リハビリ専門職の給料を年齢、性別、資格ごとに徹底解説!

リハビリ専門職とは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリテーションに携わる専門職の総称です。医療・福祉分野で人材ニーズが高いリハビリ専門職ですが、実際に資格取得を目指す、あるいは就職・転職を検討するという場合、就労後の給与額はしっかりと理解しておくべきでしょう。 こちらでは、リハビリ専門職の給与額や勤務先ごとの平均給料、さらに就労後に給料アップを図る方法などについて詳しく解説します。すでにリハビリ専門職として活躍している方はもちろん、これから目指す方も、ぜひチェックしてください。 もっと見る
リハビリ専門職の給料の相場がわからない人のイメージイラスト

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リハビリ専門職の給料(月収・年収)

リハビリ専門職の初任給

厚生労働省の『平成30年賃金構造基本統計調査』によると(以下のデータもこれを参照)、リハビリ専門職の一つである「作業療法士」の場合、新卒世代が多い20~24歳の平均月収は、男性が23.5万円、女性が23.9万円。言語聴覚士の場合は18~20万円程度で、高いところで20万円を超えるくらいが相場です。リハビリ専門職の初任給は「月給20万円を越える程度」と考えて良いでしょう。

ただし、実際の初任給は、勤務先となる事業所の規模や収支状況、さらに立地する地域などによって変わってきます。実際に就職活動において情報収集をする際は、初任給額についてもチェックしておきましょう。

手取りは額面給料の7~8割

手取りは額面給料の7~8割

平均年収は作業療法士が400万円前後、言語聴覚士が350万円~450万円、平均月収は作業療法士が27万円~29万円、言語聴覚士は男性だと30.5万円、女性だと29.1万円です。リハビリ専門職全体としての収入額も、これらに準ずる額になると考えられます。

しかしこれはあくまで額面給料です。実際に自由に使える金額を計算するには、住民税や所得税、さらに社会保険料などを差し引く必要があります。これら各種税金や保険料を天引きした後の金額が、手取り額です。

手取り額は一般的に額面給料の7~8割程度となるため、リハビリ専門職全体の平均で22万円~24万円ほどになると考えられます。

ボーナス

作業療法士の場合、10人〜99人の従業員数の企業に勤めていると、ボーナスの額は男性が平均約59万円、女性が平均約55万円。10人以上の企業に勤める場合、男女あわせた平均額は約66万円です。ボーナス支給額のピークは男女とも50代で、男性は平均約110万円、女性は約132万円です。ピーク時のボーナス額は女性の方が高くなっています。言語聴覚士の場合だと、世代全体での平均ボーナス額は男性が約72.5万円、女性が約72.2万円です。

また、勤続年数ごとに男女別のボーナス額をみていくと、以下のようになっています。

勤続年数ごとのボーナス額

ただし、ボーナスも月額給与額と同様に、勤務先によって大きく変わるのが事実です。就職や転職の際は、月給に加えてボーナスの額についてもしっかりとチェックしておきましょう。

手当、福利厚生

リハビリ専門職の勤務先は医療機関や介護施設がメインとなるため、一般企業などに比べると福利厚生が手厚いケースが多くなっています。ほとんどの職場において資格手当をはじめ、扶養手当や住宅手当、残業手当、通勤手当、休日出勤手当が支給されます。

また、休暇制度も充実していることが多く、年次有給休暇だけでなく、独自にリフレッシュ休暇などを設けている場合も少なくありません。

一般的に規模の大きな施設ほど福利厚生も手厚くなる傾向があります。例えば病院の場合、国公立と私立のどちらにおいても、規模が大きいほど福利厚生の充実度は高くなります。

年齢別、男女別の平均給与

リハビリ専門職の給与額は、年齢とともに上昇するのが一般的です。厚生労働省の『平成30年賃金構造基本統計調査』では、理学療法士と作業療法士とをあわせた年齢別・性別の給与額を掲載しています。

具体的な平均月収の金額を世代別にみると、男性で最も低いのは20代で23.5万円~25.3万円、最も高いのは50代で、34.9万円~35.9万円です。女性で最も低いのは20代で23.9万円~24.8万円、最も高いのは50代は33.5万円~36.1万円です。男女間で給与額に大きな差がない点は、リハビリ専門職の大きな特徴です。

年齢別、男女別の平均給与

勤続年数ごとの給料

リハビリ専門職は一般企業などと同じく、勤続年数が上がるほど給与額は上昇していきます。作業療法士の勤続年数ごとの平均給与は、以下のようになっています。

勤続年数 男性 女性
1~4年 25万円 24.6万円
5~9年 27.6万円 25.7万円
10~14年 30.6万円 28.2万円
15年以上 36.4万円 31.3万円

企業規模別の給料

厚生労働省の『令和元年賃金構造基本統計調査』によると、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士)の月給額を勤務先の規模別にみた場合、就業者数「10~99人」の場合だと31万400円、「100~999人」の場合だと28万2,100円、「1,000人以上」だと28万8,300円です。こうしてみると、同じリハビリ専門職であっても、事業所の規模によって月給額に違いがあることがわかります。

資格による給料

理学療法士

理学療法士

「みんなの介護求人」に掲載されている理学療法士の求人情報を見ると、正職員の場合、月給額は24万円~28万円で設定されていることが多くなっています。ただし、大都市圏から離れた地域になると、20万円前後からの募集となる場合もあります。

パート・アルバイトの募集では時給1,300~1,700円ほどが相場です。しかしこちらも施設によって違いがあり、1,200円としている施設もあれば、2,000円としている施設もあります。

