精神保健福祉士(PSW)とは?仕事内容から資格の取得ルート、資格取得のメリットを解説

ストレス社会を生きる現代人にとって、心の病は決してめずらしいことではありません。精神に障がいのある方の生活を支え、社会参加をサポートする専門職が精神保健福祉士です。 この記事では、精神保健福祉士の専門性や仕事内容、ほかの資格や職種との違い、資格取得の方法、平均給与額、異業種からの転職の仕方などについて詳しく解説します。 精神保健福祉士として働いてみたいと考えている方や資格取得を検討している方は、ぜひご一読ください。 もっと見る
精神保健福祉士の仕事をしている人のイメージイラスト

精神保健福祉士の仕事をしている人のイメージイラスト

精神保健福祉士(PSW)とは精神に障がいのある人たちの社会復帰を助ける精神科ソーシャルワーカー

精神保健福祉士とは1997年に創設された精神保健福祉領域におけるソーシャルワーカーのことで、介護福祉士や社会福祉士と並ぶ国家資格です。

以下では、精神保健福祉士の定義や役割、専門性、さらに制度上の位置づけについて説明します。また、資格取得後の主な就労先もご紹介しています。

ソーシャルワーカーについて詳しく知りたい方は、「ソーシャルワーカーとは?必要な資格・なれる職種を一覧で解説」をご参照ください。

精神保健福祉士の役割、定義、専門性

精神保健福祉士の役割は、精神に障がいが生じている方の生活上の問題や、社会生活を送るうえでの課題を解決するための支援を行うことです。具体的には、精神障がい者の自立した生活や社会復帰のサポート、相談などです。

現在、日本は社会全体で精神障がい者の支援に力を入れています。しかし、その受け皿となり得る施設やその施設で就労する専門家は不足しています。

精神保健福祉士は、精神障がい者の人権を守り、社会参加を促進することに貢献する人材として重要な役割が期待されているのです。

主な仕事内容は相談業務

精神保健福祉士の主な仕事内容は、精神障がい者とその家族からの相談に応じて適切なアドバイスや訓練を行うことにあります。

具体的には、精神障がい者の方への医療費や生活費などを手配する方法や生活をサポートしてくれる各種公的支援制度の紹介、社会復帰を目的とした会話の練習や就労支援、職場への定着支援などです。

2006年施行の障がい者自立支援法、2012年施行の障がい者総合支援法などにより、精神に障がいのある方への支援方法が入院医療中心から地域生活中心へと変わりました。それに伴い、精神保健福祉士が行う仕事内容も、職場や学校など地域社会との連携を重視するものへと変化しています。

地域移行支援とは

精神保健福祉士の重要な役割のひとつが地域移行支援です。地域移行支援とは、障がい者支援施設や精神科病院に入所や入院をしている方が、地域での生活に円滑に移行できるようサポートすることです。住居や就労先の確保を始めとする多様な準備が必要になるため、精神保健福祉士は幅広い支援を担います。

精神保健福祉士が行う具体的な地域移行支援は、以下のような内容です。

  • 地域生活に移行するための外出時の同行
  • 各種障がい福祉サービスの体験利用
  • 地域移行支援計画の作成
  • 体験宿泊
  • 地域移行をする障がい者の方への相談対応

現在、精神科の医療機関に入院された方の約9割が1年以内に退院しており、平均在院日数も徐々に短くなりつつあります。しかし、新規入院患者の約1割は1年以上の長期入院となり、地域生活への意向が難しくなっているのが現状です。こうした方々の地域移行を実現できるよう支援を行うのが精神保健福祉士の役割なのです。

精神障害者アウトリーチ推進事業とは

精神障がい者アウトリーチ推進事業は、精神障がい者の地域移行施策として2003年ごろから実施されてきました。アウトリーチとは訪問による支援のことで、精神障がい者が日常生活において直面する課題の解決を、入院という形式に頼らないで行うことが事業の目的です。

精神障がい者に対しては、以前から退院促進事業が行われてきましたが、支援もなく退院してもらうだけでは、地域生活に定着できず、やがて再入院に至るケースが多く発生してしまいます。

精神障がい者アウトリーチ推進事業では、専門職がチームを組んで退院後に必要に報じて訪問支援を行い、保険・医療・福祉サービスを包括的に実施。患者が再入院せず、自宅での生活を継続できるように手厚いサポートを行うのです。

