認知症カフェへの補助や、認知症サポーター養成の出前講座などを実施
大分市では、「認知症カフェ」を運営する団体へ補助を行っています。
(「認知症カフェ」とは認知症についての情報交換ができる場のこと。)
この補助の対象は、大分市内にある社会福祉法人や医療法人、NPOなどの団体です。
これらの団体が以下のような条件を満たす場合補助の対象となるのです。
- 認知症に関連した活動実績を持ち、継続的な活動を行う
- 宗教的、あるいは政治的な活動を伴わない活動
- 特定の公職者屋政党などを推薦、あるいは反対する目的ではない
- 市税を滞納していない
- 暴力団や暴力団員と密接した交際がない
- 国や県からその他の機関から他の補助金等の交付を受けていない団体
また、補助府対象の認知症カフェの定義は以下の通りです。
- 認知症患者やその家族、地域住民、あるいは専門職などが気軽に集まることができ、情報交換などの活動の拠点として運営が自主的になされる
- 公共交通機関からのアクセスが良いなど、利用しやすい立地に開き、10人以上が集まることのできるスペースがある
- 3人以上の運営スタッフがおり、そのうち1人以上は医師や看護師、あるいは介護支援専門員や介護職員など、認知症患者やその家族からの相談などに対応できる人員である
- 地域包括支援センターや介護事業所、地域の関係者などと連携し、開かれた場になるようにする
市の福祉保健部に必要書類を提出することで認知症カフェへの補助金を申請します。
受諾された場合には、会場使用料や付帯設備使用料、講師の謝金、印刷製本費などの経費を、一人の補助対象者あたり最大10万円が補助金として交付、4年度目以降は上限額6万円が交付されます。(※年度ごとの申請が必要です)
大分市ではこの補助の注意事項として、事業を実施する団体に対しボランティアを受け入れるように要請しており、くわえて食品などを提供する場合には、食品衛生責任者となる人員を配置するようにも要請していますので、その点には注意が必要でしょう。
また、大分市では認知症サポーター養成講座の出前講座も行われています。
これは事業者をはじめ、5名以上の団体であれば申請を行うことができ、会場の手配や会場費などは申請者が負担することになるものの、講師料や資料代などは無料となっています。
地域包括支援センターか大分市長寿福祉課に申請することで受講できますが、申込団体はおおむね5名以上から可能であり、実施日時は月曜から金曜の午前8時30分から午後5時15分の間で、講座の時間は原則1時間半であるという点には注意が必要です。
このように、大分市では認知症関連の支援が非常に充実しているということができるでしょう。
2020年の高齢化率は27.9%!ただし所によっては40%超え
出典:「統計ダッシュボード」(総務省)
「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)
2020年時点の大分市の総人口は47万9,341人でした。
そのうち、0歳から14歳の年少人口が6万4,692人で全体の13.5%を占めており、15歳から64歳の生産年齢人口は28万1,010人で全体の58.6%、65歳以上の高齢者人口が13万3,639人で、高齢化率は27.88%です。
同年10月における全国平均の高齢化率は28.8%だったので、これと比較すると大分市は比較的高齢化が進んでいない都市だと思いますが...
とはいえ、高齢化が急速に進行しつつある現状を楽観視するべきではありません。
例えば、大分市の高齢者人口は1995年時点で5万569人にすぎず、高齢化率も11.9%にとどまっていました。
つまり、大分市では20年で高齢者人口が2.29倍、高齢化率が12.3%と2倍以上の上昇をしていることがわかりますね。
続いて地区別に見ると、2010年時点で最も高齢化率が高い地区は佐賀関地区の40.9%で、最も低い地区は大在地区の13.4%となっています。
高齢化率の数字に3倍近い差がついていることから、大分市における高齢化の地域格差はかなり大きいものであるということができそうです。
また、この時点で高齢化率が30%を超えている地区は佐賀関地区以外では野津原筑の38.6%となっており、人口はそれぞれ約1万人、約4,000人で、全体における割合はそれぞれ0.8%、2.1%となります。
いわばこの2つの地域は過疎地域ということができ、その部分の高齢化率が高くなるという全国的な傾向と重なる挙動をしていると言えるでしょう。
また、この時点で総人口の43.0%にあたる約20万4,000人が住んでいる大分地区では、高齢化率は19.5%、次に多い稙田地区では高齢化率が23.7%と、高い地域に比べて半分程度の高齢化率となっており、大都市では高齢化が進みにくいという全国的な傾向が、こちらも当てはまると言えそうです。
大分市の今後の予測では、総人口が2025年に約47万6,000人、2035年には約46万人と減少傾向が明確なものとなり、そのなかで高齢化率は2025年には29%、2035年には32%と、3人に1人近くが高齢者となる推計が発表されています。
また、地区別で見ると、大在地区では2025年も高齢化率が15.5%と10%台を保っていますが、ほかの地域では軒並み上昇。
特に佐賀関地区では高齢化率が50.7%と、なんと2人に1人以上が高齢者となるほか、高齢化率が30%を超える地区が5地区と過半数を超えるなど、高齢化が進むなかで、地区間における格差はさらに広がるとみられています。