サービス介助士とは?仕事内容から資格の取得ルート、取得によるメリット・デメリットを解説

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サービス介助士は「ケアフィッター」とも呼ばれ、高齢者や障がいをお持ちの方を介助するための高いスキルを持つことを証明する資格です。介護業界で働く際、取得していると勤務先に評価され、待遇アップにつながるでしょう。

この記事では、サービス介助士の仕事内容や資格の取得方法、給与額、さらに資格を取得することによるメリットとデメリットについて詳しく解説します。

介護分野で活躍したい方、介護職員としてキャリアアップを目指したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

サービス介助士(ケアフィッター)とは

「サービス介助士2級」から「サービス介助士」に正式名称変更

サービス介助士とは、高齢者や体の不自由な方が生きがいを持って自立した生活を送れるようサポートするための介助技術を身に付ける資格です。以前は「サービス介助士2級」と呼ばれていましたが、2016年4月に「サービス介助士」へと名称が変更されました。

介助に関する知識・スキルは、介護施設以外でも活用できます。例えば、運輸業や小売業、観光業、レジャー産業などのサービス業でも注目され、サービス介助士の資格を取得して活躍している方は多いです。

高齢化が進展するなか、近年では大学や専門学校の講座としても取り入れられ、2016年時点において全国で13万人以上が資格保有者となっています。社会的なニーズ、知名度ともに高い資格です。

サービス介助士の資格の種類

サービス介助士は公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定を行っている資格です。

同機構では2015年度中に移行期間を設けて、2016年4月からサービス介助士にかかわる資格の名称を一変させました。具体的には、それまでの「サービス介助士2級」を「サービス介助士」に、「サービス介助士準2級」を「准サービス介助士」に、「サービス介助士3級を「サービス介助士ジュニア」に変更したのです。

もともとサービス介助士2級は、上級資格を開発することを念頭においてそのように名付けられていましたが、社会状況の変化に対応すべく、同機構では新たに「防災介助士」や「認知症介助士」などの資格を創設。

それらの資格を取得することでより高度な学習ができるようになったことから、「サービス介助士2級」の「2級」を外し、「サービス介助士」としたのです。

なお、同機構によれば、サービス介助士2級とサービス介助士、サービス介助士2級と准サービス介助士、サービス介助士3級とサービス介助士ジュニアは同等の資格であり、認定証の効力は将来にわたって差異は生じないとしています。

サービス介助士

サービス介助士

サービス介助士は別名ケアフィッターとも呼ばれていますが、ケアフィッターとはその名の通り、ケアをフィットする人のことです。

ここで言う「ケアをフィットする」には、何でも「介助すれば良い」というわけではありません。例えば、買い物の案内をするときに、その人が買うべきものまで案内者がすべて決めてしまっては本人の満足度につながらないでしょう。

必要なことはその時や場所、人によって常に変わります。そのため、個々人にフィットしたケアを提供するというサービス介助士の発想が重要になるのです。介助を受ける側が「手伝ってもらってよかった」と思えることに加え、介助をする側も「手伝ってよかった」と思えるような関係をつくることが、サービス介助士の使命と言えます。

准サービス介助士

准サービス介助士は通信講座と在宅検定試験で手軽に挑戦できる資格で、準サービス介助士を取得後、サービス介助士へとステップアップするのが一般的です。

資格取得に向けた学習を通して、高齢者や障がいのある方など体が不自由な方への「おもてなしの心」と「介助知識」を身に付けることができます。

介助技術についてはDVD付の教材で学ぶことができるため、忙しくてテキストを使った勉強をする時間のない方でも、資格取得に必要な知識を学べるでしょう。

サービス介助士ジュニア

サービス介助士ジュニア

サービス介助士ジュニアは中学生・高校生向けに創設された資格です。しかし基本理念はサービス介助士・准サービス介助士と同じであり、資格取得を通して家族や友人、地域の人、学校生活でかかわる人への「おもてなしの心」、さらに「基礎的な介助技術」を学びます。

なお、資格を取得するには、「サービス介助士ジュニア資格取得講座」を中学校や高校の授業に導入して、受講することが必要です。資格は授業を17時間以上受けて、実技試験と筆記試験に合格することにより取得できます。

サービス介助士の仕事

サービス介助士は高齢者や障がいのある方が安心して公共施設を利用できるようにサポートするのことが主な仕事です。サービス介助士の資格は、あくまで一定の介助スキル・知識を持つことを示すことができる資格であり、資格を持っていないと就けない職があるわけではありません。

