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生活支援員の給料を年齢、職場、地域ごとに徹底解説!

生活支援員は、障がいのある方への生活のサポートや就労支援などを担う専門職です。地域福祉に貢献できるやりがいのある仕事ですが、就職や転職をする場合、給与額の水準がどのくらいなのかをしっかりとチェックしておく必要があります。 この記事では、生活支援員の平均給料や他職種との給料の違い、雇用形態別の収入一覧表、さらに就職・転職後に給料をアップする方法などについて詳しく解説します。 これから生活支援員を目指す方はもちろん、すでに生活支援員として活躍している方にとっても有益な情報ですので、ぜひ最後まで読んで役立てください。

生活支援員の平均給料(月収・年収)

厚生労働省の『福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について』によると、生活支援員の平均給与額は31万3,943円です(処遇改善加算Ⅰの届け出をしている事業所に勤務する職員の2018年9月分)。給与額は前年同月から1万3,000円以上アップしています。

年間の給与総額は376万円以上となり、こちらに年間の賞与額と諸手当を加算すると、平均年収は450万円に達します。

ただし、これはあくまで平均額です。勤務先の事業所や就労者の年齢・実務経験によって、実際に得られる収入は変わってきます。

1.手取りは額面給料の7~8割

生活支援員の給与額31万3,943円というのは、あくまで額面給料です。就労者が自由に使える手取り額を計算するには、額面給料から各種税金や社会保険料などを差し引く必要があります。

一般的に、手取り額は額面給料の7~8割です。生活支援員の場合、月当たりの手取り額は25~26万円前後になると考えられます。

2.生活支援員の資格手当、福利厚生

給与額は通常、基本給と諸手当の合計額として算出されます。生活支援員が障がい者支援施設などで働いた場合に支給される手当には、以下のようなものがあります。

  • 通勤手当
  • 時間外手当
  • 夜勤手当
  • 職務手当
  • 扶養手当
  • 資格手当
  • 在宅手当
  • 処遇改善手当

ご自身の働き方のスタイルによって、手当の金額は変わってきます。これから就職や転職をする方は、自分が望む就労条件で働いた場合にもらえる手当てについて、しっかりと確認しておきましょう。

3.施設・事業所規模別の給料の違い

厚生労働省の『福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について』によると、入所施設の従業員数別の平均給与額は、「40人以下」だと33万7,256円、「41人~60人」だと33万8,911円、「61人~80人」だと33万4,530円、「81人以上」だと35万330円です。

また、同じように「グループホーム」のデータを見ると、「4人以下」だと20万8,544円と20万円前後。対して、「8人以上10人以下」だと23万8,910円、「31人以上」だと23万1,864円で、人数が増えると23万円前後の額になっています。

以下のグラフは、事業所の規模別の日中活動系サービスの月額平均給与額を示したものです。入所施設もグループホームも規模が大きい施設だと待遇がアップする傾向があるため、就職先・転職先を探す際は、事業所の規模にも注目すると良いでしょう。

施設・事業所規模別の給料の違い

ほかの職種との給料の違い

1.生活相談員

生活相談員は、介護施設などで入居者とその家族の相談に対応する専門職です。「みんなの介護求人」によると、生活相談員の求人情報に掲載されている給与額は、18万円~27万円前後となっています。

しかし事業所ごとに実際の金額は大きく異なり、17~18万円前後で募集していることもあれば、25万円以上で募集していることもあるようです。生活支援員の給与額と比較するとほぼ同水準と考えられますが、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を持つ場合、資格手当がつけば給与額はややアップします。

生活相談員の給料について詳しく知りたい方は、「生活相談員の給料を年齢や職場、都道府県ごとに徹底解説!」をご参照ください。

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2.就労支援員

就労支援員

厚生労働省の調査によると、2018年9月時点における就労支援員の平均給与額は30万8,637円です(『福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について』より)。同調査における生活支援員の給与額は31万3,943円で、それよりもやや低い金額となっています。

しかし、実際の給与額は勤務先や就労者の保有資格や実務経験によって変わってくるため、両者の間に大きな差があるとは言えません。

3.ホームヘルパー

厚生労働省によると、ホームヘルパーの2018年9月時点における平均給与額は28万5,399円となっています(『福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について』より)。

同時期の生活支援員の給与額は31万3,943円ですから、それよりも3万円以上低い数値です。この比較をふまえると、生活支援員の方が全体として給与額はやや高めです。

4.看護職員

看護職員とは、看護師と准看護師を指します。同様の調査結果によると、看護職員の平均給与額は40万7,102円です(『福祉・介護職員処遇改善加算等の状況について』より)。

生活支援員の給与額は31万3,943円となっており、看護職員の方が9万円以上高い数値となっています。

看護師の給料について詳しく知りたい方は、「看護師の給料はいくら?年齢別平均や給料アップの方法を知る」をご参照ください。

雇用形態別の収入一覧表

1.正社員の場合

正社員の場合

ハローワークの求人情報をみると、生活支援員の採用条件として提示されている給与額は、正社員で16万円前後~24万円前後です。

実際の給与条件は、募集をかけている事業所の規模や収支状況、さらに応募者の実務経験や保有資格などによって大きく変わってきます。未経験などの場合だと、給与額は正社員であっても10万円台後半になることが多いです。

2.パート・アルバイトの場合

パート・アルバイトとして勤務する場合、ハローワークの求人情報によると、雇用条件としての時給額は900円~1,200円前後が相場です。

こちらも事業所ごとに採用条件が大きく異なるので、応募の際は自身の経験や保有資格に見合った職場を探しましょう。

生活支援員が今後さらに給料を上げるには?

1.経験年数を積んでスキルアップする

生活支援員が給与アップを目指す方法の一つが、就職した職場で長く勤務し、勤続年数を上げることです。定期昇給制度を導入している職場であれば、働き続けることで給与アップを実現できます。

ただし、定期昇給による給与アップは、就労者のスキル・能力向上と連動することが前提となっている場合も多くあります。「ただ長く働いているだけ」では給与アップにつながらない場合もあるので注意しましょう。

2.資格を取得する

資格を取得する

障がい者支援施設の多くは、資格手当を支給する制度を設けています。事業所によって手当を受けられる資格とその金額は変わりますが、介護・福祉関連の資格だと支給されることが一般的です。

関連する資格を取得することで資格手当が付与され、給与アップにつながります。例えば、介護の資格だと介護福祉士や介護福祉士実務者研修、介護職員初任者研修、福祉全般の資格だと社会福祉士や精神保健福祉士などです。

3.給料が高い職場へ転職

現在の職場で希望に合った給与アップが期待できないときは、待遇の良い事業所に転職することも選択肢の一つです。給与額は事業所ごとに異なるため、転職活動を通して、現在よりも良い条件で働ける職場を見つけられるかもしれません。

その場合、転職する本人自身も、客観的に評価されるような資格や経験、実績などを持っていることが望ましいです。評価される部分がなければ、待遇の良い職場への転職は難しくなります。

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