日本精神保健福祉士協会とは

日本精神保健福祉士協会は、精神保健福祉士の資質向上とその普及啓発を図る事業を行い、精神障がい者の社会的な復権と福祉のための活動を進めることで、国民の精神保健福祉の向上に貢献することを目的とした組織です。

当初は「日本精神医学ソーシャルワーカー協会」として1964年に創設されました。その後1997年に精神保健福祉法が制定されたこともあり、1999年に「日本精神保健福祉士協会」に名称を変更。2013年には公益社団法人となりました。

取り組む事業は、公益目的事業と収益事業の2種類。公益目的事業としては、精神障がい者などの生活支援と権利擁護、精神保健福祉士の倫理と資質の向上、資格制度の充実など。収益事業としては、精神保健福祉士の養成とその普及啓発、精神保健福祉士賠償責任保険の普及事業などがあります。

発達障害、認知症にも対応

近年、発達障がいの方も精神保健福祉士の支援対象として位置づけられるようになりました。発達障がいの方とその家族をサポートすべく、必要となる支援や訓練、社会参加時の周囲の人々との調整などを行います。

また、高齢化に伴って認知症の人が年々増えています。そうした方々の生活を支えるのも精神保健福祉士の仕事です。

認知症の人への対応は、投薬治療および生活環境の調整が中心。認知症の人に必要な医療・福祉サービスの情報を提供するなど、その生活を支える役割も果たしています。

発達障害、認知症

精神保健福祉士の倫理綱領

精神保健福祉士の倫理綱領は、精神保健福祉士が守るべき倫理の原則と基準を示すことで、専門職としての価値を示し、クライアントや社会から信頼を得て、精神に障がいを持つ人が個人として尊重され、共生できる社会の実現を目指すことを目的に定められました。

「倫理原則」と「倫理基準」から構成され、どちらも「クライアントに対する責務」「専門職としての責務」「社会に対する責務」「機関に対する責務」について規定しています。

例えばクライアントに対する責務という点では、倫理原則だとクライアントの基本的人権を尊重し、健康で文化的な生活を営むことができる権利を擁護すること、倫理基準だとクライアントと専門的援助関係を締結し、クライアントとともに問題解決を図ることが規定内容です。

精神保健福祉士は名称独占資格

精神保健福祉士は名称独占資格のため、「精神保健福祉士」と名乗れるのは所定の国家資格を取得した人のみです。

名称独占資格であって業務独占資格ではないため、精神保健福祉士が行う業務については、関連する社会福祉士あるいは作業療法士などが行うこともできます。

ただし、保健所あるいは精神障がい福祉施設では、精神保健福祉士は必置資格です。

精神保健福祉士の登録者数

精神保健福祉士の登録者数は、8万9,121人です。都道府県別にみると、最も多いのは東京都で、2番目に多いのが神奈川県、3番目が大阪府となっています。

精神保健福祉士の登録者数

同じ国家資格である社会福祉士や介護福祉士と比べると、登録者数は少ないのが現状です。

精神保健福祉士の職場

かつては精神保健福祉士の就職先といえば精神科の病院がメインでした。しかし近年では、幅広い分野で有資格者へのニーズが高まっており、選択肢は多くなっています。

具体的には、以下のような職場が挙げられます。

精神科のクリニック 高齢者向けの介護施設
就労支援事業所・相談支援事業所 保健所
精神保健福祉センター 公共職業安定所(ハローワーク)
児童相談所 保護観察所や矯正施設などの司法施設
教育機関 一般企業

訪問看護ステーションで働く場合もある

訪問看護ステーションでは多職種で利用者を支えており、精神保健福祉士もそのひとりです。

精神保健福祉士は、サービス利用前に病院の医師や相談員と連携し、利用者の方を支えていく方法を考えます。医師や看護師といった医療専門職と利用者との調整役、橋渡し役を果たしています。

訪問看護ステーション

保健所での就労も可能

保健所も精神保健福祉士が就労できる職場です。保健所都道府県、政令指定都市、中核都市などに置かれている機関です。「母子保健」「予防」「動物愛護・狂犬病予防」に加えて、「精神保健福祉」の役割も担っています。

