は「訪問型サービスA」の資格を取得できる研修や事業者への補助金支給を実施
函館市では、市内の介護人材の定着やキャリアアップ、あるいは新たな人材の参入を目的とした「介護職員資格取得受講支援事業」を行っています。
これは、介護業務に従事している介護職員を対象に、「介護職員初任者研修」および「介護福祉士実務者研修」の受講料等の一部を支援することにより、市内の介護サービス事業所における新たな人材の参入と職員の定着ならびにキャリアアップを促進し、介護人材の安定的な確保と質の高いサービス提供を図るものです。
かつては「介護職員初任者研修受講支援事業」として実施していたものですが、2023年4月より対象を拡大し、介護福祉士実務者研修を補助対象に加えたタイミングで名称を変更しました。
申請は市の保健福祉部地域福祉課へ必要書類を提出することで行い、受諾された場合には補助対象となる費用の半分以内の額が、受講者一人につき5万円を上限として支給されます。
さらに、函館市では介護助手の雇用に補助金を交付する「介護助手活用促進事業」を実施。
介護助手とは介護福祉士などの有資格者が、専門性の高い業務に専念できるようにサポートする役割を担う方々のことであり、函館市内で介護サービスを提供する事業者が新たに介護助手を3カ月間の短期雇用契約で雇用した場合に最大10万円が交付される制度です。
函館市の高齢化率は36.95%で介護体制の拡充が急務
出典:「函館市の人口【住民基本台帳人口/過去のデータ】」(函館市)
「第9次函館市高齢者保健福祉計画・第8期函館市介護保険事業計画(2021年度~2023年度)」(函館市)
函館市の発表によると、2023年10月末日の函館市の総人口は24万903人でした。
また、そのうち0歳から14歳の年少人口が2万1,284人で全体の8.8%、15歳から64歳の生産年齢人口は13万606人で全体の54.2%を構成。
65歳以上は8万9,013人で高齢化率が36.9%と、3人に1人が高齢者という状況になっています。
続いて世帯数を見てみると、2015年の高齢者世帯の割合が45.4%となっており、このうち高齢単身世帯が16.3%、高齢夫婦世帯が13.1%と、高齢者がいる世帯が半分に迫る勢い。
特に高齢単身世帯においては、6世帯に1世帯近くが高齢単身世帯という状況です。
20年前の1995年には高齢者を含む世帯は29.9%、高齢単身世帯が7.7%、高齢夫婦世帯が8.2%となっており、全体的に割合が上がっていますが、なかでも高齢単身世帯が倍以上の増加と、その増え幅が大きくなっています。
この高齢単身世帯は2005年を境に高齢夫婦世帯の割合を超えており、これからも増え続けていくとの推計も。
さらに今後は、2025年には人口が23万4,011人まで減少、高齢者も8万8,063人と微減し、高齢化率は37.63%に上昇すると予測されています。
以上で見てきたように、函館市は全国平均よりも高齢化率が高い状態が続き、今後は高齢者世代をささえる介護体制の構築が喫緊の課題だと言えそうです。