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栄養士とは?仕事内容から資格の取得方法、就職先を解説

栄養士の受験資格、仕事内容、就職先についてのイメージイラスト

健康的な体づくりに欠かせないのが、バランスの取れた食事の摂取です。

しかし高齢化が進行すると、飲み込むことがうまくいかなくなったり、食欲が低下したりなど、「食」に関する問題が多く発生します。

そこで高齢者だけでなく、子どもや障がい者の病気の予防や健康維持のために栄養管理や調理を行うのが「栄養士」の仕事です。

ここでは栄養士はどんな資格なのか、管理栄養士との違いや給料、就職先まで丁寧に解説。

料理が好きな方や、「栄養面・体づくりで困っている人を支えたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。

栄養士とは

栄養士とは、個人または集団に対して、栄養バランスの取れた献立の作成や調理方法の助言などを行う専門職です。都道府県が認定する国家資格であり、資格を取得しないと栄養士を名乗ることはできません。

栄養面から健康な食生活を送られるようにサポートする「アドバイザー」としての役割を持ちます。

人数の推移

栄養士の総数と免許交付数の推移

厚生労働省『栄養士免許交付数の推移』によれば、2014年3月時点で栄養士の合格者累計は102万3,005人となっています。

2013年には新たに1万8,567人、2014年には1万9,090人が国家試験に合格しています。

管理栄養士とはどう違うの?

栄養士とよく似た仕事に、「管理栄養士」があります。食と栄養のスペシャリストという共通点はありますが、栄養士と管理栄養士にはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、栄養士は都道府県知事から免許を受け、管理栄養士は厚生労働大臣から免許を受けるという違いがあります。

そして大きく異なるのが、栄養指導を行う対象です。

基本的に、栄養士は健康な人に対して指導を行いますが、管理栄養士は健康な人のほか、怪我や病気をした人に対して指導を行います。それだけに、管理栄養士には栄養士よりも高度な専門的知識と技術が必要です。

つまり、管理栄養士の方が高度な栄養指導が求められる仕事なのです。資格取得の難易度も、栄養士よりも管理栄養士の方が高くなっています。

  栄養士 管理栄養士
資格 国家資格(都道府県認定) 国家資格(厚生労働省認定)
対象者 健康な方のみ 健康な方
病気を患っている方
高齢者
業務内容 栄養管理や指導
給食の運営
栄養管理や指導
給食の運営

栄養士の仕事内容は、栄養指導や調理師との共同調理

栄養指導、調理師と共同の仕事をするイメージイラスト

栄養士は、食や栄養のスペシャリストとして食事の管理と提供、栄養指導を行い、健康をサポートする仕事です。

さまざまな場所で働く機会がありますが、いずれの職場でもこの業務内容は基本的に変わりません。

子どもの成長促進をバランスの良い食事でサポート

保育園・幼稚園、小中学校の給食では、子どもたちの成長が促進されるような献立の作成が必要です。

栄養士は栄養学に関する知識をもとに、子どもの発育につながるメニューを提案します。

また、給食センターや給食設備を整備している教育施設では、調理師と一緒に調理を行うことも多いです。

さらに近年では、保育園・幼稚園、小学校などで、子どもたちに「食」に対して正しい知識を持ってもらうために「食育」の授業が導入されるようになっています。

その際、授業内容の企画や実施、現場の先生のサポートを行うのは、栄養士の仕事です。

子どもたちのみならず、親に対して食事と栄養に関する情報提供を行う場合もあります。

高齢者や障がいのある方の健康維持

栄養士は、高齢者や障がいのある方を対象に、健康維持を目的とした献立を考える役割も果たしています。

栄養状態が偏ってしまうと心身の状態が悪化し、健康を損ねることにつながることも少なくありません。

栄養士は年齢や持病、障がいの状況に適した献立を考え、個人や施設側にアドバイスを行います。

特に高齢化が進んでいる日本では、介護施設における活躍の場は今後さらに広まっていくでしょう。

栄養士になるには養成校の卒業が必須

栄養士として働くには、栄養士の国家資格を取得する必要があります。

国家資格ではありますが、国家試験を受験するのではなく、所定のカリキュラムを修了することで認められる資格です。

資格を取得するための3つのルート

栄養士資格取得のルート

栄養士資格を得るには、「大学ルート(1)」「短大・専門学校(2・3年制)ルート」「大学ルート(2)」のいずれかを選ぶことができます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.【大学ルート(1)】栄養士養成課程を履修