保健所にて心の悩みや病気に関する相談を受け付ける際、対応するのが精神保健福祉士です。助言や指導、社会復帰にかかわる相談にも応じています。

精神保健福祉士の職種と資格

相談支援専門員

相談支援専門員とは、障がいのある方およびその家族に対して、日常生活を送るうえで必要となる支援をコーディネートする専門職です。主な仕事内容としては、障がいのある方およびその家族からの相談への対応、計画相談と呼ばれている支援計画の作成、さらに関係諸機関との連絡および調整などがあります。

精神保健福祉士の資格を取得して、以下の業務に5年以上従事している場合、相談支援従事者(初任者)研修を修了することで、相談支援専門員の資格を取得(有資格者ルート)できます。

  1. 社会福祉主事任用資格者
  2. 相談支援の業務を行ううえで必要な知識・技術を習得したと認められる者

スクールソーシャルワーカー

スクールソーシャルワーカーとは、学校に通う児童・生徒が日常生活で直面するいじめや不登校、暴力行為、虐待などの問題に寄り添い、解決のための支援を行う専門職です。

児童・生徒の問題を解決するためには、児童・生徒本人とその家族に向き合うだけでなく、学校側や地域社会に働きかけを行うことも求められます。例えば、不登校という問題が生じているときには、学校側に不登校児が通いやすい支援学級を整備する働きかけや、地域に対して無料塾や地域の子ども食堂の利用推進・普及を促すなどの働きかけを行う必要があるわけです。

スクールソーシャルワーカー

精神保健福祉士の有資格者は、スクールソーシャルワーカーとして働くことができます。ただし、日本社会福祉士養成校協会あるいは日本精神保健福祉士養成協会が認定している所定の教育課程を修了することが必要です。

ほかの資格、職種との違い

社会福祉士との違い

精神保健福祉士と社会福祉士の最大の違いは、支援対象者です。精神保健福祉士が対象とするのは精神障がい者の方のみです。それに対して、社会福祉士は多様な障がいを抱える方に対応する専門職です。

しかし職務内容に違いこそあるものの、資格試験では共通する科目も多く、両方の資格を取得して活躍している人は少なくありません。福祉領域で幅広く活動したい場合は、精神保健福祉士と社会福祉士どちらの資格も取得することを検討しても良いでしょう。

介護福祉士との違い

介護福祉士は、精神保健福祉士、社会福祉士と並ぶ国家資格です。障がいを持つ方およびその家族を直接支援するという点では、介護福祉士と精神保健福祉士は共通しています。

両者の最大の相違点は、精神保健福祉士が精神の障がいに対する支援を専門に行うのに対して、介護福祉士は精神面だけでなく身体面の障がいへの支援も行うという点です。介護福祉士は身体機能が衰えた高齢者、および身体障がい者の方へのサポートもその業務の中に含まれています。

介護福祉士との違い

カウンセラーとの違い

カウンセラーは精神保健福祉士と同じく、人の心に焦点をあてて、相談に乗りながらケアの方法やサポート方法を考えていく専門職です。

両者の違いは、障がいに対するアプローチの仕方にあります。カウンセラーは患者一人ひとりに向き合い、その心の治療を集中して行うのが仕事です。一方、精神保健福祉士は、本人と向き合いつつも、ソーシャルワーカーとして地域社会や家族、学校など本人を取り巻く環境に注目し、その調整や整備を行うのが主な仕事です。

臨床心理士との違い

臨床心理士は、心に問題を抱えている依頼者に対してカウンセリングを実施し、臨床心理技法を用いながら問題解決を行う専門職です。臨床心理士が行うカウンセリングの特徴は、患者と1対1で向き合いながら、心理面を重視した対策を行うという点にあります。

一方、精神保健福祉士の場合、精神に障がいがあり、日常生活自体を送るのが難しい方を対象としています。そうした方が自立した生活を送って社会復帰できるようにサポートするのが、精神保健福祉士の仕事です。

また、精神保健福祉士は厚生労働大臣が定めている国家資格であるのに対して、臨床心理士は民間資格。社会的な信用度という点では、精神保健福祉士の方が高く、取得すると就職や転職時に有利です。

公認心理師との違い

公認心理師は国家資格であり、公認心理師法が施行された2017年に誕生しました。主業務は、心理的な問題を抱えている方もしくはその周囲の人に対して、心理学の観点から解決の道筋を立てるために、相談やアドバイスを行うことです。いわば、心の問題をケアするアドバイザーです。