しかしそれだけに、資格を活かせる場は広いと言えます。サービス介助士の資格を取得している人が、駅などの交通機関や、公共施設、スーパーなどの店員として働いているなら、高齢者・障がいをお持ちの方は安心して各種機関・施設・店舗を利用できるでしょう。

顧客・利用者とコミュニケーションを取る必要なあらゆる場面において、サービス介助士の資格は活用できるのです。

介護福祉士との違い

介護福祉士は介護に携わる人のための国家資格です。一方、サービス介助士の場合、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が主催する民間資格であり、国家資格ではありません。

介護福祉士は介護を行うための高度な知識、技術を持つことを証明する資格ですが、サービス介助士のような「おもてなしの心」に配慮したメンタルケアは学習過程に含まれていません。

サービス介助士はホスピタリティを大事にし、介助を受ける側に心の満足感と安心感を得てもらうことを重視する資格と言えます。

サービス介助士の資格を取得するには検定試験に合格する必要がある

受験資格

サービス介助士の資格は、年齢や性別、学歴、実務経験の年数などによる制限はなく、誰でも挑戦できます。

試験の難易度も低く、介護現場に携わる仕事をしている方、あるいはこれから介護分野に就職・転職を考えている方は、取得しておいて損のない資格です。

特に学生など実務未経験の方にとっては、介助のことを学べる絶好の機会となるでしょう。

資格取得の流れ

テキストでの自宅学習に加えて実技教習が必要

サービス介助士は働きながらでも取得しやすい資格です。資格の認定期間である公益財団法人日本ケアフィット共育機構に講座受講の申し込みを行うと、自宅で学習するためのテキストが送付されます。

まずはテキスト学習により課題を提出し、100問中60問以上の正答を目指しましょう。申し込みから課題提出までの期間は、概ね6ヵ月以内です。

課題をクリアしたら、今度はオンライン講座とスクーリングによる実技教習を受けます。実技教習を終えるには、「オンライン講座6~7時間+対面形式による実技教習1日」もしくは「対面形式による実技教習2日」の受講が必要です。

実技教習を終えたら、最終試験である検定試験を受け、合格すれば資格を取得できます。

受講・試験内容

サービス介助士の具体的な受講内容をご紹介しましょう。自宅で学ぶ通信課程のカリキュラムは、「サービス介助の基本理念」「高齢者社会の理解」「高齢の方への理解」「障害のある方への理解」「バリアフリーサービスの基礎知識」「ホスピタリティマインドと接遇技術」「具体的介護技術」「知己社会への貢献」「超高齢社会を迎えての法規等の凡例」で構成されています。

続いて行われる実技教習課程のカリキュラムの内容は、「高齢者疑似体験」「体験の感想に関するディスカッション」「ジェロントロジー」「ホスピタリティマインド・接遇訓練」「車椅子操作方法・演習・移乗訓練」「聴覚障害の方への介助」「歩行に支障がある方への介助」「視覚障害の方への介助・演習」「盲導犬・聴導犬・介助犬」「ユニバ―サルデザイン・共用品」「車椅子操作と手引きの実技チェック」などです。

実技教習後に行われる検定試験は、マークシート形式の3宅問題で、合計50問(1問2点で計100点)出題されます。

合格基準

合格率は80%以上!難易度はやさしめ

自宅で行う通信講座の課題は100点中60点以上、最後に行われる検定試験は100点中70点以上を取ると合格です。

検定試験は、自宅で行う基礎学習と実技教習の内容をしっかりと理解しておけば、問題なく合格点に届く難易度となっています。

検定試験の合格率は非公開ですが、公式サイトによると受験者の80%以上が合格しているとのこと。試験の難易度は高くないと言えます。

合格すると認定番号が付与!サービス介助士バッジも使用できる

サービス介助士の資格を取得すると、有資格者のみが入手できる専用のバッジを購入できます。価格は税込みで1,650円。資格取得に挑戦し、合格した方は、介助を行う際に身に付けると良いでしょう。

バッジを身に付けていると、ケアフィッターであることを証明でき、自信と誇りをもって仕事に取り組むことができます。

受験費用・期間

サービス介助士の資格を取得するのにかかる費用は、税込みで4万1,800円です。費用のなかには、テキストや提出課題問題集の費用、課題採点にかかる費用、実技教習の費用、検定試験の受験料とその採点費用、認定状と認定証の発行費用、各種教材と結果通知にかかる送料などがすべて含まれています。

資格の認定期間である公益財団法人日本ケアフィット共育機構に費用を支払い、必要な教材等をすべて送付してもらうので、別途テキストなどを買う必要はありません。

認定証の有効期限

サービス介助士の資格は合格すればその後ずっと有資格者でいられるわけではなく、定期的な更新が必要です。資格認定証の有効期間は3年で、その都度、更新手続きを行います。更新料は税込みで1,650円です。