栄養士養成課程を設け、資格取得に必要なカリキュラムを実施している4年制大学であれば、卒業時に栄養士の資格を取得できます。

ただし養成講座が栄養士のみの大学の場合、上位資格である「管理栄養士」を目指すには実務経験が1年以上必要です。

入学先を選ぶ場合は、将来的に管理栄養士の資格を取得するのかどうかも考えておきましょう。

栄養学について学ぶ一方で、食に関するそのほかの専門科目や教養科目、語学など幅広い学問に触れたい方に、お勧めのルートと言えます。

2.【短大・専門学校(2・3年制)ルート】2年または3年間履修

3年制の短期大学もしくは専門学校であれば、4年制大学よりも短い期間で栄養士の資格を取得できます。

3年制は2年制に比べると時間はかかりますが、管理栄養士を目指す場合、必要な実務経験の期間は短いです。

必要となる学費や卒業後の進路を踏まえて、3年制と2年制のどちらが最も合理的なのかを判断する必要があるでしょう。

栄養士の資格のみであれば、2年制の短期大学・専門学校でも取得できます。

3.【大学ルート(2)】管理栄養士養成課程を履修

栄養士資格だけでなく、管理栄養士の資格も取得したい方にお勧めのルートです。

管理栄養士養成課程のある大学であれば、必要な単位を取得して卒業するだけで、実務経験なしでも管理栄養士国家試験の受験資格を得ることができます。

管理栄養士の資格は国家試験に合格しなければ取得できず、栄養士資格のみ保持している場合よりも社会的な評価は高いです。

在学中は管理栄養士になるための履修科目も同時に学ぶ必要があり、勉強量は多いですが、卒業により得られるメリットは大きいと言えるでしょう。

栄養士の給料はいくら?

月収 17万~22万円
年収 250万~400万円
時給 1,200円ほど

一般的な栄養士の月収は17~22万円ほど、年収は250~400万円ほど。また、パートとして働いたときの時給は1,200円ほどです。

給食会社よりも病院や福祉施設の方が、給与が高い傾向があります。

また、正社員として働く場合は勤務場所によっては資格手当が出るところもあります。栄養士資格では月5,000円程度の手当が一般的なので、多少の年収アップも期待できるでしょう。

この資格手当は、管理栄養士の人には月1万5,000円~2万円ほどもつくことがあります。そのため、給与アップを望むのであれば管理栄養士へのキャリアアップを目指すことをお勧めします。

栄養士の就職先は?

介護施設

一般的に、高齢者は加齢によって食が細くなっています。

食べる量が減ることで低栄養状態に陥り、健康が悪化することも、実は珍しいことではありません。

介護施設を利用する要介護者は、食事からしっかり栄養を摂取する必要があります。

栄養士は、利用者の状態に合ったメニューを考え、提供します。噛んだり飲み込んだりする力が衰えている人も多いので、きざみ食やソフト食など、食べやすさと飲み込みやすさを重視したメニューづくりも大事です。

また、毎日の食事に加えて、季節のイベントなどに応じたイベント食をつくる機会もあります。

病院などの医療機関

栄養士が活躍する場所のイメージイラスト

病院や診療所などの医療現場では、同じ場で働く医師や看護師と連携し、入院患者の栄養管理をするために、食事の調理・提供、栄養指導を行います。

病院では、食事も治療の一環と考えられています。

治療のため、それぞれの患者の治療に必要な内容のメニューを作成し、メニューに沿った食事をつくります。一人ひとりの患者の状態が異なるため、柔軟な対応が必要とされます。

例えば、アレルギーを抱える患者向けにアレルギーを引き起こす食材が入っていないメニューを考案したり、糖尿病の患者向けに食事療法(食事の制限を行う療法)を行うためのメニューを考案したりすることがあります。

給食施設などの学校関連施設

学校で毎日食べる給食は、栄養士がメニュー考案から、材料の発注、調理、家庭向けに配布される給食だよりの作成まで担当します。

給食の提供を受ける子どもは、大事な成長期にあるので、必要な栄養素をしっかり取れるよう計算のうえでメニューをつくることが求められます。

給食を担当するほか、栄養教諭として生徒へ食生活の改善の指導を行う業務もあります。近年増えている食物アレルギーへの対応のほか、肥満や糖尿病などを抱える生徒には個別に指導をするのも、栄養教諭の仕事です。