一方、精神保健福祉士も国家資格ではありますが、こちらは精神に障がいのある方、心に病を持つ方が自立し、社会復帰できるように手助けするのが主業務です。

作業療法士との違い

作業療法士は、体のリハビリ・機能回復訓練を行う専門家です。精神保健福祉士と連携して業務を行う機会も多くあります。患者や利用者のリハビリ・訓練内容を考えて実施するのが、作業療法士の役割です。一方、患者やその家族へのサポートは精神保健福祉士が担います。

作業療法士との違い

精神保健福祉士と作業療法士は連携して仕事を行う機会が多い専門職なので、両方の資格を取得している人は多くいます。そうすることで活動の範囲が広がり、これまで以上に職場での活躍が期待されるでしょう。もちろん、転職の際にも有利です。リハビリや機能回復訓練の分野でキャリアアップを目指すなら、ダブルライセンスを目指すのもひとつの方法です。

看護師、保健師との違い

保健師とは、地域住民に対する保健指導および健康管理を行う専門職です。保健師になるには看護師資格が必要であり、最初に保健師の資格だけを取得することはできません。大学あるいは専門学校によっては、看護師や保健師、助産師の受験資格を同時に得られるケースもあります。しかし、原則として看護師資格とあわせて取得することが前提となっているカリキュラムの場合です。

また、看護師は医師の治療をサポートし、人々の健康を守るのが主業務。勤務先によって業務内容が変わります。例えば大きな総合病院に就職する場合、病棟や外来、手術室など担当部署によって任される仕事内容はさまざまです。看護師として働くには、看護師の国家試験に合格する必要があります。

一方、精神保健福祉士は精神に障がいのある方の自立・社会復帰をサポートするのが主業務です。身体面も含めた健康全般を扱う保健師や看護師とは業務の内容、範囲が違います。

他職種とのチームアプローチは必要不可欠

多職種連携については、世界保健機関(WHO)が1980年代頃から報告書を出していました。しかし、世界的に注目を集めるようになったのは最近のことです。2010年にWHOが出した報告書によると、多職種連携を担うのは医療分野の専門職に加えて、地域コミュニティーのリーダー、各種事業所の管理者、さらにボランティアなども含まれるとされています。

精神保健福祉士の場合、精神に障がいのある方をサポートするために、保健師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、薬剤師、栄養士、社会福祉士、医療ソーシャルワーカー、歯科医師、歯科衛生士などと連携するのが一般的です。また、地域包括ケアシステムを構築する一員として活動する場合は、上記の専門職に加えて、各種社会福祉施設の職員や地域の民生委員、NPO法人の職員、ボランティア団体の構成員、自治会の代表などとも連携します。

精神保健福祉士になるには国家試験に合格する必要がある

受験資格

精神保健福祉士になるには、財団法人社会福祉振興・試験センターが行う国家試験に合格する必要があります。受験資格を得るには複数のルートがあるので、自分にあった方法で目指すことが大事です。以下に、ルートをご紹介しましょう。

  • 保健福祉系大学ルート
    …4年制大学で指定科目を履修、3年制短大で指定科目履修+実務経験1年、2年制短大で指定科目履修+実務経験2年
  • 福祉系大学ルート
    …4年制大学で基礎科目履修+短期養成施設などで6ヵ月間の学習、3年制短大で基礎科目履修+実務経験1年+短期養成施設などで6ヵ月間の学習、2年制短大で基礎科目履修+実務経験2年+短期養成施設などで6ヵ月間の学習
  • 社会福祉士ルート
    …社会福祉士の資格取得+短期養成施設などで6ヵ月間の学習
  • 一般系大学ルート
    …4年制大学+一般養成施設などで1年間の学習、3年制短大+実務経験1年+一般養成施設などで1年間の学習、2年制短大+実務経験2年+一般養成施設などで1年間の学習
  • 実務経験ルート
    …実務経験4年+一般養成施設などで1年間の学習

受講費用、期間、試験日

精神保健福祉士国家試験は毎年1回、2月の土日で2日間に分けて実施されます。試験地は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7都道府県。ひとつの試験地に受験者が集中したときは、ほかの試験地に振り分けられることもあるので注意しましょう。

