100歳以上の高齢者、51年連続で過去最多を更新
2021年度、表彰の対象者は4万3,633人
日本国内における100歳以上の高齢者の人数が、8万6,510人に上ったと厚生労働省が発表しました。
これは、住民基本台帳を基に集計した数で、1971年から51年連続で最多記録を更新、医療技術の進歩などが要因に挙げられています。
一昨年と比べても6,060人増加。
女性は7万6,450人、男性は1万60人となり初めて1万人を超えました。

9月15日の老人の日には、年度中に100歳を迎える高齢者に内閣総理大臣から記念品とお祝い状が贈られます。
表彰対象者には、海外に住む日本人や国内に永住する外国人も含まれ、その数は前年度より1,831人増えて4万3,633人でした。
オンラインを利用し、各地で長寿の祝いが行われたようです。
人口10万人あたりの数は島根県が9年連続最多
国内最高齢を男女別で見ると、男性が奈良県在住の111歳、女性が福岡県在住の118歳となっています。118歳の女性は「存命中の世界最高齢」として、ギネス世界記録にも認定されています。
また、都道府県別に見た人口10万人あたりの人数は、島根県が134.75人で9年連続最多、次いで高知県(126.29人)、鹿児島県(118.74人)となっています。最も少なかったのは、32年連続で埼玉県の42.4人でした。
島根県に100歳以上の高齢者が多い科学的根拠はありませんが、県の担当者は「畑仕事や行事などに積極的に参加する高齢者がたくさんいる。それが100歳を超えても健康な人が多い要因なのではないか」とコメントしています。
100歳超えの約9割が女性、その理由は?
世界共通、生物学的にも女性は長寿
前段で述べた通り、100歳以上の高齢者において7万6,450人が女性で、その割合は全体のおよそ88%にあたります。
男性よりも女性が長生きする傾向にあるのは、日本に限られたことではなく、世界共通のことと言えます。
男女別の平均寿命は、先進地域で7〜8年、医療の発達していない発展途上地域でも3〜4年女性の方が上回ります。
男女でかかりやすい病気に違いがあことも寿命の差に関係がありそうです。例えば、各性別特有の前立腺がんや精巣がん、乳がんや子宮がん以外の主要な部位に見るがんによる死亡率では、肺、胃、肝臓すべてにおいて男性が女性を大きく上回ります。
ある研究者は、がんを患う率は男女で差はないが、がんになりかかった細胞を取り除く免疫力が女性の方が強いからだと主張しています。

女性が男性に比べ長生きな理由
さまざまな研究を通して、女性が男性よりも長生きな理由がわかってきています。理由には以下のようなことが挙げられます。
「エストロゲン」という女性ホルモンには、血圧や悪玉コレステロールの血中濃度を下げる働きがあり、高血圧や動脈硬化の予防ができます。
また、脂肪細胞から分泌されるホルモン「アディポネクチン」には、動脈硬化を抑える働きがあり、長寿の女性はこの数値が高いことが明らかになっています。
男性に比べ女性は基礎代謝量が少なく、少ないエネルギーで生きていけます。そのことは、環境の変化にも適応しやすく、老化を早める活性酸素ができにくいとも言えるので、長寿に結びついています。
女性は医療機関を受診する頻度が高く、食事の栄養バランスを意識したり、アルコールや喫煙を控えるなど自分の健康を気遣う傾向にあります。また、鏡で自分の姿を見る回数が多く、月経リズムもあるので、健康状態を気にすることに慣れています。
女性は骨が弱りやすく、要介護になりやすい懸念も
介護保険受給者の7割が女性
しかしその一方で、介護保険の受給者の約7割が女性という指摘もあります。これは単に女性の方が長生きをするからという訳ではなく、年齢ごとの介護保険の利用率を見ても女性が男性よりも高いことがわかっています。
また、女性は男性よりも1.5倍「要介護」になりやすいというデータも見逃せません。筋肉量の少ない女性は転倒しやすく、高齢者になると転倒による骨折も増えてきます。骨折をきっかけに、寝たきりになってしまうケースも少なくありません。

丈夫な骨を保ち要介護を防ぐ心がけを
女性ホルモンの「エストロゲン」には、骨を強くする働きもあります。閉経後、エストロゲンの分泌が減ると、骨密度が減少し骨質が劣化します。その結果、骨が弱まり、骨粗しょう症のリスクが高くなります。
実際、骨粗しょう症の患者数は男性に比べ女性は3倍であることもわかっています。また、「要介護」の前段階である「要支援」になってしまう原因の1位は関節疾患、3位は骨折・転倒ということも厚労省の報告で明らかになっています。
骨粗しょう症の予防には、カルシウムの摂取、ビタミンDを体内で合成するための日光浴、ウォーキングなどが効果的だと推奨されています。骨を強くすること心がけて、転倒や骨折を防ぎましょう。
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2020年9月7日 制定