官公署

地方公務員試験を受験して合格し、自治体の保健所や保健センターに配属された場合に、地域に住む母子や高齢者などの方々に栄養相談や栄養指導などを担当できます。

公務員は定年まで働ける職場であるため、栄養士の資格を活かしつつ、安定した職に就けるという点では魅力的な働き方です。

その地域ならではの食に関する実態調査を行い、その普及のための指導や技術援助などを行う場合もあります。

ただし地方公務員試験は倍率が高く、合格が難しい試験です。

就職・転職活動の際はその点も十分に考慮しておくことも必要でしょう。

調理した料理を喜んでもらえることなどがやりがい

調理した料理を喜んでもらえるやりがいのイメージイラスト

栄養管理の仕事を通して人の健康に携わることができるのが、やりがいの1つです。栄養バランスの取れた健康的な食事は、病気を抱えている人の体調改善だけではなく、健康な人の病気のリスクを抑えることもできます。

栄養についての知識がないと、何をどのように食べればいいのかわからず、栄養も偏りがちになります。栄養士が正しい知識の元で栄養管理を行うことで、暴飲暴食や栄養バランスの偏りなどの原因によるさまざまな病気を予防できます。

このように、栄養士による栄養管理は、多くの人の健康維持に貢献できるのです。

栄養管理のために、食事のメニューを考えるのも仕事です。その際、ただ栄養バランスが良いだけではなく、見た目にもおいしそうで味もおいしい食事を提供するために食材選定からかかわり、時には調理も自ら行います。

一から準備して提供した食事を食べてもらい、「おいしかった」という言葉をかけてもらえる機会があることも、栄養士として働くうえでやりがいに繋がります。

そして、食や栄養のスペシャリストである栄養士が持つ知識の多くは、実生活でも活用することができます。

さらに、栄養士としての経験と知識を活かして、開発研究職やフードコーディネーターなどの仕事でも、やりがいを感じながら活躍できるチャンスがあります。

調理師と連携するため協調性がある人に向いている

調理師と連携するため、協調性のある人のイメージイラスト

食や栄養を扱う栄養士の仕事は、やはり食に興味がある、食べることが好き、料理が好きという人に向いています。

栄養バランスを考えることは大前提ですが、栄養士はおいしく食べられるメニュー作りも仕事です。そのためには、食に関心があることが大事です。

また、栄養士として働くうえでの基礎となる「栄養学」(食品の栄養素や、栄養素の働きについて研究する学問)は、新たな情報が生まれ続けている分野です。働いている間も常に新たな情報をインプットできる高い向上心が、栄養士には求められます。

そして、栄養士の仕事は単独で行うのではなく、多くの人と協力して行う場面も少なくありません。

特に調理を行う際は、作業をスムーズに進めるため、複数名でチームプレーを行います。職場によっては、医師や看護師、介護職員などほかの職種とのコミュニケーションも欠かせません。

そのため、目標に向かって周囲と協力しながら業務を進められる協調性やコミュニケーション力がある人も、栄養士として向いています。

管理栄養士へのキャリアアップも目指せるため、将来性は抜群

栄養士から管理栄養士へのキャリアップできるイメージイラスト

近年は健康志向の高まりや高齢化により、専門的に栄養を管理し、指導もできる栄養士が活躍できる場も広がっています。

2019年現在、全国300万人以上が抱えている生活習慣病の原因の1つが食生活の乱れです。栄養士による食の見直しやサポートによって、生活習慣病を原因とするさまざまな疾患の予防にもつながります。

また、適切に栄養を摂取することで、高齢者の筋力の衰えを予防でき、介護予防にも結びつけられます。

現在進行系で進む高齢化は、高齢者世帯以外の健康意識の高まりにもつながっています。「ヘルシー志向」や介護予防への意識は、今後も高まり続けるでしょう。

栄養士は管理栄養士へのキャリアアップを目指せます。栄養士の資格を取得後、養成施設によっては一定以上の経験を積み、その後試験に合格すれば管理栄養士の資格取得が可能です。

これらの両方の資格を取得すれば、さらに活躍の場は広がるでしょう。