受験手数料は1万7,610円です。ただし、社会福祉士の有資格者で、一部の試験が免除された場合は、1万4,080円です。

受験科目、難易度

精神保健福祉士国家試験は筆記で実施され、科目数は全部で17科目。一例を挙げると、「人体の構造と機能および疾病」や「精神疾患とその治療」といった人体や疾病に関する基礎知識に関するもの、「社会保障」や「保健医療サービス」といった社会保障制度の知識に関するものなどが出題されます。

17科目のうち11科目については、社会福祉士と共通した科目です。そのため精神保健福祉士の有資格者は、社会福祉士を目指しやすくなっています。ただしいずれの資格も学習範囲が広いため、日頃からの積み重ねが合否を分けます。

合格率は62.1%

精神保健福祉士試験の合格率は、2017年度試験(2018年2月3日、4日実施)は62.9%、2018年度試験(2019年2月2日、3日実施)は62.7%、2019年度試験(2020年2月1日、2日実施)は62.1%でした。ここ数年は62%台となっています。

精神保健師国家試験の合格率の推移

また2019年度試験について合格者の男女比をみると、女性が全体の66.2%、男性が33.8%を占めています。

資格取得のためのルート

保健福祉系大学・短大卒業の場合

保健福祉系大学卒業の場合

保健福祉系大学・短大で精神保健福祉士の受験資格を得るには、4年制大学の場合だと指定科目を履修し、卒業することで資格を得ることができます。

一方、短大の場合だと、3年制短大であれば在学中に指定科目を履修し、卒業後に相談援助の実務経験を1年積むことが必要です。また、2年制短大であれば、在宅中に指定科目を履修し、卒業後に相談援助の実務経験を2年経ることで受験資格が得られます。

福祉系大学・短大(基礎科目履修)、専門学校・対象職種従事者など

福祉系大学卒業の場合

福祉系大学・短大から精神保健福祉士の受験資格を得るには、4年制大学であれば基礎科目を履修して卒業し、短期養成施設などで6ヵ月以上学習することが必要です。

短大であれば、3年制だと在学中に基礎科目を履修して卒業し、相談援助の実務経験1年以上に加えて、短期養成施設などで6ヵ月以上学習することが必要です。また、2年制短大だと在学中に基礎科目を履修して卒業し、相談援助の実務経験2年以上に加えて、短期養成施設などで6ヵ月以上学習することで受験資格を得られます。

一般大学・短大・相談援助

一般大学・短大から精神保健福祉士の受験資格を得るには、4年制大学の場合は卒業後に一般養成施設などでのカリキュラムを1年以上履修することが必要です。

短大の場合は、3年制だと卒業後に相談援助の実務経験が1年以上あることかつ一般養成施設などでのカリキュラムを1年以上履修することで受験資格を得られます。2年制だと卒業後に相談援助の実務経験が2年以上あることかつ一般養成施設などでの1年以上の履修が必要です。

大学・短大卒の学歴がなくとも、相談援助の経験のみで精神保健福祉士は目指せます。その場合、相談援助の実務経験が4年以上あることかつ一般養成施設などで1年以上の履修を経ることが必要です。

一般大学・短大・相談援助

通信制の一般養成施設、短期養成施設で学習

一般養成施設または短期養成施設には、昼間は仕事のため通学できないという社会人のために、通信制のコースを設けているスクールが数多くあります。

インターネットを通して自宅などで授業動画を視聴し、レポート課題を提出するというのが基本的な学習スタイルです。空いた時間で自由に学習できるので、融通が利きます。

ただし、医療福祉施設で行う実習やスクーリング科目(対面授業)もあります。すべての授業を自宅で受けられるわけではありませんのでご注意ください。

夜間の専門学校で働きながら学べる

精神保健福祉士資格を取得するルートのうち、もっともオーソドックスな方法が、保健福祉系4年制大学で所定のカリキュラムを履修するという方法です。

大学の中には、昼間コースだけでなく夜間コースを併設しているところもあります。昼間は仕事をしながら夜間に大学に通学して所定の単位を取得し、精神保健福祉士を目指すこともできるわけです。

夜間コースは昼間コースよりも学費が安いため、経済的負担が抑えられるメリットもあります。ただし、昼間コースと同等の学習量をこなすため、そういった点での負担はあるでしょう。