作業療法士

作業療法士の求人情報を「みんなの介護求人」で見た場合も、月給の提示額は理学療法士と同様の水準で20万円台半ばです。しかし、こちらも事業所によっては19万円台からの募集も散見され、その一方で35万円以上に設定しているところもあります。施設によって提示されている月給額には大きな差があると言えるでしょう。

パート・アルバイトの場合、時給は1,300円~2,500円と幅広くなっています。基本的には理学療法士と大きな差はありません。

言語聴覚士

「みんなの介護求人」で言語聴覚士の求人情報を見ると、月給の条件として設定されている額は17万円~52万円と幅広くなっています。事業所の規模や収支の状態、立地場所、応募者の実務経験によって給与額は大きく変わってくるので、就職・転職の際はその点を見極める必要もあるでしょう。ただし、給与水準としては、理学療法士、作業療法士とそれほど大きな差はないようです。

パート・アルバイトの場合、時給の幅は1,200円~2,200円で、施設ごとに募集条件が大きく変わってきます。

ほかの資格、仕事との給料差

看護師

看護師

日本看護協会によると、2013年時点における看護師の平均月収は35万2,157円です。また、2012年の1年間でのボーナスの総額は平均で89万1,909円となっています。年収で換算すると500万円程度となり、リハビリ専門職に比べると給与水準はかなり高くなっています。

しかし、看護師は夜勤も多く、患者の命を預かる責任の重い仕事です。給与額が高い分、日常業務の中で心身にかかる負担は大きいと言えます。

看護師の給料について詳しく知りたい方は、「看護師の給料はいくら?年齢別平均や給料アップの方法を知る」をご参照ください。

介護福祉士

介護福祉士の給料相場は、厚生労働省の調査によると月給制だと23万8,440円、日給制だと16万5,282円、時間給だと10万8,786円です。年収に換算すると、300~370万円ほどとなっています。リハビリ専門職と比べると同水準ですが、やや低めとなる場合もあるようです。

介護福祉士の平均給与額は勤務先によっても多少ばらつきがあり、特別養護老人ホームや介護老人保健施設は比較的高額になる傾向があります。勤務先によって給与額が変わってくるという点は、リハビリ専門職と同じです。

介護福祉士の給料について詳しく知りたい方は、「介護福祉士の給料を年齢、職場、都道府県ごとに徹底解説!」をご参照ください。

働く場所ごとの平均給与額

大学病院

リハビリ専門職が大学病院に勤務する場合、ハローワークの求人情報における賃金額を参考にすると、正社員(国公立大学)だと18万円前後~30万円前後での募集が一般的です。

正社員以外として常勤で勤務する場合は、20万円前後からの募集となっています。印象としては、同じ大学病院でも、地方に位置する大学の場合はやや給与額が低めです。

整形外科

整形外科

ハローワークの求人情報から、リハビリ専門職が整形外科の病院で働く場合の給与額を調べると、20万円台半ば~30万円台半ばでの募集が多くあります。未経験者の場合だと20万円前後から、というケースもあります。医療機関ごとに、条件として設定している賃金額の差は大きいです。

訪問看護

「みんなの介護求人」に掲載されている求人情報をみると、訪問看護ステーションでリハビリ専門職を募集する際の給与額は、24万円~35万円です。医療機関とほぼ同水準の給与額が設定されています。パート・アルバイトの場合だと、設定されている時給は「1,450円」や「2100円~2600円」など幅広いです。

全体の傾向として、東京都や神奈川県での正社員の募集では30万円を越えるケースが多く、地方に比べてやや高めとなっています。

リハビリ専門職が今後さらに給料を上げるには?

管理者にキャリアアップする

管理者にキャリアアップする

リハビリ専門職が収入アップを目指す場合、管理職へとキャリアアップする方法があります。ただし、管理職は若いうちに任命されることはあまりなく、40代になってから任されることが多いです。もし将来的に管理職を目指すなら、20代、30代のうちから実務経験を積み上げて、リーダーとしてのスキルや経験を磨いておく必要があります。

管理職になれるのは、一部のリハビリ専門職のみです。認定理学療法士のようなリハビリ専門職としての上位資格を狙うなど、日ごろから能力アップに向けて努力し続けることが欠かせません。

転職する

現在の勤務先で給料アップが見込めないなら、転職するのも一つの方法です。 ただし、転職を決める場合は、最低でも現在の勤務先の勤続年数が1年以上あることが望ましいと言われています。

というのも、もし1年以内で転職しようとすると、転職活動の際に応募先の採用担当官から「1つの職場で長く働けない人ではないか」という印象を持たれる恐れがあるからです。通常、採用するからには少しでも長く働いてもらいたいと採用担当官は考えますので、こうした印象を持たれると転職活動は不利になってしまいます。

そのため、転職を考える場合は、現在の職場で1年以上勤務して、知識やスキルをしっかりと身につけることが大切です。その経験をもとに転職先を探しましょう。

独立・企業する

独立・企業する

リハビリ専門職が収入アップを実現するための方法として、開業するという手段があります。その場合は、「開業医」と呼ばれます。

開業医とは

リハビリ専門職が開業を行う場合は、理学療法や作業療法などを用いない「整体院」という形態にする必要があります。リハビリ専門職の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士には、開業権がないためです。

なお、「接骨院」や「鍼灸院」、あるいは「あん摩マッサージ指圧院」を開業するには、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師などの国家資格が必要です。

そのため、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が勝手に名乗って開業することはできません。あくまで「整体院」としての開業のみです。