現在、サービス介助士の資格更新は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構のサイトにてオンラインで行えるようになっています。個人で更新を行う場合は、マイページ上にて更新料をクレジットカードで支払った後、確認テストの受験が必要です。テストを受け、「振り返りレポート」に必要事項を記入すれば、更新手続きは完了します。

法人単位で一括更新を行う場合、まずは同機構にその旨を連絡。その後、折り返し更新方法について連絡がきますので、その内容に沿って行えば更新手続きを行えます。

サービス介助士資格を取得するメリット・デメリット

メリットは幅広い職種で活用できる介助の知識を学べること

メリットは幅広い職種で活用できる介助の知識やスキルを学べること

サービス介助士の資格を取得するメリットの1つが、幅広い職種で活用できる介助の知識やスキルを学べるという点です。

通常、介護・介助にかかわる資格は、高齢者福祉や障がい者福祉以外の職種で生かす機会があまりありません。例えば介護職員初任者研修や実務者研修などは、基本的に介護職として働く場合にこそ生かせる資格です。

一方、サービス介助士の資格は、職種に関係なく活用できます。介護職に限らず、例えば駅で働く駅員やスーパーで働く店員なども、サービス介助士の資格を生かすことができるのです。

もちろん介護職として働く場合も、サービス介助士の資格は十分に活用できます。サービス介助士の講座における大きな特徴の1つが、接遇マナーを体系的に学べるという点です。利用者の方と適切なコミュニケーションを図るための知識・スキルは、介護現場でも大いに役立つでしょう。

デメリットは単独だと履歴書に記載するには弱いこと

サービス介助士のデメリットとしては、介護職員初任者研修などの資格と比べると、介護職に就職・転職する際、履歴書に書いてアピールする資格としては弱い点を挙げることができます。

サービス介助士は介護分野に特化した資格ではなく、社会における多様な場面で、ハンディキャップのあるお客様を接客するための基礎的な資格という位置づけです。介護職は、サービス介助士の資格を生かせる職種の1つ、とも言えるでしょう。

就職・転職活動を行う際は、ほかの資格も併せて取得することも検討し、幅広く介護全般に対する知見を併せもっていることをアピールできたら良いでしょう。

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サービス介助士の実賃金(1ヵ月あたり)

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サービス介助士の給料について、正確なデータはありませんが、参考までに介護職員の給料を見てみましょう。厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、介護職員の手当や一時金などを含めた月の平均給与額は下記の表のようになります。

年齢 男性 女性
29歳以下 30.3万円 29.1万円
30~39歳 35.1万円 31.5万円
40~49歳 36.6万円 32.4万円
50~59歳 34.1万円 32.4万円
60歳以上 29.7万円 29.5万円
出典:「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省) 時点

これはあくまでも介護職として働く人全体の平均月給。例えば、サービス介助士の資格のみ保有し、介護福祉士など介護分野の専門性の高い資格を持っていない場合、上記よりも給与額は低くなる傾向があるでしょう。

サービス介助士の将来性

サービス介助士の需要

サービス介助士の需要

今後高齢化がさらに進む日本では、車椅子や杖を使用して外出する方がますます増えていきます。それに伴い、サービス介助士のような正しい介助知識・スキルを持つ人へのニーズは、社会の中で否応なしに高まっていくでしょう。

実際すでに、サービス介助士や小売業や観光業、レジャー産業といったサービス業の分野において、高く評価されるようになっています。

そうしたニーズを反映するかのように、資格を取得する人の数も年々増加。サービス介助士の有資格者数は、2021年1月8日時点で、18万7,573人に上っています。以上の状況を考慮すると、サービス介助士の将来性は極めて高いと言えるでしょう。

活躍できる場

サービス介助士が活躍できる場は、社会の中にたくさんあります。例えば、高齢者や障がいをお持ちの方にとって、駅や空港などでの移動に困ることもあるでしょう。

そんなとき、駅員や空港職員がサービス介助士の資格を持っていれば、適切な接遇技術や介助知識・スキルを活かし、問題なく移動できるよう手助けできます。

同様のことはスーパーや飲食店など、人が集まるどのような場所でも当てはまることです。サービス介助士は、社会のあらゆる場面で活用できる資格と言えます。

また、サービス介助士は社会の場だけでなく自宅でも生かせる資格です。例えば、自分の親族の中に高齢の方や障がいのある方がいる場合、資格取得に向けて学んだことを日常生活の場で生かすことができるでしょう。サービス介助士が活躍できるシーンは、公私を問わず多岐に渡ります。