また、精神保健福祉士の受験資格を得るためのカリキュラムには、医療施設や福祉施設での実習が義務づけられています。実習期間は1ヵ月近くあり、実習の日は朝から丸1日を費やすことになります。仕事をしながら夜間に通学する場合は、この期間をどう乗り切るかということを事前に考えておきましょう。学校によっては仕事の都合にあわせたスケジュール調整をしてくれることもあります。

ウェブ講座で学習もできる

ウェブ講座で学習もできる

最近では、精神保健福祉士の受験対策をウェブ上で実施する講座もあります。内容としては、国家試験の受験までに理解しておくべき基本的事項を学ぶというものです。さらに掘り下げて学習するには、自主的に調べて理解することも必要です。

実習が免除になる場合

一定の条件を満たしている場合、精神保健福祉士の受験資格を得るための実習が一部免除されます。免除の対象者と内容は、以下をご確認ください。

対象者 免除の内容
福祉系4年制大学などで基礎科目を履修して卒業した方 合計210時間ある精神保健福祉援助実習のうち、障がい者施設などでの実習が60時間を上限として免除
社会福祉士の有資格者かつ社会福祉士受験資格を得た学校で「相談援助実習」を履修している方
精神障がい者の社会復帰にかかわる相談援助の実務経験がある方(1年以上) 精神保健福祉援助実習が免除
医療関係施設で精神障がい者を対象とした相談援助業務の実務経験がある方(1年未満) 合計210時間ある精神保健福祉援助実習のうち、障がい者施設などでの実習120時間が免除。(医療機関での90時間の実習は履修が必要)

免許更新の要件、欠格事由

精神保健福祉士として就労するには、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに登録を行う必要があります。登録には、精神保健福祉士国家試験に合格するのはもちろんのこと、「欠格事由」に該当しないことが必要です。具体的には以下のように規定されています。

  • 精神機能の障がいが原因で、社会福祉士、介護福祉士および精神保健福祉士の業務を適正に行ううえで必要となる認知や判断、意思疎通を適切に行えない人
  • 禁固以上の刑に処せられていて、その執行の終了もしくは執行を受けなくなった日から2年経過していない人
  • 「社会福祉士法」および「介護福祉士法」、「精神保健福祉士法」の規定、あるいは「社会福祉または保健医療に関する法律(精神保健福祉士は「その他の精神障がい者の保険または福祉に関する法律」)の規定のもと、施行令第1条で定める内容により罰金の計に処せられて、その執行の終了、または執行を受けなくなった日から起算して2年経過していない人
  • 「社会福祉士法」および「介護福祉士法」、「精神保健福祉士法」の第32条第1項第2号または第2項の規定に基づいて登録を取り消され、取り消しを受けた日から2年経過していない人

なお、第32条第1項第2号または第2項の規定は、以下の場合に適用されます。

  1. 虚偽または不正の事実に基づいて登録を受けている場合
  2. 信用失墜行為の禁止に違反している場合
  3. 秘密保持義務に違反している場合
  4. 主治医の指導を受ける義務に違反している場合(精神保健福祉士のみ)

資格を取得するメリット

精神保健福祉士の資格を得るメリットは多くあります。まず、資格取得によって社会的な信用度が高くなるため、就職・転職時に有利になります。例えば医療機関などで働く場合、職場にいるのは医師や看護師など専門職ばかりです。自らの専門知識やスキルを証明する精神保健福祉士の国家資格は武器となるでしょう。

また、職場の選択肢が広がることも大きなメリットです。精神保健福祉士の一般的な就職先は医療機関ですが、保護観察所などの司法機関、障がい者施設や児童相談所といった福祉施設など多岐に渡ります。国家試験に合格したら、自分にあった就職先をじっくりと考えて選びましょう。

公務員として働くこともできる

精神保健福祉士は公務員として働くこともできます。公務員となった場合、勤務先となるのは保健所や精神保健福祉センター、公立の病院および障がい者施設、地方自治体の庁舎、ハローワークなどです。

公務員であれば安定して働き続けることができます。生まれ育った地域の自治体などで精神保健福祉士として定年まで腰を据えて働きたいという方には、おすすめの資格です。

公務員として働くこともできる

精神保健福祉士の給料は?月給・年収相場と給与待遇

精神保健福祉士の実賃金

精神保健福祉士の有資格者の給料相場は、年収347万円です(厚生労働省「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」資料より)。

さらに精神保健福祉士の資格を職務に活用している人に限ってみると、平均年収は341万円になっています。

給料について詳しく知りたい方は、「介護系職種の給料を徹底解説!年齢別平均や給料アップのポイントは?」をご参照ください。

精神保健福祉士の将来性

精神保健福祉士の需要

精神保健福祉士の需要

ストレス社会と言われる現代の日本では、職場や学校など、あらゆる場面でメンタルサポートに注目が集まっています。同時に、精神面に問題を抱える人を支援する精神保健福祉士へのニーズも高まりつつあります。それに伴い、病院や福祉施設、各種行政機関、企業、学校など、精神保健福祉士が就労できる職域は広がっています。

例えば企業では、うつ病対策や精神面に配慮した労働改善に取り組むケースが多くみられるようになりました。同様に学校でも、いじめや不登校などの問題に積極的に取り組むところが増えています。このように職場や教育現場では、精神保健福祉士の知識やスキルを必要としています。

就職に有利な状況は、今後も続くことが考えられるでしょう。

精神保健福祉士のやりがい

精神保健福祉士は、精神に障がいを持つ方の社会復帰を支援するプロセスなどにおいて、サポートする方の人生にかかわれることがやりがいにつながります。

専門家として適切な相談・援助を行うことで社会復帰を実現できれば、本人とその家族から深く感謝されます。

一方で、資格取得後の若い精神保健福祉士だと、業務を通して自らの力不足や未熟さを感じることもあるかもしれません。しかし、精神保健福祉士として業務をこなしていくうち、さまざまな人生に向き合うことで人間力や心の専門家としての能力を高めることができるでしょう。

異業種からソーシャルワーカーのへの転職を成功させる方法

精神保健福祉士の履歴書の書き方

履歴書の日付は、履歴書を郵送するときはポストの投函日もしくは郵便局の窓口で手続きを行った日を記載します。面接を受けるために履歴書を提出するときは、面接日を記入しましょう。

氏名は戸籍に掲載されている漢字を楷書体で丁寧に書きます。履歴書の用紙に「ふりがな」と書かれているときは平仮名、「フリガナ」の場合はカタカナで記入しましょう。押印欄があるときは、認印を忘れずに押すようにします。

学歴・職歴の記載については、最初に学歴、次に職歴という順番です。学歴は中学卒業または高等学校入学から書きます。職歴については、社会人経験のない人の場合、「職歴」行の後ろに「なし」と記入しましょう。なお、アルバイトやパートは職歴とみなさないのが一般的です。

魅力的な志望動機の書き方

魅力的な志望動機の書き方

志望動機を書くうえでポイントとなるのは、なぜ応募先の施設・企業でなければならないのかという点です。ほかの施設・企業では自分の希望に合わないという理由をしっかりと考えておきましょう。

また、志望動機には、応募するに至った動機を自分の体験談を交えて書くことが大事です。一般的な言い回しや定型文を書いても、採用担当者は心を動かされません。その施設や企業に就職した場合にのみ実現できることを、自分の言葉で書きましょう。

なお、志望動機欄のスペースは、8割以上埋めるのが基本です。文量が少なく、余白だらけの志望動機欄では、採用担当官にアピールできません。

面接での留意点

面接を受ける際は、スーツ着用が原則です。新卒者であればリクルートスーツでも構いません。施設によってはビジネスカジュアルでも問題ない場合もありますが、自分での判断が難しいときはスーツが無難です。応募先から私服でも構わないとの連絡があっても、デニムや半ズボンのようなラフな服装は避けてください。

また、着ていく服のシワは伸ばしておき、清潔感をアピールしましょう。アクセサリーを身につけている場合は、面接前までに外します。香りが強いメイクや香水は控えましょう。

精神保健福祉士に向いている人

精神保健福祉士は、精神疾患を抱えている方の社会参加を支援するのが主な役割です。そのため、相手の心と正面から向き合って、その思いや考えに寄り添える人が向いています。

さらに、サポートを行う方の中には心の苦しみや悩みを正確に訴えることができない方も少なくありません。精神保健福祉士はそうした方に対して積極的に手を差し伸べて、辛抱強くコミュニケーションを取っていくことが必要です。

苦しんでいる方や困っている方の力になりたい、人の役に立つ仕事がしたいと真剣に考えている方におすすめです。